転生とらぶる
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ペルソナ3
1803話
9階に上がった俺達は、死神がいない事に安堵しながら探索をし……やがて宝箱から幾つかの宝石を入手する事に成功する。
うん、何気にこの手の宝石はタルタロスの中で入手出来るので、俺としては非常に嬉しい。
マジックアイテムの類は、幾らあってもいいのだから。
……唯一にして最大の難点は、やはりこの宝石がどのような魔法を封じ込められているのかが分からないという事だろう。
やっぱり直接シャドウに宝石を使って、それが具体的にどんな効果を持っているのかを確認していくしかない……といったところか。
「そう言えば、今日花見に行ってきたんだろう? どうだったんだ?」
9階の探索を続けている時、不意に荒垣がそう尋ねてくる。
丁度シャドウの類も周囲にはいないし、通路を歩いているだけで暇だという事もあり、俺はその話題に乗る事にする。
「そうだな、この季節に桜が咲いてるってのは、色々と驚きがあった。後は……花見をしていたのは俺達以外にもいたけど、その中に月光館学園の教師がいた」
「……へぇ」
「ちょっと、アクセル。それは別に言わなくてもいいんじゃないの?」
召喚器を手に持ったままのゆかりが、若干不満そうに呟く。
こうして見ると、やっぱり召喚器があると弓を使うのは難しいよな。
いっそ、弓は弓でもクロスボウの類を持たせるか?
クロスボウの類は、多少の慣れは必要だが矢をセットしておけば片手で操作するのは難しい話ではない。
もっとも、片手に召喚器、片手にクロスボウともなれば一度クロスボウを使った後に矢の補給は出来ないが。
ああ、いや。クロスボウの場合は矢じゃなくてボルトって言うんだったか?
……というか、ぶっちゃけクロスボウを使うのならそれこそ拳銃を使った方がいいと思うんだが。
「別に言っちゃいけないって程でもないだろ。何か悪い事をした訳じゃないんだし」
「アクセルがこの辺にいる事自体、悪い事をしてるのと同じじゃない?」
「何でそうなるんだよ」
やはり昨日ここで遭遇した死神がいなくなっていたという事で、ゆかりの気も若干緩んでいるんだろう。
そんな風に話しながら俺達は進み……階段を見つける。
そう、10階に向かう階段だ。
「アルマーの考えが正しいのなら、この階段を上がった場所には今までよりも強力なシャドウ……小ボスだったか? それがいる筈なんだよな?」
確認する意味を込めて尋ねてくる荒垣に、頷きを返す。
「ああ。この階層にも小ボスがいるのなら、恐らく5階層ずつ小ボスがいるのは間違いないと思う。……もっとも、その辺りは実際に上っていってみないと分からないけどな」
そう告げると、荒垣の表情が少しだけ厳しくなる。
まぁ、現在の状況に色々と思うところがあるのは間違いない。
荒垣にとっては、10階層どころか5階層であっても未知の領域なのだから。
俺が……いや、正確にはゆかりがペルソナを使いこなせるようになった影響で殆どのシャドウを楽に倒してきたが、だからこそ余計に警戒心を煽るのだろう。
荒垣は、何だかんだと結構用心深いからな。
ともあれ、ここまで来て10階に向かわないという選択肢は存在しない。
もし10階に小ボスがいるのであれば、それこそ双方向ターミナルがある可能性も十分にある。
それを使えるようにすれば、明日からの探索では10階から探索が可能になる。
そうなれば、探索は非常に楽になるのは間違いない。
荒垣も覚悟を決めたのか、視線を向けると頷いてくる。
ゆかりも、いつでもペルソナを召喚出来るよう、握っている召喚器に力を込める。
……よく考えれば、荒垣は結局戦わないんだからそこまで緊張する必要がないと思うんだがな。
いや、寧ろ戦わないからこそ緊張してるのか?
