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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十一話 夜の天使その二

「楽しめばいいのだ」
「そうなんですね」
「酒は飲めない人もいる」
 その下戸の人の話もした。
「無理に飲ませることはだ」
「絶対に駄目ですからね」
「そうだ、それは体質だ」
 それによるものだというのだ、とにかく飲めない人は全く飲めないのがお酒だ。飲めても個人の適量がそれぞれ違う。
「だからだ」
「どうしてもですね」
「それはしない」
「してもいけないですね」
「その通りだ、織田信長さんもだ」
「ああ、あの人確か」
 この人について意外な話がある、僕も知っている話だ。
「お酒駄目だったんですね」
「全くと言っていい程だ」
「飲めなかったそうですね」
「最初この話を聞いて驚いた」
「如何にも飲みそうですからね」
 伝え聞く話を読んでいくとだ。
「あの人は」
「そうだった、しかしだ」
「お酒は殆ど駄目で」
「甘党だったという」
「そうらしいですね」
「そうした人に勧めてもだ」
 その信長さんみたいな人でもだ。
「駄目だ」
「そうですね」
「だが織田信長さんでもね」
 この人の様に飲めない人でもというのだ。
「ハウステンボスはだ」
「楽しんでいいですね」
「むしろ楽しむべきだ」
 絶対にというのだ。
「そうすべきだ」
「そうですか」
「そうだ、この夜をな」
「イルミネーションもですね」
「そうすべきなのだ、嫌ならいいが」
 そうしたいならというのだ。
「そうすべきなのだ」
「成程」
「もっとも信長さんは絶対に来ていた」
 井上さんはこうも言った。
「あの人はイルミネーション等が好きな筈だ」
「ああ、あの人は」
「そうしたお祭りの様なことがな」
「そういえば安土城も」
 僕はこのお城の話も思い出した。
「夜に提灯で飾ってましたね」
「多くのな」
「ライトアップですね」
「それをしていた」
「イルミネーションでもありますね」
 そのライトアップも考えてみればだ。
「そういうことですか」
「日本で最初にした人ではないか」
「イルミネーションとかを」
「だから好きな筈だ」
「それで今ハウステンボスに行けば」
「出て来ている筈だ」
「それで甘いものを食べながら」
 ケーキなんか食べていたかも知れない、そして紅茶やコーヒーを飲みつつだったのだろうか。あの織田信長さんが。
「楽しんでいただろう」
「そうですか」
「花火も好きだったと思う」
「派手にですね」
「そちらもだ」
「その筈だ」
「確かにそうしてそうですね」 
 何か想像してきた、南蛮の洋服にマントを羽織った信長さんがケーキを食べつつイルミネーションや花火を楽しんでいる光景を。テーブルに座ってだ。 
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