転生とらぶる
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ペルソナ3
1785話
ゆかりと共に塔に挑んだ日の翌日……もしくは、あの現象は日付が変わった瞬間にやってくるので、当日と表現するべきか?
ともあれ、ぐっすりと眠って疲れを癒やした俺は、午前9時くらいに目を覚ます。
身支度をし、そのまま空間倉庫に入っていたサンドイッチを始めとした朝食を済ませ、後はTVもないので本を読みながら時間を潰していると、やがて玄関がノックされる。
かなり古いアパートだけあって、チャイムの類は壊れている。
直せばいいとは思うんだが……まぁ、直すにも金が掛かるし、大家にとっても色々と問題があるんだろう。
そう言えば他の住居者ってどんな奴なんだろうな。
そんな風に思いながら扉を開けると、そこには予想通り昨日買った電化製品の配達だった。
一応有料で電化製品の設置サービスとかもあるのだが、それは頼んでいないので部屋の中に荷物を置くと配送員はすぐに帰っていく。
……この時間に俺のような年代の男が、しかもこんなボロアパートにいるというのは、配達員にとっても色々と予想外だったのだろう。
微妙に怪しげな視線をこっちに向けていたが、それでも仕事は仕事と判断したのか、それ以上は特に何をするでもなかった。
それを確認し、俺は玄関の近くに置かれている電化製品に手を伸ばす。
新品を買って配送して貰ったのだから、当然ながらTVを始めとする電化製品の類は段ボールに包まれている。
それを破り、それぞれ家具を設置していく。
普通に考えれば、一人でこの家具を設置するのは色々と難しいだろうが、幸いな事に俺は普通の人間ではない。
当然この程度の重量の荷物は特に問題なく持つ事が出来、それを設置していく。
……4畳の部屋に32型のTVはちょっと大きかったか?
部屋の中が狭くなったように思えるが、まぁ、そもそもこの部屋はあくまでも寝床だったり、ゆかりとあの現象について話し合ったり、塔に向かう為の準備をする場所だ。
そう考えれば、部屋が多少狭くても問題はないだろう。
ただ、出来ればやっぱり公的な身分証は持っておきたいが……どうしたものか。
そんな風に考えながら、携帯で昨日塔の宝箱から入手した宝石っぽい物を調べていく。
もっとも、調べるにしてもどうやって調べたらいいのやら。
適当にネットで検索しても、特に何かこれといった物は見つけることが出来ない。
……中にはどんな風に検索されたのか、フリスビーが表示される事もある。
何故フリスビー?
いや、丸いけど……別に宝石でも何でもないだろ?
フリスビーと言ったら、俺が思い浮かべるのはプラスチックで出来た奴だ。
少なくても、宝石の類ではない。ないのだが……実は宝石を散りばめたフリスビーというのもあるらしい。
これはこの世界だけか? それとも普通に他の世界でもそんな豪華なフリスビーはあったりするのか?
まぁ、その辺りは特に気にしなくてもいいか。
そもそも、これはフリスビーではないのは確実なんだし。
うーん、ネットだけだとちょっとな。
いっそ携帯で写真を撮って、それをネットに上げてみるか?
一瞬そうも思ったが、まさかあの塔で入手した物をそう簡単に人目に触れさせる訳にもいかないだろう。
もしそれを見て、妙な奴等がやって来たら面倒な事になる。
それとも、いっそ最初からそっちを狙うか?
それはそれでありなような気がしないでもないんだが、ゆかりがいるのを考えるとな。
オカルト系の組織が俺の事を調べても、それこそ数日前の事しか理解出来ないだろう。
だが、同時に俺とゆかりが行動を共にしているというのは、間違いなく容易に把握出来る。
……何しろ、学校の掲示板とかでもかなり噂になっているし、俺もそれを煽るような真似をしたしな。
そんな風に考えていると、まるでそのタイミングを計ったかのように携帯が着信を告げる。
シャドウミラーの通信機だったら、声だけじゃなくて映像とかも出せるんだが。
微妙に慣れないながらも、掛かってきた電話……ゆかりからと表示されている電話に出る。
「はい、もしもし」
『ちょっと、アクセル! あんた一体何をしてるのよ!?』
電話に出た瞬間、いきなり怒鳴られる。
もし俺が普通の人間なら、その怒声で一瞬聴覚が麻痺したのではないかと思える程の声。
「何だよ、いきなり」
『何だよじゃないわよ! あんた、昨日学校に来る途中で妙な噂を流していったでしょ!』
その言葉で、ゆかりが何について言っているのかという事はすぐに分かった。
昨日弓道部の様子を見に行く途中で、何人かの月光館学園の生徒にゆかりとの関係を聞かれ、話した事だろう。
「噂……一応本当の事を言う訳にはいかないから、適当に誤魔化したつもりだったけど、何か問題があったか?」
『あるに決まってるでしょ!? 私が今日学校に来てから、何人にその噂について聞かれたと思ってるのよ! しかも学校の掲示板とかがもの凄い事になってるのよ!? 私とアクセルが、子供の頃からの許嫁だって……そんな根も葉もない話まで広まってるんだから!』
あー……まぁ、この手の噂話ってのは、広がれば広がる程に拡大していったりするものだしな。
そう考えると、許嫁程度で済んだのは寧ろ御の字じゃないか?
