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夢幻水滸伝

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第二十話 現実の世界でその十一

「それだけやからな」
「特にか」
「気にせんでくれたら有り難いわ」
「そうだと思っていた、あちらの世界のことはだ」
「あっちの世界で話すしな」
「学科が違う」
 同じ高校でも学科が違うと別の学校だというのだ、だから彼等も本来は学園では交流はない。
 だからだ、ここに来た理由がわからなかったのだ。
「それで来たのだからな」
「そやからそう思ったんやな」
「そうだ、それとだ」
「それと?」
「私のことで聞きたいことは」
「まあな、これといってな」
 直接、というのだ。
「なかったんや」
「本当に会いに来ただけか」
「そうや、まあ聞きたいことがあるっていうとな」
 強いて言うならというと。
「自分将来はやっぱり」
「就職という考えもあるが」
 しかしというのだ。
「出来れば大学に行きたい」
「八条大学のか」
「海洋学部にな、そしてだ」
「船乗りになるか」
「そう考えている」
 まさにというのだ。
「将来はな」
「そうか、あと趣味は何や」
「釣りとぬいぐるみ集めだ」
「ぬいぐるみ好きか」
「妹が好きでな」
「自分もか」
「好きだ、家の部屋に何十とある」
 これまで集めたぬいぐるみ達はというのだ。
「大小な」
「意外な趣味やな」
「可愛いものは好きだ、あと愛読書だが」
 そちらはというと。
「司馬遼太郎とルイス=キャロルだ」
「アリス好きなんやな」
「かなりな」
「別にロリでもないやろ」
「女性は年上の先生やOLさんだ」
 そちらの嗜好だというのだ。
「人妻さんには手を出さないが」
「それアウトやし」
 綾乃がそれを言ってきた。
「人妻さんは」
「私もわかっている」
「そやったらええけど」
「まあキャロルさんはロリ趣味あったみたいやけどな」
 芥川はここでこの話をした。
「幼女の裸の写真撮ってたし」
「それガチで犯罪やろ」
「当時ではそうやなかったし親御さんの承諾を得てた」 
 そのうえで撮影していたし直接手を出すこともしなかった、キャロルは本職の学者に相応しい紳士だった。この辺り性犯罪者が異常な割合で多い日本の教師達の多くと違う。
「確かに今やったらめっちゃやばいけどな」
「当時はか」
「そうや、直接手を出さん限り罪に問われんかった」
「そうやねんな」
「確かにロリ趣味やったと思うけどな」
 それでもというのだ。
「紳士やったのうは事実や」
「撮影だけか」
「そこで止まってたみたいや」
「まあ今やったら撮影だけでやばいけどな」
 普通に犯罪と認識されるというのだ。
「当時はか」
「普通やったらしいわ」
「当時そんだけロリが多かったんか?」
「そこまでは知らんけどな」
「それでもか」
「結構おったっていう話も聞いた、しかもな」
 芥川はこのことも言った。 
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