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~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force

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月面オリジナルハイヴ攻防戦

 
前書き
大変お待たせしました。
いつもながら不定期更新申し訳ありません。
にも関わらずお読みくださりありがとうございます! 

 
時は第一次攻撃隊発進時-オリジナルハイヴ攻略時に遡る。
『師団傾注!これよりわが第14機動師団は月面のオリジナルハイヴ攻略に向かう!スキャンの結果によるとターゲットには、あの気持ち悪いクソ生物どもはおよそ100万匹いるらしい。』オルキス軍第14機動師団のライズマン准将の訓示だ。
『連中は所詮劣化AI以下の性能だ・・・だが決して侮るなよ?頭が悪いとはいえ数はごまんといるから、ちょっとミスしただけで飲み込まれるからな・・・・よし、では行って来い!ボーイズ共!!』
『『ラジャー!!』』各指揮官機から気合の入った応答が返ってくる。

師団長の訓示が終わると共に師団各隊が一斉に攻撃隊形に移る。
『ロアーヌ連隊!わが隊はビクスンとファーデット連隊が周囲の敵を攻撃している隙に入口から侵入、ザカリス連隊と連携して最下層の最終ターゲット-重頭脳級-を捕獲ないし殲滅する事を目標とします。』
『『ラジャー!!』』
『そして今回は情報部大隊が随伴しますから、くれぐれも彼らに格好悪いところは見せないように。』
『『ラジャー!!』』
『それではカミナガ中佐、よろしくお願いしますね。』
『ええ、アントワープ中佐、こちらこそよろしくお願いします。』
『それでは・・・ロワーヌ連隊、出撃!』
『『ラジャー!!』』
『情報部大隊、続け!』
『『了解!!』』
増強された情報部大隊は、3個中隊からなり、A中隊 中隊長兼大隊副長 タケル・シロガネ大尉、 
B中隊 中隊長 マドカ・ウスイ中尉、C中隊 中隊長 ユリ・トーノ中尉 となっている。
B中隊とC中隊にはそれぞれ、地球人組の部下が組み込まれており、残りは転属してきたオルキス軍正規兵パイロットが配属されている。

月面オリジナルハイヴ・・・・それはエレミア星系で見たハイヴの数倍以上の威容を誇る巨大なモニュメントであった。
ダイスケとタケルの感想では、地球上のオリジナルハイヴであるカシュガルハイヴの桜花作戦時(2001年)のフェイズ6を遥かに超える大きさである。
仮にフェイズ10というものがあったとしても、それをも凌駕しているのではないかというくらいの大きさだった。
スキャンによるとオリジナルハイヴ周辺の敵の個体数は200万を越しており、エレミア星系に展開していたハイヴに比べると10倍の数である。
作戦は、まず範囲兵器でハイヴ周辺の敵を一掃してから内部へ侵入、攻略後に残った敵が一斉に他のハイヴへ撤退して周辺ハイヴの個体数が増えるのを防ぐべく、なるべく間引きをしながら最深部を目指すというシンプルな作戦である。

まずはビクスンとファーデットが先行して周辺の敵を蹴散らし、掃討をかける。
いずれもロザイルMk.3が全面に出てクラスター爆弾型のミサイル兵器、ドラン20改をぶっ放す。
何百もの曳光を輝かせてドラン20改は敵の頭上で次々と炸裂、その度に何十という敵を道連れに地上に大輪の花を咲かす。
波状攻撃を仕掛け、およそ20分後、地上にうごめいていた敵の7割がたが殲滅された頃合いで、ザカリスとロワーヌが突入に移る。
『ロアーヌおよび情報部大隊全機、露払いはザカリスがやってくれるそうよ。わが隊はザカリス突入の5分後に侵入します。それまでは周囲の敵殲滅を手伝いましょう!』
『『ラジャー!!』』
『・・・・とはいうものの、ビクスンとファーデットは中々良い仕事をしてるみたいで、おこぼれもほんどいないなぁ・・・。』ダイスケが隊内通信でつぶやくと、
『はい、さきほども要撃級を2体発見したと思ったら、次の瞬間には爆散していました・・・。』碓氷がそう返す。
『まぁ突入したら、そんな事も言ってられないさ。すぐにお腹いっぱいになると思うぞ。』タケルがおどけたように返すと隊内には自然と笑いがこぼれた。
『白銀大尉の言うとおりだな・・・それではもう一度突入前の点検もしておけ。突入の隊形に変更はなく、先鋒はA中隊、中央は私とともにC中隊、殿はB中隊だ。』
『了解!!』

