仮面ライダーエグゼイド バグ技 仮面ライダープロット
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第4話「哀しきegoism」
プロットがエグゼイドを倒してから数日、プロット達はオフィスに隠ってドーズフロップのインストールを研究していた。
「調子はどうだ?」
プロットはレイズに質問する。
「だめだめ、スクロールスィーパーは容量が重くてインストール出来ない。」
レイズはプロットに結果を話す。
「やっぱりパズルゲームは無理があったかなぁ…」
プロットは呟く。
「そんな事を言ったらパラドクスのパズルはどうなる?」
「いや、あれはパズルじゃなくてお取りよっせ~だから。」
「確かにw」
「そうだな。」
プロットの言葉に助六とレイズは笑う。そして、少し経ち、
「それじゃ、行ってくる。」
プロットは出て行く。
「俺達の分まで、よろしく頼む。」
レイズはそう言った。
プロットはライドブレイカーに乗り、翔平の墓がある寺に到着する。
「まだ、綾歌さんは来ていませんか?」
プロットは住職に訪ねる。
「まだ、お見えになられておりません。」
住職は質問に答える。
「有難う御座います。では、綾歌さんが来る前に私の方は済ませてしまいます。」
プロットは翔平の眠る墓に向かう。
「翔平、あれから、仮面ライダークロニクルは少しずつプレイヤーが減少している。いずれ、バグスターウイルスを消し去り、みんながバグスターウイルス感染症に感染しない未来に出来る日も近づいている。待っていてくれ…」
プロットは翔平の墓を洗い、花を供える。すると、
「来ていたのですね。」
後ろから女性の声が聞こえプロットが振り向くと、一人の妊婦が居た。
「綾歌さん。」
プロットはそう言う。
「あの人も、さぞ喜んでいることでしょうね。あんな危険な世界に連れ込んだ張本人に来ていただいて。」
その女性、水無瀬綾歌はプロットにそう言い、
「あなた達があんな怪しげなチームに引き入れなければ、今頃このような事にはならなかったでしょうね。」
露骨にプロットを非難する。
「その件に関しましては─」
プロットは話そうとするが、
「そもそも、葬式の会場で話した筈です。墓参りには来ないで下さいと。」
綾歌はプロットの言葉を遮る。
「しかし、私がする事に関しては翔平さんの遺言でございまして、その意思は尊重したいものでして─」
「それがどうしたというのです?遺言状にはこうとも書かれていたはずです。『私の意見はあの人の意思である』と。つまり、私が拒否するということはあの人の意見でもあるということをお忘れなく。それでも来たいというのであるならば、2時より前に来て下さい。それから、本日は有難う御座いました。本日はこちらにてお引き取り下さい。」
綾歌の言葉によってプロットは帰される。
プロットが寺から出ると、レイズから連絡が入る。
『だいぶ酷く言われたな。』
「まあ、解ってはいたよ。レイズも見ただろ、葬式の時のあの顔。俺達のことを露骨に嫌な目で見ていただろ。まるで汚物を見るかのようなあの目。」
『翔平も、まあ運の無い奴だったよな。まさか、礼儀作法もしっかりしていて、才色兼備、良妻賢母と謳われた女性の正体があれとはな。女ってつくづく怖いもんだ。なぁ~、助六?』
『それ、どういう意味!?』
「まあ、二つとも落ち着いて。ところで、何か情報でも入ったか?」
『ああ、パラドクスが出現した。場所は後で送る。奴は逃げ足が速いから頑張れよ。』
「ああ、連絡ありがとう。」
プロットはそう言い、連絡を切ってパラドクスの出現した場所に移動する。
プロットが現場に着くと、数人のライドプレイヤーがパラドクスと戦闘を行っていた。
「もう始まっていたか。残機追加。変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪~~》
プロットは、弾幕ゲーマーに変身し、ガシャコンスティックのホーミングモードでライドプレイヤーを攻撃。既にパラドクスとの戦闘でライダーゲージの減少していたライドプレイヤー達はその攻撃によってゲームオーバーとなり消滅する。
「お前か。人間のくせにライドプレイヤーを倒す白ける事をしている奴は。」
パラドクスは仮面ライダープロットにそう言う。
「ああ、俺は仮面ライダープロット。俺にとってはライドプレイヤーもバグスターとなんら変わらない。いいや、むしろバグスター以上の害悪でしかない。そして、人類に危害を加えるバグスターウイルスは俺達が滅ぼす!」
