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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1777話

 取りあえず家具や電化製品を買うにしても、最大の問題点としては俺がこの辺りの店について何も詳しくないという事だった。
 勿論適当な店で買えばいいというのであれば、特に問題はない。
 だが、いつくらいになるのか分からないが、取りあえず暫くの間……W世界の時の事を思えば、半年くらいか? 時差によっては色々と誤差は出てきそうだが、それくらいの日数をこの世界で暮らす事になる訳だ。
 そうである以上、出来るだけ快適な暮らしをしたい。
 まず、冷蔵庫とTVは欲しいな。
 洗濯機は……一応部屋の前に設置場所があったから、買うなら買ってもいいか?
 それと寝る場所か。
 個人的にはベッドがいいんだが、ベッドだと場所を取るから布団か?
 それとも、ベッドを買ってきて、邪魔になったら空間倉庫に収納するとか。……駄目だな。
 俺の能力を知っているゆかりだけの時はいいが、荒垣とか、それ以外の面々がやってくるとベッドを収納する事は出来ない。
 そうなると、布団だろうな。
 エアコンは……まぁ、あった方がいいのか?
 俺だけであれば、寒いのも暑いのも平気なんだが、夏や冬に誰かが来る事を考えれば、やっぱりエアコンはあった方がいいだろう。
 他にも食器とか包丁とかそういうのも買った方がいいだろうし。
 ……そこで問題になってくるのが、やっぱり俺がこの辺りの店について詳しくないという事だろう。
 さて、誰に頼るか。
 荒垣は、今までいたんだから頼ってもいいような気がするが、店とかに詳しいようには見えない。
 やっぱりこの手の店で詳しいのは、女だろう。
 そしてこの世界で俺と親しい女と言えば、1人しか存在しなかった。
 そんな訳で、もう午後3時をすぎている事だし、授業も終わっただろうとゆかりに電話を掛ける。
 呼び出し音が数回鳴り、やがてゆかりが出る。

『もしもし、アクセル? どうしたの?』
「ああ、今ちょっといいか?」
『部活が始まるまでは、まだちょっとあるからいいけど……どうしたのよ?』

 ああ、そう言えば今日は部活があるとか言ってたな。
 もっとも、実践を経験したゆかりにとって、ただの部活で満足出来るかどうかってのは分からないが。

「部屋を借りる事が出来たから、その報告と……それと、家具とか家電とかを買おうと思うんだが、どこかいい店を知らないかと思ってな」
『え? お店? うーん、家具とかそういうのはあまり買わないから、何とも言えないけど……あ、でも……』

 話している途中でどこかに移動したのか、聞こえてきた雑音が少し静かになる。

『アクセルが部屋を借りたって事は、今度からはあの塔の攻略に関しての相談はアクセルの部屋でやった方がいいんじゃない? ……私の部屋の場合、隣の部屋とかに誰かが来てるのを知られると不味いし』
「あー……それはそうかもしれないな。ただ、借りた部屋はかなり小さいし古い部屋だぞ? 築30年って話だし」
『別にそれくらい気にしないわよ』
「まぁ、ゆかりがそう言うなら、こっちはそれでもいいけどな。……ただ、夜中に男の部屋にやってくるってのは、女子高生的に不味いんじゃないか?」
『……ば、馬鹿じゃない!? いきなり何を言ってるのよ! てか、馬鹿じゃない!?』

 相変わらず動揺すると、同じ事を2回言う癖ってのは治らないな。
 今時の女っぽい外見をしてるのに、実際には男慣れしていないというこのギャップは、からかう方に取ってはこの上ない代物だ。

「まぁ、冗談はともかくとしてだ」
『そういう冗談とか、やめてよね』

 多分に呆れの混じった言葉でそう告げてくるゆかりだったが、いつになったら耐性がつくのやら。
 ともあれ、と話を戻す。

「まぁ、それは置いといてだ。実際、この部屋を拠点にするってのはいいかもしれないな。ただ、かなり狭いぞ?」
『相談とかするだけなんだし、そんなに広くなくてもいいでしょ』
「ゆかりがいいならいいけど……で、話を戻すぞ。ついさっきその部屋にやって来たんだが、見事なまでに綺麗さっぱり荷物の類がない。そんな訳で家具とか家電とかを買う店を教える……いや、出来れば付き合って欲しいんだけど」
『うーん……部活があるけど、それが終わってからならいいわよ? 終わったら電話するから迎えに来て』
「分かった。なら、それで」
『いい? くれぐれも……本っ当に、く・れ・ぐ・れ・も、校門の前で待ってたりとかはしないでよ? 今日は凄い大変だったんだから』
「思春期ってのは、そういうもんだろ」
『あのねぇ、アクセルがそういう事を言っても似合わないわよ』
「そうか?」

