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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十二話 光の車輪その十三

「是非ね」
「そうしたいならそうするといい」
「ではな」
「しかしな」
「しかし?」
「謎はわからないことはな」
 博士ご本人にお会いしてもというのだ、何でも来る者は拒まず研究室に入れてくれる人ではあると聞いている。
「言っておく」
「そうなのね」
「会った人は多い」 
 その博士にだ、さっき話した通りだった。
「しかしだ」
「知りたいことななのね」
「まず、な」
「知ることが出来ないのね」
「博士についてはな」
「まあそれでもね」
「行ってみるか」
「そうするわね。まあ博士には帰ってからで」
「今はだな」
「イルミネーションよ」
 今観ているそれをというのだ。
「観ていきましょう」
「それではな」
「そうしましょう、いやどれだけ観てもやっぱりね」
「飽きないな」
「そうそう、じゃあ降りても」
「観るか」
「そうしましょう。ダオね」
 ここでだ、ダオさんはこんなことも言った。
「こんないい夏なかったわ」
「そうなのか」
「部活楽しんで合宿行ってこの旅行にも行って」
「そうしてだな」
「お祭りもあったし八条荘も楽しいし」
 こうしたことが多くあってというのだ。
「本当にね」
「楽しかったか」
「楽しいわ」
 言葉は現在進行形だった。
「今もね」
「そうか」
「出来るだけ日本にいたいしベトナムに帰ったら」
「どうする」
「こうした夏を過ごせる国にね」
「したいか」
「そう思ってきてるわ」
 こう井上さんに答えた。
「何とかね」
「そうか」
「だってこんな場所ないから」
「ハウステンボスはか」
「そう、ないから」
 だからだというのだ。
「こうした場所も造ってイルミネーションもね」
「それもか」
「こんな風に毎晩出来る場所造りたいわね」
「今の技術なら出来るだろう」
「ベトナムでも」
「そう思うが」
「そうね、ただベトナムがこうなるには」
 それにはとだ、ダオさんは難しい顔で述べた。
「まだね」
「足りないか」
「もっとね」
 それこそというのだ。
「そう思うわ」
「お金とか技術が」
「あと楽しめる雰囲気かしら」
「それもなんだ」
「そう、そうしたものが全部あってね」
 そのうえでというのだ。
「やっとよ」
「出来るんだね」
「そうでしょ、娯楽っていうと」
「うん、お金と技術があって」
「それで雰囲気もね」 
 遊んで楽しめるそれがというのだ。 
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