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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十一話 夜の天使その十二

「そこは間違えてはならない」
「それでアラブもね」
「アジアと欧州が入っている」
「歴史の関係で」
「そうだ、それとだ」
 井上さんはさらに言った、そのアジア系の天使を見つつ。
「キリストもアジア系の顔だった」
「ああ、そういえば」
「十字架のキリストはラテン系の顔だが」
「違うわね」
「それはない」
 イタリア人の顔に見えるがだ、十字架のキリストは。
「まずな」
「そうよね」
「我々のアジア系の顔ではないと思うが」
「まあ中東系の?」
「昔のな」
 その西暦がはじまった頃のだ。
「その時の西アジア系の顔だった筈だ」
「あの長いお髭のお顔じゃなくて」
「そのお髭もだ」
 井上さんはそちらの話もした。
「実は昔の絵ではなかった」
「あれっ、お髭が」
「そうだったのだ」
 実はというのだ。
「五世紀位の時はだ」
「そうだったの」
「美青年の顔だった」
 お髭のない、というのだ。十字架とは違って。
「そうだったのだ」
「それは意外ね」
「とにかく十字架のキリストの顔は史実とはだ」
「また違うのね」
「そうだ」
「それは知らなかったわ」
 ダオさんは唸って言った。
「いい勉強になったわ」
「それなら何よりだ」
「ええ、けれどあの娘は」
 ダオさんはその娘を見ながらまた言った。
「天使みたいね」
「まさにな」
「何処のお嬢さんかしら」
「惚れたか」
「お持ち帰りしたいわ」
「犯罪だからな」
 井上さんもその娘を見つつ真横にいるダオさんに言った。
「それはするな」
「わかってるわ」
「ならいい」
「それは当然でしょ」
「可愛いからと持ち帰ってはな」
「誘拐か窃盗よ」
 人なら誘拐、ものなら窃盗だ。
「そうなるからね」
「しないことは当然だな」
「そうよ、けれどあの娘本当に」
「見れば見る程だな」
「天使ね」
「全くだ」
 井上さんもその美少女を見つつ言う。
「将来が楽しみな程だ」
「あそこまで可愛いと」
「女優さんにもなれるな」
「そうよね」
「それかモデルさんか」
 女優さんでなければというのだ。
「そうした人になれるな」
「そうよね」
「アイドルもあるか」
「声優さんとか?」
「声優さんか」
「そう、声も可愛かったら」
 そうならというのだ。 
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