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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1761話

「は? 異世界人? 何言ってるのよ、いきなり」

 当然ながら、それが俺の正体を聞いたゆかりの反応だった。
 ……何だか新鮮に感じるのは、きっと俺の気のせいって訳じゃない。
 今まで俺の正体を話す時は、大抵が絶対的な証拠を見せてからのものだった。
 だからこそ、今こうしてゆかりが俺の話を信じないというのは、色々と新鮮なのだ。

「まぁ、そう言うとは思ってたよ。俺の国は世界と世界の狭間と呼ばれる場所にあって、そこから色々な世界と接触している。……ただ、丁度今日、最近接触した世界から本拠地に戻ろうとして、ゲート――転移システムの通称だな――を使ったら、何故かこの世界にやってきてたんだよ」
「……本気? 冗談?」

 これぞジト目といった様子で俺を見てくるゆかりだったが、やがて数秒の沈黙の後に小さく溜息を吐く。

「まぁ、アクセルが色々と妙な存在なのは、あのスライムもどきだっけ? それとの戦いで分かってたから、私からは何も言わないけど……」

 取りあえず完全に信じた訳ではないが、嘘や冗談だと切って捨てるような事もしないらしい。

「ああ、今はその認識でいい。この世界からも脱出は出来なくなってるんだしな」

 W世界の時と同じように、ゲートでホワイトスターと通信が出来ない。
 そうである以上、ゆかりを他の世界に連れていって、証明することは出来ないのだから。
 ……まぁ、空間倉庫の中に入っているニーズヘッグ、サラマンダー、ミロンガ改、そしてW世界で奪ってきた数々のMSといった物を見せれば、さすがに信じて貰えるとは思うが……そこまでやる必要性は感じられないのも事実だ。

「そう。……って、ちょっと待って。もしかして、本当にもしかしてだけど、あの妙な現象ってアクセルがこの世界にやってきたのが関係しているんじゃないでしょうね?」
「その可能性は皆無とは言わないが……それでも、多分違うな。どちらかと言えば、あの現象があるからこそ、俺がこの世界に呼び寄せられたって方が可能性は高いと思う」

 何が原因で俺がこの世界にやって来たのかは分からないが、それでも俺が来た事が原因でこのような事になっているというのは、違うと思う。
 勿論それは、恐らくあの現象がこの世界の原作に関わるからだろうが……それを言う訳にもいかないしな。

「……そうなの?」
「恐らくだが、間違いない」

 今まで幾つもの世界と接触してきた俺だが、俺が原因となって何かの騒動が起きたという事はない。
 勿論その現象に俺が関与して、結果として原作の流れと大きく異なるというのはあったが。
 ああ、でも原作知識がない世界の事を考えれば、俺という存在によってそうなったのかどうかは、分からないな。
 その辺りは要検証だが……ともあれ、今はゆかりとの話だ。

「何でそう言い切れるのかは分からないけど……まぁ、いいわ。一応信じておいてあげる。今となっては、一蓮托生の相手だし」
「そうしておいてくれれば、こっちも助かるよ」

 そもそもの話、ゆかりはスライムもどきに襲われていたのを見た感じ、戦闘の心得というものはない。……いや、この世界で戦闘の心得のある奴がそう多くいるとは思えないが。少なくても日本には。
 ああ、でも何かの武道をやってるような動き方ではあったな。
 そういう意味では、鍛え方次第ではどうにかなるか?

「それで、早速だけど……あの現象の正体は何だと思う?」
「そうだな……俺にもそれは分からない。分からないが……何らかの手がかりがあると思われる場所の予想は出来る」
「どこ?」
「気がつかなかったか? 世界があの現象に包まれた時、基本的に世界そのものの形は変わっていなかった。だが……1ヶ所だけ、城や塔といった感じに姿を変えた場所があったんだが」
「……どこ?」

 どうやらゆかりはあの妙な建造物の存在に気がつかなかったらしい。
 あー……でも、普通の人間だと考えれば、寧ろそれは当然なのか。
 一般的な女子高生が、いきなりファンタジーに取り込まれたのだ。
 普通であれば、戸惑ってしまうのは当然だろう

