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オズのジュリア=ジャム

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第六幕その九

「このことも覚えておいてね」
「わかりました」
「オズの国ではポストもそれぞれの国の色なんだ」
 そうなっているというのです。
「そこが外の世界と違うんだ」
「それでね」
 ジュリアが五人に笑顔でお話しました。
「ポストのところに行くでしょ」
「はい」
「そうしてですね」
「ポストをどうにかすればですね」
「そのものを送ることが出来るんですね」
「送りたい場所に」
「そうなの、ポストをこうしてね」
 ジュリアはポストに触りました、するとです。ポストから言ってきました。
「どなたですか?」
「ジュリア=ジャムよ」
「ジュリアさんですか」
「そう、エメラルドの都のね」
「都のどちらにお住まいですか?」
 ポストはジュリアにさらに聞いてきました。
「一体」
「王宮に住み込みで働いているわ」
「そちらに御用ですか?」
「いえ、実家に送りたいの。実家はね」
 ここでジュリアはポストに実家の場所をお話しました。
「そこなの」
「そこに何を送られますか?」
「これよ」 
 ジュリアはポストの前に蜂蜜とお菓子が入ったバスケットボックス、両手に持っていたそれを差し出しました。
「これを送って欲しいの」
「そのバスケットボックスをですね」
「ええ、送ってくれるかしら」
「はい、今すぐに」
 ポストはジュリアに礼儀正しく答えました。
「送らせて頂きます」
「それじゃあお願いするわね」
「わかりました」
 ポストも答えました、するとです。
 お空からとても大きな鳥が来ました、足で象を掴めるまでに大きいです。とんでもない大きさです。そしてです。
 その鳥の背中に郵便配達の人がいました、青い配達員の制服です。その人が鳥から降りてジュリアに言ってきました。
「では今から」
「はい、お願いします」
 ジュリアは配達の人に笑顔で応えました。
「お話した場所まで」
「送らせてもらいます」
「それでは」
 配達員さんはジュリアの手からバスケットボックスを受け取りました、そしてです。
 鳥の背中に戻ってです、鳥はあっという間に飛び上がりそうしてです。
 お空に消えていきました、五人は一部始終を見て言いました。
「大きいですね」
「凄い鳥ですね」
「鷲みたいですけれど」
「鷲よりも凄く大きくて」
「見ていてびっくりしました」
「ロック鳥よ」 
 ジュリアは五人にその鳥のことをお話しました。
「あの鳥は」
「ああ、アラビアンナイトに出て来る」
「あの鳥ですか」
「あの鳥がオズの国にもいて」
「それで、ですか」
「郵便や配達に使われているんですね」
「そうなの、配達の人は五つの国にそれぞれ沢山の人が務めていてね」
 ジュリアはオズの国の郵便と配達のシステムのお話もしました。
「ポストでお話をするとなの」
「ああしてですか」
「所定の場所に送ってくれる」
「ロック鳥に乗ってですか」
「そうしてですね」
「そこまで届けてくれるんですね」
「そうよ、あれだけ大きな鳥だから」 
 それこそ足で象を掴める位の大きさなので。
「だからね」
「どんな大きさのものでもですね」
「運べるんですね」
「あの大きさですから」
「しかもお空も飛んで」
「そのうえで」
「そうよ、しかもロック鳥は飛ぶのが凄く速いから」
 ただ大きいだけでなくてというのです。 
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