 まぁ、外見年齢では10代半ば、中3か高1くらいで、ゆかりと同い年か年下にしか見えないしな。
 そう考えれば、ゆかりの言いたい事も分からないではない。

『そうよ。……とにか、アクセルはちょっと待ってて頂戴。それか、何か適当に必要な物があれば買ってもいいんじゃない?』
「いや、折角だしゆかりと一緒に買いに行くよ」
『そう? まぁ、それならそれでいいけど……いい? 最後にもう1回言うけど、くれぐれも校門前で待ち伏せとか止めてよね』

 これは、押すな、押すなよ? とか、そういう感じか?
 いや、違うか。ゆかりの性格を考えれば、本気で言ってる可能性が高い。
 ……だからこそ、からかう意味も込めてそうした方が面白くなる、か。
 ゆかりとの関係はそれなりに良好だが、これから一緒に塔を攻略していく上でよりお互いを信頼しておく必要がある。
 である以上、ここはやっぱり行動に出るべきだろう。
 そう判断し、影のゲートに身体を沈めていく。
 影から出ると、そこは既に月光館学園の近くだった。
 そのまま月光館学園の方に向かうと、途中で何人もの学生達とすれ違う。
 もう最後の授業が終わってからそれなりに時間が経っているのだろうが、それでも意外と皆学校が終わってすぐに帰るという訳ではないらしい。
 部活をやってる生徒もいれば、ただ放課後の教室に残って友人と喋っている生徒もいる。
 中には体育館倉庫とか屋上とか使っていない教室とかで、恋人とイチャついたり……見つかれば停学や退学になる行為をしている者とかもいる可能性はある。

「ねぇ、ちょっとあの人ってもしかして昨日ネットで噂になってた……」
「ああ、1年生の中でも人気のある人の恋人だっけ? 失恋残念スレが立ったとかいう」
「そうそう、今朝ネットを見たら、15スレまで進んでたわよ?」
「……何でそんなに進むのよ? 一体何があったの? いやまぁ、結構格好いいとは思うけど」
「男の嫉妬ってのは、見苦しいのよ。それこそ格好いいからこそ嫉妬で身を焦がすんでしょ」

 二人の女がそんな会話をしながら、歩いていく。
 本人達は小声で話しているつもりなんだろうが、生憎と俺は混沌精霊だ。
 この程度であれば、当然のように全てを聞き取る事が出来る。……出来て、しまう。
 にしても、今の話を聞く限りだと、ゆかりって俺が予想していた以上に男に人気らしい。
 実際こうしてみても、すれ違う何人かから嫉妬の籠もった視線を向けられているのだから、その気持ちも分からないではないのだが。

「ちょっといいか?」

 月光館学園目指して歩いていると、不意にそんな声を掛けられる。
 声のした方を見ると、そこには3人の男。
 ……ただし、最初は俺に喧嘩を売ってくるのかと思ったんだが、こうして見る限りでは違うらしい。
 ポートアイランド駅の裏側にいるような、いかにもって感じの不良ではなく、いたって普通の男達がそこにはいたのだ。
 いや、普通の男であっても喧嘩を売ってくるような相手ではないと断言は出来ないんだが。
 ただ、俺の外見は10代半ばだ。
 基本的に普通の……相手の強さを見抜くような者が殆どいないこの世界では、俺の姿を見て、大人数で囲めば大丈夫だと、そう思った者がいてもおかしくはなかった。

「何だ? こっちはちょっと用件があって色々と忙しいんだが」

 敢えてぶっきらぼうにそう告げるが、向こうから返ってきたのは予想外に申し訳なさそうな態度。

「あ、ああ。ごめんな。ただ、ちょっと聞きたい事があったんだよ」

 どうやら特に喧嘩を売ってきているのではないと判断し、小さく溜息を吐いてから改めて口を開く。

「それで? 俺に用件ってのは?」
「君が、岳羽ゆかりさんと付き合っているという話が学校の中に広がっているんだけど、それは本当かな?」

 どうやら、さっきの女が言っていたゆかりのスレが云々って話は出任せとかそういうのじゃなかったらしい。
 俺に話し掛けてきた奴以外の連中も、俺が何と言うのかをじっと待っている。
 ……それどころか、帰る途中に俺の近くを通った奴も興味深そうにこっちに視線を向けていた。
 そんな視線を向けられながら、俺はどう答えたものかと考える。
 そして俺が何故この月光館学園にやって来たのかを考えると、ここで俺が口にすべき答えは1つしかないだろう。