……ゆかりにそんな事を言えば、間違いなく怒鳴られるだろうから言わないけど。
「何の事だか分からないけど、ゆかりが怒っているのは分かった」
『ちょっ、何の事か分からないって、本気で言ってる!?』
見るからに……いや、聞くからに不機嫌そうな声を発するゆかり。
それを誤魔化す為に、話題を移す。
「それで、昨日入手した金属の円盤についてだが……」
『何か分かった?』
「残念ながら、まだだな。ネットで調べた限りだと、何故か宝石を散りばめたフリスビーとかが検索に引っ掛かる」
見た感じ、恐らく……本当に恐らくだが、何らかの宗教的な何かだといった予想は出来るけど、それも確実じゃない。
『じゃあ、どうするの? 魔法が関係しているのは確実なんでしょ?』
「そうだな。それは間違いないと思う。……あの宝石もそうだが、具体的にどんな魔法なのか分からないってのは、正直なところ痛いよな」
エントランスのターミナルを使う時には、脳裏に移動可能な階数が表示される。
そんな感じで、これをどうやって使えばいいのかといった使い方も教えてくれると、こっちとしては助かるんだが。
そうでもなければ、これから塔で宝箱を見つける度にどうやって使えばいいのか分からない物が増えていく。
幾らでも入手できる奴なら、それこそあの宝石みたいに敵に使って試してみるって週案もあるんだが。
この宝石っぽいのは、見た感じかなりレアっぽいアイテムなんだよな。
5階で出てきた唯一の宝箱だし。
『じゃあ、どうするの?』
「電化製品とかはもう来たから、後で図書館にでも行って調べてみようと思う」
『図書館? それもいいけど……そうね、どうせなら古美術店か、アクセサリー屋とかに行ってみたら?』
「……古美術店? アクセサリー屋?」
なるほど、その手があったか。
実際、この手の品が具体的にどのような物なのかというのは、それこそ自分で調べるよりも専門家に聞いてみるのが一番いい。
そして古美術商とかだと、こういうのに詳しくてもおかしくはない。
勿論、どこで入手したのかとか、そんな風に言われれば答えるのは難しいのだが。
古美術店なら、その辺を気にするのか?
ただ、アクセサリー屋は……ちょっと俺だけで行くのは微妙なところだな。
それに、これがマジックアイテムの類だとしたら、何となく古美術店の方がらしいと思う。
「行くなら古美術店だな」
『そう。眞宵堂っていう古美術店がポロニアンモールにあるんだけど、そこに行ってみたら? 店主は中々の美人らしいわよ?』
「……もしかして、最初からそれが狙いなのか?」
俺と噂になっているゆかりだ。
出来れば俺と別の女をくっつけて、それで俺との噂を打ち消したいと思っても、不思議ではない。
『そ、そんな訳ないじゃない! でも、今回はちょうどいいタイミングだったかもしれないけど』
本当にゆかりが何も企んでいなくて偶然だったのか、それとも俺の話を聞いていてちょうどいいと判断したのか。
ただ、その辺りの考えはともかく、古美術店でこの宝石っぽい物を見て貰うというのは決して悪い考えではない。
「取りあえず、話は分かった。……ゆかりの考えはともかく、古美術店で見て貰うってのはいい考えだと思うから、これから行ってみるよ」
『そう? じゃあ、よろしくね。じゃあ、私はそろそろ授業が始まりそうだから切るわね』
そう告げ、ゆかりは携帯を切る。
……もう少し言いたい事がない訳でもなかったが、授業がはじまるとなれば、向こうも忙しくて当然だろう。
ともあれ、図書館に行くよりもピンポイントで情報を得られる可能性が高くなったというのは、俺にとっても嬉しい限りだ。
そう判断し、宝石っぽいのをその辺にある袋に適当に入れると、そのまま靴を履いて影のゲートで転移する。
日中から、誰にも見られないで自由に転移出来る場所があるってのは、かなり便利だよな。
そういう意味では、このアパートを借りたというのは当たりだったな。
そんな風に考えながら、俺はポロニアンモールの人目につかない場所に姿を現す。
さて、こうしてポロニアンモールにやってきたのはいいけど、眞宵堂って店はどこにあるんだ?
