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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  5:病は気から……とは限らないってば!

(リムルダール地方)
リュカSIDE

水の都は遙か昔……
今や周囲を毒の沼地で覆われているリムルダール。
当初は水辺でムフフな施設造りを考えていたイケメンビルダーですが、この水辺ではとても遊べそうにないので敢えなく断念。

出会った巨乳美女シスターは、病人を助ける事に意欲的でイケメンビルダーからのピンク色な誘いに無頓着。
剰えイケメンビルダーに病人を連れてこいとお願いと言う名の指示を出す始末。
勿論美女に弱いイケメンビルダーは、そのお願いを快諾。

そして病人がいると思われる方を指差し、さっさと行けとばかりに瞳を輝かせる。
だから爽やかな笑顔で拠点を出たけども、如何やら目当ての病人は毒沼の向こう側に居るらしい。
触れると(すげ)ー痛いので、毒沼には絶対に触れない。

だから大きく迂回して目的地を目指す。
病に苦しむ人が手遅れになるとか、そんな事を気にしてらんない。
だって凄く痛いんだもの……毒沼はものっそい痛いんだもの!

この地に到着早々、白い花を探して彷徨った高台を経由してエルが言う病人の下に向かう……そして道中に発見する。
別の地へと旅立つ為の装置……へっぽこ女神が“移転の門”と呼んでた装置を。
だけど今は稼働してない様子。

ある程度この地を復興しないと、ルビスの神様パワーが発揮できず、この装置もゴミ状態でしかないのかな?
一応装置の中心部である魔方陣に立ってみたけど、何処かへ連れ去られる感じは無い。
何時稼働するのか判らないけど、今はシカトしておいても良さそうだね。

この場所なら、稼働を始めて光を発したら拠点からも見えるから、そんなに頻繁に確認しなくても大丈夫そうだ。
今はエルに頼まれた病人を探す事に専念しよう。
もう手遅れかもしれないけどね。





さて……大きく迂回して辿り着いた場所には、確かに苦しんで倒れてる人が居る。
自力で立ち上がる事も出来ないほど苦しんでる人が居る。
でも困るなぁ……男なんだよねぇ……自分で歩いてくんないかなぁ……

リムルダールまで俺が運ばなきゃダメなの?
イヤだなぁ……男を抱き上げるのは。
女の子だったらなぁ……もう喜んで抱っこして運ぶんだけどなぁ……

「お……おい……あ、あんた……何者……だ?」
あ、気が付いちゃった。
探しても見つかりませんでしたって言い訳が出来なくなっちゃった。

「どーも。僕はリュカ。イケメンビルダーで、今はリムルダールの復興を行っている。一緒に復興をしているシスター・エルが、病人を此処で見たと言うから探しに来た。君、その病人が何処に居るのか知ってるかい?」

「そ……その……病人……が、お……俺……だ!」
「やっぱりそうだよね。うん、分かってた。じゃぁリムルダールへ案内するけど、自分で歩いてこれる?」
抱っこはしたくないねぇ……

「お……おまえ……何……しに……来た……んだ……」
「冗談冗談。病は気からと申しますし、軽い冗談で笑いを取って君の病を吹き飛ばそうと思っただけ。じゃぁ運んであげるけど、君の名前は?」

「お、俺の……名は……ノ、ノリン」
「はいはい。ノリンね……よっと!」
第一病人を肩に担ぐと、拠点が在る方向に視線を向ける。

う~ん……ここから見えるんだよねぇ。
リムルダールが目と鼻の先にあるんだよねぇ……
でも途中に毒沼地が広がってて、迂回しなきゃならないんだよねぇ……

キメラの翼も病人を担いでいる為、両手で使えず……
仕方なく来た道を戻るしかないんだよ。
イヤだなぁ……男の身体って触り心地悪いから。帰ったら、絶対にエルの乳揉もう!



(リムルダール)

「よっこいせ!」
直線距離では近い拠点に、大きく迂回して戻ってきたイケメンは、その年格好に似合わない掛け声で病人(ノリン)を病室のベッドに寝かせると、その様子を伺ってたシスターに近付き抱き締める。そして乳を揉む!

「あ、あの……リュカ様……病人を運んでいただけありがとうございました。た、ただ……如何なさったのですか、いきなり抱き付いてきて?」
「うん。ノリンが重くて疲れちゃったから、癒やしを求めてるのぉ♥」

『何が癒やしですか……ただのスケベ心じゃないですか』
煩いなぁ……何度も言うけど、死後に働かされてるんだから、楽しみの一つもあったて良いじゃんか!
貧乳でも我慢してやっから、姿を現して俺の癒やしを手伝ってみろってんだ!

