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レーヴァティン

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第十六話 あらためてその三

「これからも進んでいきましょう」
「まず十二人全員だな」
「久志君を入れて十三人ですね」
「ああ、全員揃ってな」
「それからです」
 そのうえでというのだ。
「あらためてことを起こしましょう」
「それから統一にかかるか」
「そうしていきましょう」
「よし、じゃあまずはな」
「領主さんのところまで行こうぜ」
 智が笑って言ってきた。
「今からな」
「よし、じゃあな」
 久志も頷き三人で森を後にすることにした、その時に智は二人に対してこんなことも言った。
「まあ契約通りだとな」
「それならですね」
「家を引き払ってな」
「そのうえで、ですね」
「旅に出ることになるさ」 
 こう話した。
「だから家もな、領主さんと会ったら」
「そうしたならば」
「引き払うぜ」
 森にあったその家をというのだ。
「元々森の番人の小屋でな」
「貴方が森の番人も兼ねて」
「それでいたしな」
「では後は」
「次の番人さんが来て」
 智は順一に応えてその辺りの事情も話した。
「そうなるな」
「左様ですか」
「まあとにかく今はな」
「領主殿の御前に」
「これ持ってな」
 久志が持っているドラゴンの頭蓋骨である。
「行こうぜ」
「では」
 順一も頷きだ、三人はあらためて森を後にしてだった。そのうえで智の案内で森を領地としている領主の屋敷に向かった。
 領主の屋敷は城、西洋の観念で言うと砦だった。街のすぐ傍にあるその砦を見て久志は言った。
「屋敷じゃないか」
「ここの領主さんはな」
 智は自分の横にいた久志の言葉に答えた。
「質素でな」
「それも実用的でか」
「いざって時に備えてだよ」
 つまり戦にだ。
「ああなんだよ」
「そうなんだな」
「ここは今は平和だけれどな」
「島自体がだな」
「戦争も多いからな」
 人間同士の争いもというのだ。
「それで結構人も死んでるしな」
「だからか」
「ああ、領主さんも宮殿じゃなくてな」
「砦に住んでるか」
「それで街はな」 
 翻ってそちらを見るとだった。 
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