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レーヴァティン

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第二十話 新妻その六

「後の九人も見付けて一緒にならないとな」
「はい、そうしないとです」
「何もはじまらないな」
「おそらく貴方ご自身を入れて十三人位はいないとです」
「領地を手に入れたりとかはだよな」
「出来ません」
「領地持ってな」
 それからのこともだ、久志は既に頭の中にあって言うのだった。
「そこからな」
「はい、本格的にはじまります」
「この島の統一がか」
「ですから」
 それでというのだ。
「私達全員を集めて」
「それからだな」
「領地を手に入れることをはじめていきましょう」
「それにも人が必要か」
「そうです、そして領地を手に入れれば」 
 そのはじめの一歩からのこともだ、順一は話した。
「その領地を足掛かりとしまして」
「そしてだよな」
「そうです、そのうえで」
 さらにというのだ。
「戦争も調略も同盟も」
「色々やっていってか」
「この島を統一しないといけないです」
「そして力を一つにして」
「魔神を倒すことです」
 このことも忘れるなというのだった。
「魔神の軍勢も倒し」
「魔神な、そういえばな」
「伝説ではあるけれどな」
 智が首を傾げさせて言った。
「それでもな」
「影も形もないな」
「そうだよな、出て来ないな」
「軍勢もな」
「この島は空に浮かんでるんだよな」
 久志はここでこの話もした。
「そうだよな」
「それはその通りだよ、俺この島の端見たことあるぜ」
「それでその端はか」
「断崖絶壁っていうかな」
「下は空か」
「そもそも雲が近くにあるよな、この島」
「ああ」
 その通りだ、下手をすれば手に届く高さにある時もあり雨もすぐ上から降る感じの場合もある。
「そうだよな」
「だからな」
「空に浮かんでいるのはか」
「間違いないぜ、それでな」
「島の端はか」
「もう空が前に広がっていてな」
 そうしてというのだ。
「下はな」
「海が見えるだけか」
「落ちたらわかるよな」
 智は久志にこうも言った。
「その時は」
「昇天だな」
「空にいるから戻ることになるな」
 笑ってだ、智はこうも言った。
「そうなるな」
「そういえばそうだな」
「そうなりたくないだろ」
「当たり前だろ、それは」
「だったらな」
「端からは落ちるな、か」
「ああ、それで多分な」
 智は冗談を言った顔から幾分真面目な顔になってそのうえであらためて久志に対して話をした。
「その海にな」
「魔神がいてか」
「魔神の軍勢もいるぜ」
 その彼等もというのだ。 
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