ポロニアンモールには交番もあるから、そこで話を聞けばすぐに店がどこにあるのか分かるか? ああ、でも今の俺の外見だと交番に行けば下手をすると補導されてしまうな。
そう考えると、交番に行くのはちょっと不味い。
だとすれば……ああ、あそこなら丁度いいか。
ポロニアンモールにある喫茶店……シャガール辰巳店という店が目に入る。
もう少しで昼だし、昼食を食べるついでにあそこの店で情報を聞こう。
そう考え、その喫茶店に入る。
「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
ウェイトレスの質問に頷くと、窓際にある席に通される。
その途中で店の中を見回してみると、何気に結構客が入っているな。
まぁ、ポロニアンモールは桐条グループが発展させているらしいし、いわゆる若者向けの場所になっているのだろう。
「ご注文をどうぞ」
「そうだな……ミックスサンドを3人前。それとアイスティーと、イチゴパフェ」
アイスティーという言葉に、ウェイトレスが少しだけ驚く。
2月の寒い時季に、暖かい紅茶ではなく冷たい紅茶を頼むのだから、その気持ちも分からなではないが。
それでも客商売だけあって、驚きを露わにした表情はすぐに消し、そのまま去っていく。
……うん? もしかして驚いたのは、アイスティーじゃなくてミックスサンドを3人前の方だったか?
そんな事を思うも、今は特に気にする必要はない。
10分もしないうちにサンドイッチとアイスティーが運ばれてくるとそれを腹の中に収める。
不味いって訳でもないが、美味いって程でもない……普通と表現するのが一番相応しい味。
紅茶の方も普通で、イチゴパフェは……それなりだった。
そのイチゴパフェを食べながら、ふと嫌な予感を覚え、改めてメニューを開くが、すぐに安堵の息を吐く。
いつもであれば、こういう店にはあの呪われた食べ物……ゴーヤクレープとかがあったりするんだが、幸いこの店にはまだゴーヤクレープは浸食していないらしい。
いや、元々ゴーヤクレープはネギま世界からホワイトスターに広がり、そこから更に他の世界にも広がっていった形だ。
この世界がホワイトスターと繋がっていない以上、その辺りの心配はしなくてもいい……筈だと思う。
ともあれ、軽食――あくまで俺にとってはだが――を済ませると、精算をする時にウェイトレスに尋ねる。
「この辺りに眞宵堂って店があるって聞いたんだけど、どこにあるか教えてくれないか?」
「眞宵堂ですか? それでしたら……」
少し考えるようにしながらウェイトレスが教えてくれたのは、この喫茶店からそれ程離れていない位置にある場所だった。
その事に感謝の言葉を告げ、店を出る。
時間としては、まだ昼までには少し時間があるといったくらい。
なら、このまま行ってみるか。
そう判断し、俺は喫茶店で教わった場所に向かう。
そのまま少し歩くと、やがて眞宵堂と書かれた店を見つける。
古美術店だという話だし、てっきりもっと奥まった場所にでもあるのかと思っていたんだが……運がいいのか悪いのか、ともあれその店はあっさりと見つける事が出来た。
こうして見る限りでは、特にどうという事もないような普通の店に見える。
……単純に、俺が古美術といった言葉に対して、妙な考えを抱いてただけか?
古美術店やら古美術商といった言葉は、どこか怪しそうな響きがあるんだが。
この眞宵堂という店は、こうして堂々と表通りに店を構えているのを見ると、特に何か後ろ暗いところがある訳でもないらしい。
その事に少しだけ残念に思いつつ、俺は店の扉を開けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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