あぁ……ダメだ。
あの女……顔が母親ソックリだから、乳揉んでも萎える。
貧乳で母親ソックリって絶対無理だよね……巨乳で自分の娘ってのだって無理だったんだから。

「リュカ様……癒やしは終わりましたか? 私は早速ノリン様の状態を確認したいのですが……?」
全然足りない。でもノリンを助けなきゃならないし、渋々エルから離れる……でも、乳を揉みまくってから離れる。エルも「きゃ」と驚いたけど、顔を赤くしただけで怒らなかったから、やっぱり惚れられてると確信を深める。

エルは恥ずかしそうに俺から離れたが、真剣な表情に変えノリンの診察を始める。
患者(ノリン)も苦しそうに唸っているが、やっと診て貰える事に安堵の表情を浮かべた。
そう言えば薬らしい薬なんて、傷薬と薬草しかないけど、如何するんだろう?

「……リュカ様。ノリン様はそれ程酷い状態では無さそうですね」
「ああそうなんだ。ヨカッタね」
あまり興味が無いから、ちょっとだけ棒読みになっちゃたけど、エルは気にして無さそうだ。

「リュカ様は薬草をお持ちでしたね」
「あるよ。使うの?」
「はい。ノリン様は薬草を飲めば体調が安定します……一つ頂いても宜しいですか?」
「いいよ。エルの為に沢山作ったようなモノだから☆」

「それではお言葉に甘えて……」
数々の女性を虜にしてきた爽やかスマイルで薬草を手渡したのだけど、患者(ノリン)の事が気になってて、全く相手にして貰えなかった。ちょっと寂しい。

「さぁノリン様……薬草を飲んで下さい」
俺から受け取った薬草を、細かく千切ってノリンの口へと甲斐甲斐しく運ぶエル。
取り敢えず全部口に詰め込んじゃっても大丈夫な気がするけど……優しいんだねエルは。

俺の方としても何時までもエルの甲斐甲斐しい看病姿を見てる訳にもいかないので、健康な人間のエネルギー補給の為に大量に手に入れた苦りキノコを調理しようと思う。
木の作業台で調理用薪を作り、それを使って苦りキノコ焼きを作る。

その作業が終わるとノリンの看病を終えたエルが病室から出てきた。
「エル、お疲れ様」
グッドタイミングだったので、出来立ての苦りキノコ焼きを手渡し、労を労った。

「おお、ありがとうございますリュカ様」
「僕は物を作る。エルは患者を看病する。役割分担だよ」
俺は出来る事をやってるに過ぎないし、エルも同じだと思ってる。ただ如何考えても出来る事には限界があるし、現状のままだと直ぐに立ち行かなくなるとも思ってる。

「エル……僕にはビルダーとして物を作り出す力がある。でも専門的な知識がなければ作り出す事が出来ない物も沢山あるんだ。君は病人を看病する能力もあるし心意気もある……でも、病に打ち勝つ薬学の知識があるようには見えない。今後は如何するんだい?」

「やはりリュカ様にも解りますか……私の知識だけではどうにもならなくなりそうな事が」
「まぁ気合いと根性だけじゃ……ねぇ」
エルは俯き、食べかけの苦りキノコ焼きへと視線を落とす。

「あのリュカ様……お願いがあるのですが」
「何? 助けられそうにない病人は無視して、僕等だけで新たに人口を増やしていく方法にシフトする?」
ちょっと暗い雰囲気になったから冗談で場を和ませてみようと思った。そしたら案の定……

「ち、違います! 私は病人を見捨てたりは致しません!」
「解ってるよ、エルは優しいから(笑)」
うん、成功だね。少し怒っちゃてるけど暗い表情ではなくなった。

「それでお願いって何?」
「は、はい。向こうの丘の上に、ゲンローワ様という老人が居られるんですけど、ゲンローワ様は以前薬学の研究をしておりました」
そう言ってエルは俺がまだ行った事のない方角を指差し話を続ける。

「薬学の知識は豊富なのですが、リュカ様のように物を作り出す力がなかった為、多くの人々を助けられず落ち込んでおります。何とか説得してリムルダール復興を手伝ってもらいたいのですが……リュカ様に頼んでも宜しいでしょうか?」

うん、宜しくない。
ジジイを説得する役目なんて本当は宜しくないけど、リムルダールを復興しなきゃならないのは事実だし、可能なら病に苦しむ人々も助けたいし、何よりエルに「そんなのヤダぁ」とか言えないから……

「分かった。僕がその老人の下へ赴いて協力するよう説得してくるよ」
って言っちゃた。
でもイヤだなぁ……聞く感じじゃ偏屈そうな老人みたいだし、相手したくないなぁ。

いきなりジジイに近付いて「僕ビルダー。物作れるから薬の知識を寄こせ」って言っても信用してくれないだろうから、木の作業台を持参して目の前で何か作ってみせよう。
それでも信用しない時は力尽くで連れてくれば良いのだし、説得とか面倒臭い事は最小限に止めよう。うん、そうしよう!

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
忘れてた訳じゃないからね。
えくすとらを優先させてただけだからね。 
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