夢幻水滸伝
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第二十話 現実の世界でその五
「そうしてるわ」
「それでロシアもインドも治まってるか」
「そうや、敵は即座に徹底的に殺していってな」
巨人達だけでなくだ。
「これはこれでええ統治の仕方ではある」
「そういうもんか」
「何度か話してるやろ」
「あっちの世界のロシアやインドのこともな」
「こっちの世界でもそうやしな」
あちらの世界だけでなく、というのだ。
「統治の仕方は一つやない」
「綾乃ちゃんみたいな穏やかな方法だけやないか」
「その国のその場所、その状況で違ってきます」
太宰が中里に話した。
「ですから我々も必要ならば」
「あっちの世界のロシアやインドみたいな政策を執るんやな」
「そうせねばならない場合もあります」
こう話すのだった。
「私も好きではないですが」
「それでもやな」
「その場合は考えています」
「成程なあ、そうなんか」
「どうもロシアやインドは巨人もよく出ていて賊も多く」
それでというのだ。
「断固たる対応を執らねばならない様です、ただ」
「氷帝や雷帝の個性はか」
「出ているでしょう」
このことは事実だろうというのだ。
「やはり」
「そうなんか」
「少なくとも太平洋ではです」
「そうした政策を執ることはないか」
「はい、確かに様々な種族や勢力が存在していますが」
「種族なあ、色々な種族あるな」
中里もこのことはよく実感していた、何しろ彼自身も鬼族であるの尚更のことである。
「人間だけやなくてな」
「何十、百もないと思うだがや」
「それだけおるんやな」
「細かくしたら相当だがや」
「例えば僕とこいつは天狗やけどな」
芥川は中里に話した坂口を左手の親指で指し示しつつ中里に話した。
「ちゃうやえろ」
「自分は烏天狗、坂口は大天狗やな」
「そやろ、綾乃ちゃんは精霊族でな」
「光の精霊やろ、精霊は他にもあってな」
綾乃も中里に話した。
「火の精とか水の精霊とかな」
「色々おるねんな」
「そや、ただ何でか知らんけど」
「何でか?」
「オークとかゴブリンとか虎人とかの動物と人が合わさった種族は欧州にはおらへんねん」
「そうなんか」
「あっちの子等に聞いたけれど」
彼等に実際にというのだ。
「人間族の他に精霊とかバンパイアとかはおるけどな」
「動物と合わさった感じの種族はか」
「おらんねん」
「種族によって分布があるんか」
「ちなみに太平洋とかアフリカの中部から南部はほぼ全部の種族がおるねん」
「日本もやな」
「そやで」
その通りだというのだ。
「実際日本色々な種族おるやろ」
「どの種族も一緒に暮らしてるな」
「そうした世界やねん、どの種族もな」
「一緒に暮らしてるんやな」
「人間だけ、エルフだけとかないで」
あらゆる種族が共に暮らしている世界だというのだ。
「どの種族にも善人と悪人おるしな」
「賊も色々な種族おったな」
「そやろ、うち等かて種族は色々やし」
星の者達にしてもというのだ。
「あっちの世界はそうした世界やねん」
「このことは頭に入れておくべきか」
「あっちの世界ではな」
「成程なあ」
「そして群雄割拠だがや」
坂口は中里に今度はこのことを話した。
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