転生とらぶる
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ペルソナ3
1823話
釜玉うどんを食って満足したからといって、それで俺達と桐条美鶴達の間にある微妙な関係がどうにかなる訳ではない。
……いや、微妙な関係も何も、まだ俺達の存在は桐条美鶴と真田明彦には知られていないんだが。
荒垣が情報を流せばどうなるかは分からないが、今のところはそんな様子はない。
ともあれ、だ。タルタロスの攻略や、何より原作に突入する――もしかしたら既にしている――事を考えれば、やはり早めにゆかりと桐条美鶴の関係は友好的なものにしておいた方がいい。
「どうにかならないか?」
「……難しいだろうな」
釜玉うどんを食い終わり、食後の休憩を楽しみながら荒垣にその辺りを尋ねるが、返ってきたのはそんな答えだった。
「そもそも、何で岳羽が桐条を……いや、桐条グループを嫌っているのかが分からねえと、どうしようもないだろ。もし本当に何とかしたいって言うのなら、それこそお前が岳羽からその理由を聞き出せばいい。そうすれば、確実に何とかなる……とは限らないが、それでもある程度は話の解決する道筋が見えるだろ」
「そう言われてもな」
元より、それが出来ないから困っている訳で。
もし最初からそれが出来るのなら、今頃はゆかり以外にも桐条美鶴や真田明彦達と共にタルタロスに挑んでいるだろう。
それが出来ないのは、結局俺達に原因がある訳だ。
「こうなったらいっそ、無理矢理あの2人を遭遇させてみるか?」
「本気か?」
俺の言葉に、荒垣が信じられないといった視線を向けてくる。
うん、まぁ、その気持ちは分からないでもないのだが……それでもそこまで驚愕しなくてもいいんじゃないか?
「下手な考え休むに似たり、ってな。ゆかりが何で桐条グループを嫌っているのか、それが分からない以上、いっそ直接お互いをぶつけた方がいい。……反対か?」
「あー……どうだろうな。ただ、桐条と岳羽か。どっちも気が強いから、上手くいけば一気に解決するもしれねえが、下手をすれば全面的に争う事になりかねねえぞ? まぁ、桐条の奴も桐条グループの力を使ってどうこうとはしねえと思うが」
まぁ、桐条グループというのは、この世界でも……特にこの周辺では大きな力を持っているらしい。
実際、ポロニアンモールがあそこまで発展した大きな理由は、桐条グループが大量の資金を投入した結果らしいし。
それ以前にゆかりが通っている月光館学園も、桐条グループが経営しているって話だしな。
うん、そう考えればこの辺りはまさに桐条グループのお膝元と言ってもいいんだろう。
その気になれば、それこそ様々な攻撃を出来る筈だ。
それこそ、何らかの理由を付けてゆかりを月光館学園から退学させるという手段も、取ろうと思えば取れる。
勿論、実際にそれをやるかどうかは別の話だし、荒垣から聞いている桐条美鶴の性格を考えれば、そんな手段は取らないと思うが。
だが……それは、あくまでも桐条美鶴ならば、の話だ。
色々な経験をしてきた俺にとっては、桐条美鶴の知らない場所で好き勝手に動いている奴がいても驚くことはない。
そうなると、最終的には……うん、考えるのは止めておこう。
言えるのは、1つだけ。
俺がテロリストになろうものなら、誰も止められないって事だけだ。
そんな未来が来ないように、祈っておくとしよう。
「結局ゆかりを何とかしないと、桐条グループとはどうしようもないってのは変わらないか」
「だな」
荒垣が、大人しく俺の言葉に同意する。
結局のところ、そこに落ち着くんだよな。
……となると、そろそろ本格的にゆかりに話を聞く必要があるのか。
けど、話をしても大人しくゆかりが事情を打ち明けるかどうかは……正直、微妙なところだろう。
何だかんだと、ゆかりとは友好的に付き合ってると思うんだが、それでも実際にはまだ1ヶ月くらいの付き合いでしかないのだから。
普通なら、そのくらいの付き合いしかない相手に、自分の大事なことを教えたり……といった真似は基本的にしないだろう。
もっとも、俺達が経験してきた1ヶ月というのは、そんじょそこらの者達が経験するような1ヶ月ではないのだが。
「いつまでもこうしてはいられない、か。……ゆかりに色々と恨まれる可能性はあるかもしれないが、その辺の話を聞いてみるか」