「場所は……そうだな、えっと……あっちの方だ」

 俺が見た建造物の方向を指さす。
 あれから色々と動き回ったから、確実にという訳じゃないが、それでも恐らく間違いはないだろう方向。

「月光館学園の方?」

 どうやら覚えがあったらしく、ゆかりが小さく呟く。
 月光館学園。確か、ゆかりが通っている高校だったよな。
 まぁ、本当に学校があの妙な建造物になっているとは限らないが、それでもゆかりがこの世界の原作に登場していたのだと考えれば、意外と高校が妙な建造物に変わるというのは、分からないでもない。

「俺はその月光館学園を知らないから何とも言えないけどな。ただ、あの建造物だけ、あからさまに姿を変えていた。だとすれば、間違いなくあの現象に関係している筈だ。また今度あの現象に取り込まれたら、ちょっと顔を出してみるつもりだけど……」
「私も行く」

 俺の言葉に、ゆかりは即座にそう告げてくる。
 正直なところ、『はぁ?』というのが、俺の正直な気持ちだった。

「本気で言ってるのか? あのスライムもどきを相手にしてすら、逃げる事しか出来なかったんだろ? それなのに、あんな未知の場所に行ったからって、お前に何が出来るんだよ?」
「それは……けど、別にその場所に敵がいるって決まった訳じゃないでしょ? なら……」
「あのな、あの現象に対して何らかの手がかりがあるような場所だぞ? 間違いなく何かあるのは分かってるだろ」

 それこそ、あのスライムもどきよりも更に強力な存在がいても、何もおかしくはない。
 あのスライムもどきが雑魚だからこそあの妙な場所から出てきたのか、それともあのスライムもどきが単独でどうとでも出来るから出てきたのかでも事情は大きく変わってくるが、どちらかと言えば前者の可能性が高いと思っている。
 何しろ、使ったのがゲイ・ボルグであっても、少し触れただけで身体全体が弾け飛ぶようにして散っていったのだから。
 とてもではないが強敵だとは呼べないだろう。
 そんな雑魚相手に悲鳴を上げながら逃げ続けていたゆかりが、どうしてあの建物……敵の巣窟になっている可能性が高いであろう場所に行こうとするのか。

「でも、行くわ」
「あのな……別にお前が無理をして行く必要はないだろ? あの現象がどうなっているのか、それを確認するだけなら、俺だけでいい。いや、寧ろ戦えないお前は邪魔で、足手纏いだ」

 こうして断言するのは、ゆかりにとってもショックだろう。
 だが、このまま妙な考えであの建物に向かい、結果として犬死にするというのは、俺としても避けたい。

「嫌なのよ」
「何がだ?」

 何故か急に嫌だと言い出したゆかりの言葉に、疑問を持つ。
 何が嫌なのか、それが分からなかった為だ。

「……人に、男に頼って、自分は安全な場所でただ待ってるなんて生き方」

 そう告げたゆかりの言葉は小さい。小さいが……そこにはこれ以上ない程の鬱屈した感情が込められている。
 これは、何を言っても無駄だな。
 この状況の相手に、まともに話が通じるとは思えない。
 かといって、ここで別れて俺だけ別行動……って感じになると、ゆかりは確実に自分だけで動く。

「あー……そうだな。今日あの奇妙な状況になったけど、また同じような事になるとも限らないだろ? なら、一旦様子を見るってのはどうだ?」

 取りあえずそう誤魔化す。
 実際、今日あの現象が起きたからといって、明日以降も同じような現象が起こるとは限らないのだ。
 であれば、ここでゆかりを無理に引っ張っていく必要もない訳で……

「そう言って、自分だけで行くつもりでしょ?」
「そんな訳ないだろ。そもそも、あの現象がまた起きるかどうか分からないんだから。今日だけが偶然……って可能性もあるだろ?」

 そう告げるも、ゆかりが俺を見る目に信用の色はない。
 寧ろ、疑惑だらけと言ってもいいだろう。
 ……実際、この世界の原作を知らない俺だが、それでも多分今日だけであの現象が終わるとは、とても思ってないのだが。

「それもそうね」

 ……お? 実は説得出来るか?
 そんな思いを抱いたのだが、それが甘い考えだったというのは、ゆかりの次の言葉で判明する。

「分かったわ。じゃあ、アクセルは今日ここに……その、と、と、と……泊まりなさい!」
「はぁ?」

 顔を真っ赤にし、口籠もりながらそう告げるゆかりに、思わずそう言葉を返す。
 元々男慣れしていないゆかりだ。
 そのゆかりが、自分の部屋に男を泊めようとしているのだから、それは顔を真っ赤にもするだろう。
 それでも……そう、それでもゆかりが自分の言葉を撤回する様子はない。

