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夢幻水滸伝

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第十六話 内政その七

「増やします」
「細かいな」
「そうしてこそです」
「万全に出来るか」
「はい、完璧となりますか」
 太宰はここでこの言葉を出した。
「そうなりますとまず無理ですが」
「完璧はかいな」
「はい、完璧即ち完全はないのです」
「どっか必ず抜けがあったりするか」
「そうです、完璧を目指すべきですが」
 それでもというのだ。
「完璧は有り得ません」
「哲学やな」
「現実です、完璧主義であるべきですが」
 太宰はまた言った。
「しかしそれでもです」
「完璧にはならんか」
「それが世の中であり政もです」
「完璧はないか」
「万全位はありますが」
「完璧と万全はちゃうか」
「私としては。万全はあらゆることが真っ当出来ているということでしょう」
 その言葉通りならというのだ。
「まあ九十五点以上ですか」
「百点満点でやな」
「テストの答案なら百点はあります、しかしこれも」
 その百点もというのだ。
「妙な先生ですと文章の書き方が悪い、正確に書いていないとです」
「変にシビアなこと言うてな」
「減点する先生もいます」
「おるな、そういう奴」
 学校の教師だけでなく他の分野のそうした立場でもいるだろうか、こうした採点をする人物は。
「それでそういう奴に限ってな」
「自分には甘いですね」
「結構以上に嫌な奴やったりするわ」
 そうした人物もいるというのだ。
「まあそういう採点も出来るな」
「テストでも」
「まそれでもテストはか」
「はい、教科書をそのまま書けばです」
 それでというのだ。
「完璧になります、ですが」
「他のことはやな」
「完璧はないです」
「政もやな」
「必ず抜けがあります、ですが」
「それでもやな」
「その抜けを極めて小さくすべきなのです」
 例え完璧というものが有り得ないものだとしてもだ。
「ですからこうしてです」
「人手もっ予算もか」
「現場を見まして」
 それで現状を把握してというのだ。
「あらためるべきところはあらためていくべきです」
「そういうことか」
「はい、それではです」
「人手と予算をか」
「増やします、一割五分ですね」
 増やす割合はというのだ。 
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