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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十九話 長崎を後にしてその六

「肉食文化の国なので」
「色々と食べていますね」
「日本のお魚と同じですね」
「ああ、そうなりますか」
「はい、あと今日はお魚も出ます」
 メインの前にだ。
「鯉とのことです」
「あっ、鯉ですか」
「はい、そうです」
「いいですね」
 鯉と聞いてだ、僕は畑中さんに笑顔で応えた。
「あのお魚好きなんですよね、僕」
「義和様は淡水魚もお好きですね」
「親父に食べさせてもらって」
 子供の頃だ。
「鯉料理を、それからです」
「鯉もですか」
「好きです、美味しいですよね」
「そちらも出ますので」
「楽しみにしています」
 僕は畑中さんに満面の笑顔で答えた。
「是非」
「はい、それでは」
「やっぱり火をよく通した」
「そうだと思います」
「ムニエルですかね、ただ」
 ここで僕はこうも言った。
「生ではないですね」
「はい、それはないと思います」
「イタリア料理のカルパッチョではなく」
「やはりないかと」
「そうですね、淡水魚ですからね」
 このことが大きい、とにかく淡水魚は虫が怖い。三国志の陳登が魚の毒で死んだとあるけれど淡水魚つまり川魚の寄生虫で死んだみたいだ。
「それは」
「危険ですから」
「そうはいかないですね」
「海のお魚よりもです」
 淡水魚はというのだ、畑中さんも。
「危ないですから」
「どうしてもですね」
「生は避けています」
「こうしたホテルでもですね」
「しっかりとしたホテルだからこそです」
「余計に注意していますか」
「そうかと」
「鯉も危ないですからね」
 このことは鮎も岩魚もだ、鯰も最近食べる人が増えたみたいだけれどこちらのお魚も虫が気になるみたいだ。
「ですから」
「そういうことですね」
「熱は通す」
「それもじっくりと」
「それがいいのです」
「淡水魚を食べる時は」
「海水魚以上です」
 とにかく寄生虫が怖いからだ。
「気をつけねばなりません」
「このホテルもそうしているんですね」
「そうです、何しろ一度でもです」
「中毒の人を出したら」
「終わってしまいます」
 ホテルでもレストランでもだ、とにかく食べものを扱っていて食中毒を起こせば本当に何もかもが終わってしまう。 
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