夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十五話 傭兵の四人その十九
「海からと考えていますが」
「それはあくまで向こうさんの考えやしな」
「あちらの考えもあります」
九州の勢力にも彼等の考えがあるというのだ。
「ですから」
「何かあったらか」
「はい、お願いします」
「その時は僕が出陣か」
「井伏君と山本君がいます」
新たに加わった彼等がというのだ。
「二人は武闘派の傾向がありますので」
「だからやな」
「いざという時はです」
「二人を連れてか」
「お願いします」
出陣をというのだ。
「そうして頂きます」
「わかったわ、それで僕等が出陣している間もやな」
「政は行われます」
太宰はこのことをだ、中里にはっきりと話した。
「これが止まることはありません」
「いつも進めてるんやな」
「はい」
その通りという返事だった。
「左様です」
「そやねんな」
「それが私が進めていますので」
「関西の政はそうして進めてきたんか」
「はい、これまでは私と樋口さんが主でしたが」
「人手が増えてやな」
「より一層進められる様になりました」
太宰は微笑んでこのことを話した。
「有り難いことです」
「そやねんな」
「実に」
「それは何よりやな、まあ何かあったら行くけど」
「はい、それまでは」
「政も頑張るで」
こう言ってだ、中里は政にも励んだ。彼は戦だけでなくそちらのことについても熱心に励むことになった。
第十五話 完
2017・4・24
ページ上へ戻る