「そうしろ。傍から見ていると、岳羽は危険なように見えるぞ」
それは、俺も感じていた。
普段はそうでもないのだが、桐条美鶴、そして桐条グループの話になると、見て分かる程に態度が変わるのだ。
それでいて、本人はその態度を表に出さないようにしているのだから、
まぁ、それでも俺や荒垣から見れば、普通にその辺が分かるのだが。
タルタロスの攻略を出来なくなっている、というのも痛いだろう。
もしタルタロスの攻略が出来ているのであれば、少なくてもそちらに集中する事が出来るのだから。
今のゆかりはそれが出来ないということで、余計に桐条グループに対する不満を抱いている。
うん、やっぱりこの辺はどうにかした方がいいんだろうな。
そう思い、TVに視線を向ける。
そこでやっている番組は、午後4時からの奴だ。
つまり、ゆかりも既に学校が終わっている筈だ。
……あ、でも弓道部が活動していれば、どうだろうな。
そんな事を考えながら、駄目元でゆかりに電話する。
数度の呼び出し音の後、ゆかりの声が聞こえてきた。
『もしもし、アクセル?』
「ああ。今、ちょっと時間いいか?」
携帯の向こうからは、ゆかりの声以外にも様々な声が聞こえてくる。
呼び込みの声、子供の泣き声、笑い声といった風に。
そこから、ゆかりがいるのは学校ではなく、その外……商店街かどこかだというのは、容易に想像出来る。
『別に構わないけど、どうしたの? 今日タルタロスに向かう?』
「あー……そっちにも関係あるって言えば関係あるけどな。ただ、ちょっと込み入った話になりそうだし、今日の影時間に話したい」
その言葉で、俺が話そうとしている内容が真剣なものだというのは分かったのだろう。
電話の向こうで、ゆかりも一瞬だけ小さく息を吸い……先程までとは違う、真剣な様子で口を開く。
『分かったわ。今日の影時間ね。私の部屋? それとも、アクセルの部屋?』
「それはどっちでも構わない。ゆかりに任せるよ」
『うーん、それじゃあ私の部屋にしましょう。アクセルの部屋、寒いし』
影時間になれば基本的に機械は動かない以上、当然のようにエアコンや電気ストーブといった代物も同様だ。
そういう意味では、俺の部屋もゆかりの部屋も大して変わらないのだが……築数十年のこのアパートと、ゆかりの女子寮では圧倒的に部屋の造りが違う。
この部屋は普通に隙間風とか入ってくるしな。
それに比べると、ゆかりの住んでいる女子寮はまだ新しい――少なくてもこのアパートとは比べものにならないくらいに――ので、隙間風とかそういうのの心配はしなくていもいいのだ。
そう考えれば、ゆかりが自分の部屋で話をしたくなってもおかしくはないだろう。
「分かった。じゃあ、今日影時間になったらそっちに行くな」
『ええ、じゃあ待ってるわ』
そうして通話が切れる。
「どうやら、無事に話は纏まったみたいだな」
「ああ。ただ、問題は……ゆかりがどこまで俺の言葉を聞いてくれるか、だな」
ゆかりの性格を考えれば、そう簡単に桐条美鶴や桐条グループに対して友好的になれというのは無理だろう。
もっとも、俺もすぐにタルタロスの攻略を一緒に進めよう……などとは考えていない。
ただ、それでもタルタロスで遭遇したら、お互いに軽く挨拶を交わせるくらいにはなって欲しいと思う。
個人的には、桐条グループが有している影時間やシャドウ、ペルソナについての情報も欲しいし、何より……宝箱から入手する代物が具体的にどんな効果を持っているのがが知りたい。
今だと、実際にそれを使ってみなければ、それがどのような効果を持っているのかは分からない。
いや、実際に使ってみても効果がはっきりしない物もある。
特に回復系だと、具体的に体力がどれくらい回復するのかといった事や、どんな状態異常を回復するのか……それ以外にも様々な効果は判別するのが難しい。
寧ろ攻撃魔法とかのように、一目で分かるような効果であれば簡単なんだが。
桐条グループの方でその辺りを調べてくれるのであれば、こちらとしては願ったり叶ったりと言ってもいい。
出来ればそういう風に話を持っていきたいところだけど……その辺もゆかり次第、か。
「ま、精々頑張ってくれ。お前達がアキや桐条達と一緒に行動してくれるんなら、俺もお役御免だしな」