そんな風に考えながら、10階に続く階段を上がっていく。
そして上がった先には……
「やっぱりな」
10階に上がるも、そこには敵の姿は一切ない。
いや、勿論今までも階段を上がってすぐに敵が出てきた訳ではない。
それこそ、階段を上がってすぐに遭遇した敵は死神だけだ。
だが……それでも、何となくこの10階には他の敵がいないと思うのは俺の気のせいだろうか。
ふと、スライムを使って探索してみては? という風に思ったが、銀色のスライムは見かけが人によっては嫌悪感を抱くような代物だ。
ゆかりがどう思うかは分からないし……ましてや、荒垣は本格的に俺達の味方になったという訳でもない。
空間倉庫や魔法についてはともかく、スライムは色々な意味で怪しいだろう。
桐条グループに俺の能力の多くを知らせるのは、出来るだけ避けたいと思ってしまうのは当然だろう。
「何がやっぱりなの?」
「いや、敵が……シャドウがいないのがな」
「それは今までも同じだったでしょ?」
ゆかりも俺と同じように考えたらしい。
この辺り、お互いに息が合ってきたと言ってもいい……んだろうか?
荒垣の方に視線を向けると、そちらでもゆかりの言葉に同意するようにと頷いていた。
「そうだな、取りあえず進むか。ここが小ボスのいる階層だとすれば、双方向ターミナルがあるだろうし」
それと、宝箱が1個だけというのも、もしかしたら小ボスの階層の特徴なのかもしれないな。
5階でも、宝箱は1回取るともう出てこないし。
そんな風に考えつつ10階を進む。
シャドウの類が出てこない状態で少し時間が経ち……
「あ、やっぱりね。アクセルの言う通りだったわね」
多少曲がっていたりはしたが、結局のところ殆ど一本道と言ってもいい道の先……そこには、5階の時と同じような、普通に戦ってきた奴よりも若干大きめの複数のシャドウの姿があった。
ただし、5階の時と違ってあのシャドウは見た事がある。
いや、正確にはあのシャドウと似たシャドウは見た事があるというのが正しい。
掌が身体になっているシャドウ……荒垣曰く、マジックハンドと同じような姿ではあるが、マジックハンドの身体が白なのに対して、こっちのシャドウ達は身体が桃色、つまりピンクで白の刺繍が入ってるような……そんな感じ。
桃色という事で、ふとゆかりの方を見る。
「……何よ」
そんな俺の視線に気が付いたのか、ゆかりは少しだけ不機嫌そうにそう告げてきた。
自分がピンクを好きだというのが俺には分かっているのだと、そういう事なのだろう。
「いや、何でもない。それより、どうする? 手を貸すか?」
「……お願い」
マジックハンドの亜種……それとも上位種か?
どちらなのかは分からないが、それでもこっちとしてはやるべき事は変わらない。
「なら、俺が2匹を担当するから、ゆかりは1匹を自力で相手にしてくれ。……荒垣は?」
「ふん、俺はお前達の戦いを見させて貰うよ。こんな階層まで来るのも初めてだし」
そう告げた瞬間、マジックハンドもどき達が俺達の存在に気が付いたのか、まるで先制するかのように攻撃を仕掛けてきた。
「アギ」
「ブフ」
「ジオ」
放たれたのは、火の玉、吹雪、そして……電撃。
それらが一直線に向かって俺達の方に向かってやってくる。
「へぇ」
感心しながら、手を振るう。
瞬間、白炎の壁が生み出され、火の玉を焼き尽くし、吹雪を蒸発させ、1本の電撃をも焼き尽くす。
火の玉を焼き尽くすというのは少し珍しい表現だろうが、ともあれそう呼ぶのに相応しい光景がそこには広がっていた。
俺が驚いたのは、3匹のシャドウが揃って先制攻撃を仕掛けてきたという事でもあるが……何より、ジオと呼ばれる魔法を初めて見た事だ。
今まで俺が見たのは、アギ、ブフ、ガル。火、氷、風の、魔法だった。
だが、今そこにはジオが……電撃系統の魔法が入ってきたのだ。
この分だと、恐らくまだ俺が知らない魔法とかもあるんだろうな。
火、水――正確には氷――、風、電気……となると、土はありそうだな。他にも光と闇辺りはあってもおかしくはない。
「ペルソナ、ガル!」
ゆかりの言葉が聞こえてくる。
頭部に向かって銃口を向けた召喚器のトリガーを引き、ゆかりのペルソナ、イオが姿を現す。
そしてイオから放たれたのは、風の刃。
一応竜巻の形状でも魔法を発動出来るゆかりだったが、風の刃の方が今は相応しいと考えたのだろう。
だが……放たれた風の刃は、シャドウに命中したにも関わらず殆どダメージを与えている様子はない。
それどころか、シャドウは自分はダメージを受けていないというのを示すかのように、胴体……に見える掌を使い、その場で踊っているように見えた。
踊るマジックハンド……ダンシングハンドってところか。
そのダンシングハンドは、白炎の壁の前に出ていたイオに向かって足を……俺から見れば人差し指だが、その指を向けた。
「ジオ」
「きゃっ!」
再び放たれた一条の雷。
先程は白炎の壁にぶつかって燃やされてしまった雷だったが、イオが白炎の壁の前にいるのであれば、それは防ぎようがない。
だが……それよりも驚いたのは、ジオを防げなかったイオが、次の瞬間にはそのまま消滅し、その上でイオが受けた衝撃がフィードバックしたのか、ゆかりが地面に転んでいた事だ。
今までにも何度か攻撃を受けていたイオだったが、ここまで大きな被害を受けたといったことはなかった筈。
また、イオが放ったガルをまともに受けたにも関わらず、殆どダメージを受けた様子がないのも気になる。
もしかして、風系の魔法に強い耐性を持っているのか?