「いいな、中佐と一緒なんて・・・。」B中隊の高山がそうぼやく。
『・・・・中佐は私が守るから心配いらない・・・・私がついているから、高山はいらない子・・・』高山のぼやきは、隊内通信でもかすかに聞こえるか聞こえないか微妙なところだったのに、築山が反応してしまった。
『なんですって?!築山なんて人の陰から狙撃するのが得意なだけじゃない?そんなんで中佐を守れるとでも思ってるわけ?』挑発された高山が築山に食ってかかる。
『ちょっと!あななたたち作戦前に仲間割れとかやめなさいよね!!』B中隊の中川が止めに入るが、2人は相変わらず言い合いを続ける。
『築山少尉、いい加減にしなさい!』『高山、もうやめろ!』B、C中隊長それぞれが注意するが、まだ止まらなかった・・・・。
「まったく、仕方のない奴らだな・・・。ん?秘匿通信?」ダイスケはちょっと困惑しながらどうするか迷っていたが、そこにタケルから秘匿通信が入る。
「ダイスケさん、あ、中佐殿!意見具申よろしいでしょうか?」タケルは最初普段通りのような接し方で来たが、すぐに訂正してキリッと軍人らしい対応に切り替えた。
「うん、言いたい事はわかっているよ・・・これから雷落とすよ。」ダイスケはタケルがそろそろ彼らにビシッと言い聞かせなければならないタイミングである事を告げてきたのだろうと思い、そう答えた。
だが、タケルは「いえ、自分が喝入れてもいいすか?」という事だった。
タケルが言うには、こういうときは隊長ではなくて、そのすぐ下の副長クラスや、先任将校や下士官がビシッと絞めるのが良いらしい。
確かに士官学校でそんな感じの事を習った気(疑似記憶だけど・・・)がしないでもない・・・。
タケルも成長してるんだな・・・まぁ何周かしているから軍人が板についた感じなのかな。
タケルに任せた結果・・・・当事者2人と止める事の出来なかった両中隊長の4人を作戦終了後、特別メニューでしごきあげるという罰が言い渡される。
その後タケルはダイスケに「女性から奪い合いの対象になるとか、ダイスケさん罪作りっすね。」と言われた・・・・・・不本意だ・・・・恋愛原子核と言われているお前にそれを言われるとか、全く持って予想外だわ!!・・・・・・・。
よし、地球へ行ったら例の5人娘がいるだろうから、香月女史に頼んでタケルに色んな関わりを持たせて、同じ事を言ってやるからな!・・・・。
『ロワーヌおよび情報部大隊、これより敵ハイヴへ侵入する!』
『『ラジャー!!』』
『先陣はフリージア大隊とクルーズ大隊、中央は情報部大隊、殿はローブ大隊の順に突入!私はフリージアと共に行きます。距離が離れた場合、ローブ大隊はカミナガ中佐の指示に従うように!』
『『了解!!』』
144機のジクレータMk.4とロザイルMk3がハイヴの入口に殺到、次々と侵入していく――――。

『クルーズ06右だ!右上方!』『フリージア21、シールド値下がってるぞ!チェックしろ!』
ザカリス連隊が露払いをしたとはいえ、ハイヴの中には100万体近くの敵が存在していた為、ロワーヌ連隊の突入の際もかなりの数のBETAがあちらこちらから襲ってきた為、彼らは少し混乱気味であった。
だがそんな中でも『BETAぁぁぁぁ!!!このぉぉぉぉ!』『一匹残らず殲滅する・・・・。』『動くなぁ!!』
と威勢の良い・・・というより半ば猛り狂ったという表現が正しいように思える部隊もいる・・・・情報部大隊・・・。
『情報部各員、カミナガだ。今から気合入れ過ぎると重頭脳級のとこにたどり着く前に燃え尽きてしまうぞ?少しセーブしろ!』やれやれ・・・・どうしてこうウチの・・・というか地球人組はBETAを見るとバーサク状態になるかな?・・・。
まぁ、これまでBETAに散々仲間を殺されたという恨みが骨髄までしみているんだろうけど、見てる周りも結構つらいところだなぁ・・・。
地球に帰ったら彼らは原隊復帰させられる事になるだろうから、今のうちなんだけどね・・・。
でもここまでそんなに長い間じゃないけど一緒にやってきたから、ちょっと寂しい気もするな・・・・何か手を考えておこうかな・・・。