仮面ライダープロットはそう言いながらパラドクスを攻撃しているが、レベル99のボディにはホーミングモードの一撃ではダメージが入らない。
「ワケの解らないことを言ってないで目の前のゲームを楽しめよ。俺のレベルは99。心が躍る展開だろ?」
パラドクスはダメージを受けないことを確認すると、そのまま突進する。
《ズ・ゴーン!》
そして、ガシャコンパラブレイガンのAボタンを3回押して仮面ライダープロットを攻撃する。
《3連打!》
パラドクスの攻撃を受けて仮面ライダープロットのライダーゲージは20%減少する。
「やはり、装甲の堅い相手には分が悪いか。」
《Joker's strike!》
仮面ライダープロットはジョーカーズストライクを起動する。
「メインフェイズ!」
《ガ セット ロールアウト… ガ セット ロード レベルアップ! ♪天辺目指せ!最強バトラー!Joker's strike!》
仮面ライダープロットはカードゲーマーにレベルアップする。
「なかなか楽しめそうだ。」
パラドクスはそう言いながら仮面ライダープロットを攻撃しようとするが仮面ライダープロットは見事に回避し、着実にエナジーアイテムを入手してゆく。
「こっちは遊びで戦っているんじゃない。常に命をかけて戦っている!いや、戦い以外もそうだ!人間はお前達みたいに命は一つしかないし一度死んだらそれまでだ!」
「何が言いたい!?」
「命の重みも知らないただのバグデータが生き物の命を奪うな!」
「んな白ける事を言ってないで、効果も出ないエナジーアイテムなんかとっていないで真面目に戦えよ。」
パラドクスはそう言いながら仮面ライダープロットを攻撃し、仮面ライダープロットはすんでのことで回避する。
「これが、このゲームの戦い方だ。それからな、命の重みを知らない奴が心って言葉を使うな!」
「そんな事どうでもいいだろ!」
「それ以外にも言いたい事はある!別にこのゲームに参加した屑は死んだって構わない。所詮は命の重みも知らないバグスターと変わらない奴らだ。でも、無関係な人を巻きこむな!仮面ライダークロニクルの所為で、俺の友人はライドプレイヤーに殺された。その意味がお前に分かるか!」
「そんな雑魚キャラのことなんて分かるわけないだろう。」
「そうだろうな!けどな、殺された俺の友達には子供がいた。きっとその子供は将来、学校でいじめに遭うだろう。雑魚キャラの子供ってな!」
「そんなどうでもいいことを言う為に俺の攻撃を避けているのか?別にどうだっていいだろ。人間はこのゲームで俺達に滅ぼされるんだから。それよりも、エナジーアイテムはこうやって使うんだ!」
《分身 高速化》
パラドクスは仮面ライダープロットの言葉を気にも止めず自身の能力で二つのエナジーアイテムを使用。パラドクスは5人に分身し、猛スピードで仮面ライダープロットを攻撃。仮面ライダープロットのライダーゲージは残りわずかとなってしまう。
「終わりだな。不法なキャラは仮面ライダークロニクルにはいらないんだよ!」
パラドクスはその腕を振り上げる。
「そうかい。やっぱりバグスターにこんな話をしても無駄だったか。でもな!」
仮面ライダープロットはパラドクスから間合いを取り、
「今から俺はお前を倒す!このカードはアタックフェイズの前に発動出来る。マジック、カウンターエナジー!俺が受けたヒットの数だけ、俺はこのターンはモンスターをコストを払わずに召喚できる!」
《分身》
「ヒットの数?俺はあいつに7回攻撃した…まさか!」
「そう!最初からこれが狙いだ!まずは一体目、俺の切り札、紅蓮竜フリーディア!続いて、極みの天使アルティエル!アルティエルの効果、このターンは相手の防御はゼロになる!続いて、深淵邪神ガタノア!ガタノアの効果!俺の手札が無い時、受けたヒットの数だけカードをドロー!まだまだ!機神帝サレム!更に、宵山の襲撃者ブラックリッパー!そして、フリーディアを対象に爆神召喚!フリーディアを破壊して紅蓮神聖龍フリーディア・ノヴァを召喚!効果発揮!フリーディアを破壊して召喚した時、ライダーゲージを完全回復!」
《全快》
仮面ライダープロットはモンスターの効果でライダーゲージを回復する。
「行くぞ、アタックフェイズ!」
《ガ セット ロード キメワザ!Joker's strike!クリティカルフィニッシュ》
「行け、総攻撃だ!」
仮面ライダープロットは召喚したモンスター達に指示を出す。
「心が躍る。やってやるよ!」