「そもそも、アクセルは今夜どうするつもりだったのよ? 異世界からこの世界に来たってのが本当なら、この世界のお金は持ってないでしょ?」
「いや? 持ってるけど」

 そう言い、財布から1000円札を取り出す。
 そこにある1000円札は、この世界で使われている物と一緒だ。
 そもそも、ファミレスでの支払いにもこの札……ネギま世界の金を使ったのだから、当然だろう。
 もっとも、この金を使えるのはネギま世界以外だとここくらいだ。
 他の世界はどこも独自の金があったりするんだよな。
 そう考えれば、俺がやって来たのがこの世界だというのは、運がよかった……と言ってもいいのだろう。
 まぁ、折角恋人達とのゆっくりとした時間をすごし、義理の娘と親子の時間をすごす予定が、いきなり全く見知らぬ世界に飛ばされた時点で、とてもではないが運がいいとは言えないだろうが。
 こういうのを、不幸中の幸いって言うんだろうな。
 ……まぁ、この世界で使える金ではあっても、一応この世界の金じゃない。
 だとすれば、厳密にはこの金を使うというのは犯罪かもしれないが。

「どこで手に入れたの? もしかして……」
「別に犯罪はしてないぞ」

 疑わしい視線を向けてくるゆかりに対し、そう告げる。
 実際、俺がこの世界に来てからは、この金を使った以外の犯罪はしていない。
 ゆかりをナンパしようとしていた男達を追い払ったのは、犯罪じゃない……よな?

「じゃあ、どうやってこのお金を手に入れたの?」
「さっきも言ったとおり、俺の国は様々な世界と接触している。である以上、当然のようにこの世界と似た場所もある」

 正確には魔法とかがある世界なんだが……今はいいだろう。

「それに、いざとなれば……」

 次に空間倉庫から取り出したのは、真っ赤なルビー。
 ただし、指輪につけるには少し無理があるのでは? と思える程の大きさのルビーだが。
 宝石が幾らくらいで取引されているのかの相場は分からないが、それでもかなりの金額になるのは間違いない。
 ……もっとも、これを店に売るなりなんなりするには、当然のように身分証が必要になる。
 それをクリアするには、安くなるのを承知の上で裏の……後ろめたい事がある者達用の店を探すか、もしくは身分証を持っている奴に頼んで売って貰う必要がある。
 どちらが楽かと言えば、圧倒的に後者だろう。
 普通であれば、それこそもしかして盗んだ物なのでは? と頼まれた奴が心配するかもしれないが、これは正真正銘俺の物だ。
 後から、実は警察から連絡が……何て事は、まずあり得ない。
 それに、ゆかりに絡んでいた奴の話で、ポートアイランド駅の裏路地だったか? そこにはいわゆる、不良の類が集まってきているらしいし。
 そいつらに頼めば、こちらとしても殆ど手を汚すような事もないまま、金を得る事が出来る。
 ……まぁ、その代わりに不良達にも幾らか払う必要は出てくるだろうが。
 その辺りは、こっちで適当に調整するしかないだろう。
 もっとも、不良達にとってはいい金稼ぎの手段……という風に考えるだろうけど。
 ただ、ああいう不良は強いと偉いがイコールで結ばれてるからな。
 勿論余程の事情があれば話は別だが。
 それこそ、何の理由もなく仲間を殴る……といった者であれば、誰も仲間になったりはしないだろうけど。
 だが、そのような性格であっても、どうしても強さというものに憧れる奴はいる。
 そうなると、やはりというか当然というか……大多数には見捨てられても、少人数の熱狂的な支持者は生まれる事になる。

「ねぇ、それで……どうなのよ?」

 考え事に熱中していると、ゆかりがそんな俺の様子に気がついたのだろう。
 ジト目を向けながら、そう尋ねてくる。

「どうって……さっきも言ったけど、これは犯罪じゃない。それは確実だ」
「それは……でも、私は嫌なのよ。人に……特にその、男だけに頼るというのは……」

 何故か俺の方を見ながら、そう呟くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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