途中、ザカリス連隊の機が戦っている脇を抜け、どんどん深層へ向かう。
そして、ザカリスの先鋒も追い越して少し行った先、開けた場所に出た・・・そこには巨大な“(ゲート)級”が鎮座しており、周辺には数えきれないほどの黒っぽいBETAがうごめいていて、まるであのGの大群を見ているかのようだった。
『気持ち悪いわね・・・・・カミナガ中佐、あの巨大なボールとパイプ、奥の入口っぽいのって、ロドリグで見たやつの数倍大きいんですけど、あれと同じものだと思いますか?』アントワープはうごめくBETAに対して嫌悪感をあらわにしながら、そう尋ねた。
『ええ、そうですね。規模は大きいですが間違いなく“(ゲート)級”でしょうね。』
うん、間違いようがないほど形は一緒だよ・・・この間のロドリグの時はゲームの時にそうしていたからという理由で破壊したけど、あの手前の玉は案外やさしく撫で続けたら電気が走って痙攣してゲートが開いたりして・・・・・はぁ、何考えてるんだ俺?BETAのハイヴにエロい事を考えるのやめよう。
でも、重頭脳級ってどうみてもテ○ムポみたいだしな・・・・あー、だからやめろ俺・・・。

『・・・・・・・・・か?カミナガ中佐?』しまった、変な事考えてぼーっとしてた・・・。
『あ、すみません、別の事を考えていました。』うう・・・・・咄嗟なので適切な言い訳も浮かばない。
『そうですか?戦闘中なのに、らしくないですね?具合でも悪いのですか?』
アントワープ中佐、心配してくれてるな・・・脳筋なのに優しい女性だ・・・。
『いえ、実はゲート級の攻略なんですが、ひとつ試してみたいのですが、いいですか?』思いついたからとりあえず試してみたくなるのが男の性ってやつかな・・・・決して邪な考えからではない!うむ。
『それは構いませんが、その前に周囲にうごめいてる邪魔者を排除しますね。』
『ええ、お願いします。』確かに周りのBETAは多すぎて邪魔でしかないな。

『ロワーヌ各隊、これより広間でうごめく敵排除を行う。各隊所属重装ロザイル前へ!』アントワープの命令一下、各大隊に所属している各中隊2機の重層型ロザイルMk.3が前へ出てくる。
『ロザイル各機はタフィッドを装填、まずは3斉射を行い、効果判定次第で追加斉射を行う!』

タフィッドは元々デトロワ軍やラファリエス軍が使っていた榴弾兵器だが、エレミア戦役後にオルキスの軍需企業がライセンスを買い取り、改良型をリリースしてオルキス軍へ卸している。

ロザイル各機は発射ポッドへタフィッドを装填し、砲口を地上でうごめくBETAへ向ける。
『よし、全機斉射!!』アントワープの号令とともに18機のロザイルからタフィッドが放たれる。
地上で炸裂する榴弾は、周辺でうごめくBETAを一瞬にして動かぬ肉片へと変えていく・・・。
3斉射が終わったが、未だ半数は生きている為、追加で3斉射が命じられる。

タフィッド斉射が全て終わり、生きているBETAは当初の1割にも満たない数まで減少していた。
『予定通り削れましたね。では、ロワーヌ各隊、手前の大きなボール周辺を制圧、確保します!フリージアおよびクルーズ、突撃!蹂躙せよ!!ローブは後方警戒、ボール周辺制圧後は情報部大隊へ任せます!』
アントワープの命令一下、ゲート周辺のBETAは瞬く間に壊滅した――――。
 
 

 
後書き
夏も終わってしまいましたね。
変な天気の夏でしたが、ビアガーデンとか大丈夫だったのでしょうか。 
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