パラドクスはモンスター達に立ち向かうが体格差がある為、まともな戦闘が行えるわけもなく、攻撃によってライダーゲージはあっという間に削られる。そして、
「とどめだ!フォースインパクト!フリーディア・ノヴァ以外のモンスターを破壊!そして、そのパワーをフリーディア・ノヴァに!」
モンスター達はエネルギーとなり一つに集約される。
「行け!」
フリーディア・ノヴァは満身創痍のパラドクスに向かう。しかし、
「超絶奥義、ドドドドド・紅蓮爆龍剣!」
グレングラファイトが現れ、フリーディアの攻撃を相殺する。
「大丈夫かパラド!」
グレングラファイトはパラドクスに肩を貸す。
「ああ。」
「無理をするな。お前はレベルが99になったばかりなんだ。ここは退こう。プロット!この決着はいずれ着けよう!」
グレングラファイトはそう言い、パラドクスとともに去っていった。
《ガ セット ロールアウト…シャットダウン》
プロットは変身を解除する。
《デッドリィ トゥルース》
《ステージ セレクト》
プロットはデッドリィ トゥルースのゲームフィールドに消えてゆく。
「ただいま。」
「お帰り。」
「お帰りなさい。」
オフィスに戻るプロットにレイズと助六は挨拶をする。
「俺、間違っているのかな…」
「どうしたプロット?らしくもない。」
呟くプロットにレイズは質問する。
「今日の綾歌さんの言葉。あれって翔平が死んだ時間には来るなって事。つまり、墓参りに来るなって事だよな。」
「プロット、悩む必要はないよ。」
「それでも、俺達のやっている事が原因の一部でもある。俺達が、仲間だと思って、引き入れなければこんなことには…」
「プロット、それは違う。こう考えるんだ。俺達と出会えたから、綾歌さんと出会えたって。」
「その結果がどうだ。翔平があれだけいい方だと喜んでいた人の正体はああだった。綾歌さんの言うとおり、俺には墓参りする権利は無いのかもな。」
「違う!そんなプロットだからこそ、行かなければならない義務がある!違うか!」
プロットの言葉にレイズは反論する。
「俺達のリーダーとして、学生時代からの友人として、お前には行かなければならない義務と理由がある。それは、誰にも止められないし、止めちゃいけないんだ。」
「レイズ……そうなのかもな。例え誰になんて言われようと、俺は俺の為に動かないといけない。ありがとう、レイズ。悪い、少しの間一人にさせてくれ。」
「ああ、構わない。少し休むといい。」
「ありがとう。」
プロットはオフィスの仮眠室に向かう。目から流れる一筋の涙を拭って。
go to next game.
次回、仮面ライダープロット
新たなる試み、現れる伝説の戦士達。次回『世界を照らすHappy maker』
後書き
登場人物紹介
プロット
本作の主人公。本名は大園卓弥。年齢は現在34歳。五年前にゲーム病に感染し大我に助けられる。それをきっかけにCRの機材開発部に入るが、大我の追放を気に衛生省への信用を無くし、当時同じ病室にいたレイズ、助六、翔平とともに独自にバグスターウイルスを根絶する研究を進める最中で資金調達の為に同人ゲームサークルの活動を行う。
翔平とは高校時代からの友人で大学でも同じサークルに入る仲であり、その翔平がライドプレイヤーに殺された事でライドプレイヤーへの復讐を決意する。実は、檀黎斗の大学時代の先輩である。
普段は試作品のゲームスコープを常備して、バグスターの動きを探っている。同人サークル『バグスターウイルス研究所』での役割はサークル主、シナリオ担当、イラストサポート。
レイズ
本名は仲里竜城。年齢は28歳。プロットが使うパーソドライバー、ドーズフロップの開発を行う。本職はゲーム会社の社員であったがCRとの邂逅以来職を失う。プロットの数少ない理解者で翔平の開発したシステムを図面通りに開発するテクニックを持ち合わせている。しかし、翔平が考えていたパーソドライバーの完成品は図面にする前に消えたため、初期案を無理して製作したためドーズフロップに出来ないゲームがあるのが現在の悩み。サークルでの役割はサブプログラマー、デバッグ処理。
助六 平九
本名は西原香野子。年齢は24歳。本職はデパートのアナウンサーであったがCRとの邂逅以来職を失う。ドーズフロップの音声、エフェクトを担当している。また、プロットのシステムで確認しきれない場所の把握とアナウンスを行う。レイズの事を密かに想っているが、プロットには気づかれている。サークルでの役割は音楽、CV担当。
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