気楽に告げる荒垣だが、実際に何か大きな問題が起きれば結局助けに来るような気がする。そう思うのは、決して俺の気のせいではないだろう。
その面倒見のよさは、それこそお前は俺の母親か! と言いたくなるくらいなのだから。
勿論、それを実際に言えば、荒垣は怒るだろうが。
「俺としては、出来れば向こうと一緒に行動するようになっても、暫くの間は一緒に行動して欲しいところなんだけどな」
それは、別に荒垣を手放したくない云々といった問題ではない。
いや、勿論それもあるが、それ以上に俺達と桐条達の間を取り持つ人材としてだ。
俺とゆかり、桐条と真田。……その2つのグループの間を取り持つ事が出来るのは、荒垣だけしかいない。
俺やゆかりは桐条や真田の能力や性格を知らないし、それは向こうにとっても同様だろう。
そう考えれば、やはり荒垣にはこの2つの集団の潤滑油となって貰うのが一番いいと思うんだが。
まぁ、集団って言ってもそれぞれ2人組なんだが。
ああ、いや。でも俺達は2人で間違いないけど、向こうは桐条グループのバックアップを受けていると考えれば、別に2人じゃないのか。
実戦に出てくるのは2人だが、それ以外で協力している者達は多そうだな。
まぁ、影時間になれば棺桶になって動けなくなるんだろうが。
「ふんっ、面倒くせえ。……ただまぁ、そうだな。お前とアキは結構相性が悪そうな気がするから、その辺りをどうにかするまでは付き合ってやってもいい」
そう告げる荒垣だったが、見える……俺には見える。
面倒見がいいのが影響して、最終的には俺達と行動を共にしている荒垣の姿が。
……まぁ、俺としてはそっちの方がいいんだけどな。
「まぁ、何があるか分からないからな。その辺は頼むよ」
「……ふん」
俺が素直に頼んだのが意外だったのか、荒垣は俺の方を一瞬じっと見てから視線を逸らす。
以前から何度も思ってたけど、やっぱり荒垣はツンデレだよな。
普通なら男のツンデレなんて誰得だよと言いたいところだが、荒垣の場合は微妙にニーズがありそうな気がする。
「ま、何はともあれ、その辺りは今日の結果次第だな。……荒垣は俺達と行動していない時の影時間はどうしてるんだ?」
普通の人にとって、1日が3時間から4時間増えるというのは、色々と大きい筈だ。
勿論機械の類は殆ど全滅状態だから、何か本を読んだり、勉強したり、もしくは素直に寝たりといった風に時間をすごすだろうが。
ともあれ、1日が27時間とかになるというのは、色々な意味で便利だろう。
……その代わり、普通の人よりも多く年を取る事になるだろうが。
ただ、俺の場合は混沌精霊で不老の存在だからそんなのは全く何の関係もない。
ついでにここがホワイトスターとゲートで繋がれば、時の指輪の効果を受信機で得る事の出来るシャドウミラーのメンバーも、その心配はないだろう。
もっとも、シャドウミラーのメンバーの場合は、時間が欲しければ魔法球に入ればいいだけの話なのだが。
魔法球の中なら、機械が使えないとか、そんな事もないし。
まぁ、影時間を経験するという意味では、この世界で……というのもありだろうけど。
「ああ、そう言えば。冷蔵庫の中に入ってる卵、なるべく早めに使えよ」
ふと、荒垣が話を逸らすかのようにそう告げる。
その卵が何についてのものなのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
今日の釜玉うどんを作る為に買ってきた卵で、釜玉うどんの味の決め手となるものだけあって、かなりの高級品を買ってきたのだ。
6個1パックの卵だったが、釜玉うどんで使った事により、1個だけ残ってしまった。
その卵についてだろう。
「そうだな、明日目玉焼きでも作って食ってみるよ。もしくは、半熟のゆで卵か?」
卵をシンプルに食べるという意味では、これ以上ない選択肢だろう。
卵かけご飯とかそういうのでもいいかもしれないが……何となくそんな気分だ。
ともあれ、ゆかりとの話し合いが上手くいき、出来れば幸せな気分で残った卵を食べられる事を願いながら、俺は影時間まで待つのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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