そんなゆかりの様子を見て、他の2匹のダンシングハンドも攻撃に移ろうとする。
狙う先は、俺……ではなく、ゆかりだ。
まぁ、考えてみれば当然だろう。こっちで勝手に決めた攻撃の分担に、向こうが従わなければならないという事はないのだから。もっとも……
「だからって、そう簡単にそっちの思い通りに出来ると思ったら、大間違いだけどな!」
その言葉と共に、混沌精霊としての力で白炎を生み出し、転んだゆかりに向かって放たれたジオの稲妻を燃やす。
まさかそんな事が出来るとは思っていなかったのか、2匹のダンシングハンドは一瞬戸惑い……そんなダンシングハンドに向け、口から永久石化光線を放つ。
久しぶりに使ったその攻撃は、あっさりと2匹のダンシングハンドを呑み込み……次の瞬間、石像と化してタルタロスの床に倒れ込む。
「はあっ!?」
荒垣にとって完全に予想外の光景だったのだろう。間の抜けた声が聞こえてくる。
スライムを見せるのは躊躇っていたが……もしかして今のも不味かったか?
いや、だが今のは口から出た光線……魔法という風に思ってもおかしくはない筈。うん、多分だけど。
ともあれ、石像となって床に倒れているダンシングハンドに関しては、もう心配する必要はない。
そしてここで現れた小ボスは3匹……つまり、残りのダンシングハンドはもう1匹という事になる。
仲間がやられたのを見ていたのか、ゆかりと戦っていたダンシングハンドは動きを止めていた。
その辺りを考えるだけの知能はあるのか?
今まで戦ってきたシャドウは、殆ど本能に従っているといった感じだったが。
となると、もしかしたら上層部に向かえばもっと本当の意味で知能を持った……それこそ俺達と意思疎通出来るシャドウとかがいてもおかしくはないか。
ともあれ、ダンシングハンドが動きを止めた瞬間をゆかりは見逃さなかった。
そのまま立ち上がると、再び召喚器を頭部に当てる。
「ペルソナ!」
イオを召喚するところまでは、先程までと同じと言ってもいいだろう。
だが、そこから先は違った。
先程はここでガルを使い、それがダンシングハンドに対して殆どダメージを与える事が出来なかった。
しかし、今回イオが――より正確にはゆかりが――とった選択肢は、魔法ではなく、イオをそのままダンシングハンドに突っ込ませるといったもの。
それはダンシングハンドにとってもかなり予想外の攻撃だったのだろう。
真っ直ぐに突っ込んで来た牛の頭蓋骨に、思い切り吹き飛ばされる。
だが、イオの攻撃はそれでは終わらない、。
先程のジオの仕返しだと言わんばかりに、真っ直ぐダンシングハンドに向かって突っ込んでいく。
それも1度や2度では収まらない。
吹き飛ばして壁にぶつけると、そのまま更に突っ込んでいき、壁と牛の頭蓋骨という、嫌な意味でのサンドイッチとなる。
その衝撃には耐えられなかったのか、やがてダンシングハンドは他のシャドウ同様に消滅していく。
ふと気になって先程俺が石像にしたシャドウに視線を向けると、そこでは不思議な事に石像になっていた筈のシャドウが、他のシャドウ同様にその姿を消していった。
……永久石化光線を食らったら、普通は石像のままになる筈なんだが……何だって石像の状態から変わっていくんだ?
そんな疑問を抱きつつ、ともあれ小ボスを倒した事に安堵の息を吐くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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