「俺とゆかりが付き合ってるのかどうかはともかく……そうだな、夜に一緒にいた仲であるのは間違いない」

 その一言がもたらした効果は、絶大だった。
 何と言えばいいのか、顔色が急速に青く、もしくは白くなっていくのを目の前にした感じか。
 まさしくそのままといった感じの表現だが。
 だが、そういう表現が相応しい光景だったのは間違いない。
 特に俺の前にいる3人はその傾向が強かった。
 ……そこまでゆかりに好意を抱いていたのか?
 ただ、ゆかりの性格を考えれば、男に対して一線を引いてるように見える。
 ある程度の距離までは誰とでも仲良くなるが、一線は絶対に越えさせないような。
 まぁ、俺の場合は事情が事情なのであっさりとその一線を超えてしまったが。
 ともあれ、ゆかりは普通の相手に対してはそんな感じの対応をしている。
 この男達がそれを理解しているのかどうかは分からないが、それでもゆかりを好きな男達にしてみれば、夜に一緒にいたというのは衝撃的な一言だろう。
 一晩をすごしたって言ってもいいし、それも間違いではないんだが……そこまで言うのは少し可愛そうだと、そう思ってしまった俺は、何だかんだと甘いんだろう。

「さて、用件は済んだな? じゃあ、俺はゆかりと待ち合わせがあるから行くぞ」

 そう告げると、男達はショックを受けた様子で動きを止め……更に周囲で俺と男達の話に耳を傾けていた者達も動きを止めているのを背に、その場を後にする。
 ネット経由、もしくは噂話経由……色々と情報が流れる伝手はあるが、今回の件は間違いなく色々と伝わるだろう。
 他の者達をその場に残しているのだが、どうせすぐにまた動き出すだろう。
 今日のネットもかなり騒がしい事になりそうだな。
 月光館学園に向かって進んでいると、ふと見覚えのある顔が歩いているのを見かける。

「よう」
「ん? おお、えっと……アクセルだっけ? ゆかりッチから聞いてるよ」

 俺の言葉にそう手を上げて返事をしたのは、俺がこの世界に来た時に初めて遭遇し、月光館学園の前でも会った……伊織順平とかいう名前の相手だった。

「そっちは伊織だったよな?」
「ああ。……にしても、アクセルがこうして学校の前まで来るって事は、もしかしてゆかりッチの迎えか? かなりモテるのに、恋人を作らない事で有名だったってのに、一度彼氏が出来ると、かなり積極的なんだな」

 どうやら伊織も俺とゆかりが付き合っているという情報は得ているらしい。
 ……まぁ、迎えに来ているところで遭遇したんだし、その辺は特に不思議でも何でもないか。

「どうだろうな。まぁ、俺とゆかりが色々と特殊な関係なのは間違いないな」
「ひゅーっ! 堂々と惚気ちゃって。あー、俺ッチも恋人欲しいな」
「なら、作ればいいだろ」
「……あのなぁ、恋人を作ろうと思っても、そう簡単に作れる筈がないだろ」
「そうか?」

 俺の場合は恋人を作ろうと思って作った訳じゃなくて、自然とそういう関係になっていたというのが正しい。
 勿論、俺の場合と伊織の場合では色々と違うというのは分かるのだが、それでも……

「恋人を作りたいなら、色々と行動した方がいいと思うけどな」
「だから、行動するっつっても、どうしろってんだよ」
「無難に考えれば、ナンパとかしてみたらどうだ?」

 ただ、伊織の場合はどちらかと言えば三枚目……や、三枚目半と呼んだ方がいいような性格をしている。
 髭とかも、人によっては嫌だと思う奴がいるだろう。

「ナ、ナ、ナ、ナンパ!? 俺ッチがナンパ!?」
「恋人を作りたいのなら、それが一番手っ取り早いと思うけどな」
「あー、ったく、自分は恋人がいるからって。ふん、まぁいいさ。俺ッチだって、そのうち恋人くらい……」

 何だか怒ってしまった伊織は、俺に恨めしげな……それでいて羨ましげな視線を向けると、そのまま去って行くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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