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夢幻水滸伝

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第十八話 瀬戸内の海戦その五

「そうしていく、いいな」
「わかりました、では」
「そうしてですね」
「敵を退け」
「そのうえで」
「間合いが近付いてきた」
 敵とのそれがというのだ。
「砲撃は止めてだ」
「はい、鉄砲ですね」
「それへの攻撃に変えますね」
「そうする」
 こう言ってだ、吉川は攻めを次の段階に進めさせた。彼等も人魚や魚人達を海中に送って敵を迎え撃たせてだった。
 船の上では鉄砲の射撃にかかった、吉川は三笠の船上で鉄砲を構えた足軽達に対して強い声で言った。
「船を狙うのだ」
「人ではなくですね」
「船ですね」
「敵の船を狙う」
「そうすればいいのですね」
「そうだ、人を狙うことはない」
 こう言うのだった。
「船さえどうにかすればそれで敵の戦力は落ちる、そしてだ」
「はい、炮烙もですね」
 炮烙を投げる用意をしている足軽が聞いてきた。
「そちらもですね」
「そうだ、投げてだ」
 そしてというのだ。
「敵の船を焼け、いいな」
「はい」
 その足軽も頷いた、そしてだった。
 敵の船に向けて鉄砲の射撃が行われ炮烙が投げられてだった。
 敵がそうしてくるよるも遥かに多くのそれで攻めた、四国の船は鉄砲で次々に傷付けられ炮烙の火で焼かれてだった。
 次々に動けなくなっていた、しかもだった。
 水中でも数と水中銃が効いてだ、四国の軍勢は押されていた。その状況を見て正岡はまた言った。
「打つ手打つ手がのう」
「退けられていますね」
「ああ、完全にじゃ」
 まさにというのだった。
「やられとるわ」
「その通りですね」
「これはまずいわ」
 正岡は自分の頭、馬の鬣のところを掻きつつ言った
「押されっぱなしじゃ」
「そうですね、こちらの数も」
「かなり減ったのう」
「やはり鉄甲船にです」
「数もちゃうわ」
「そのせいで」
 まさにというのだ。
「押されています」
「手も足も出んわ」
「全くです、しかし」
「しかしじゃな」
「まだ手はありますね」
「ああ、術使うか」
 こう言うのだった。
「ここはな」
「霧の術か暗闇の術ですね」
「それを使ってじゃ」
 そうしてというのだ。
「目晦ましをしてそのうえでじゃ」
「戦いますか」
「そうするか、ただしのう」
「相手も考えています」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「照明の術もあるわ」
「それを使ってきますね」
「相手もな、だからじゃ」
 それでというのだ。 
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