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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1760話

「そう言えば、自己紹介もまだしてなかったわね。……あれだけ色々と一緒に騒動に巻き込まれたのに」

 女の住んでいる家に向かっている途中、唐突にそう話し掛けてくる。
 これだけ男慣れしていないのを考えれば、恐らく男を自分の家に招待するのも初めてなのだろう。
 その気まずい沈黙をどうにかする為に話し掛けてきたのか?

「そうだったな。……何か、本当に今更って感じがするけど……俺はアクセル。アクセル・アルマーだ」
「アクセル、ね。見た目で分かってたけど、やっぱり外国人なんだ。魔法使いだし」
「まぁ、そうだな」

 正確には異世界人なんだが……その辺りについての話は、また後でいいだろう。

「私は岳羽ゆかり。16歳よ。アクセルは何歳? 見た感じ、私よりもちょっと下といったところかしら?」
「あー……そうだな。まぁ、そういう事にしておく」

 この世界に来た時から10代半ばのままだ。
 外見を変える事が出来るかどうか、後でしっかりとチェックしておいた方がいいだろう。
 この世界にやってきたのが完全にイレギュラーである以上、そんな可能性は十分にある。
 ……混沌精霊としての姿を見せたら、どう思うか。
 それが少し気になったが、とりあえず今はその話はいいだろう。

「まぁ、同い年くらいだと思って貰えばいいさ」
「……本当に? 何だか、微妙に信用出来ないんだけど」
「年齢に比べて外見が似合っていないとは、よく言われる」

 実際、今の俺は10歳くらいになる事も出来る。
 そうなれば、幾ら何でも年齢に見合わないと言ってもいいだろう。

「ふーん。……あ、言っておくけど私の部屋に入れたからって、変な事を考えないでよ? もしそんな真似をしたら大きな声を出すんだから」
「……そんな真似をするように思えるか?」

 女好きというのは、既に覆せない状況にあるので何とも言えないが、それでも相手を襲うように思われているのであれば、それは少し面白くない。

「うーん……どうかしら。多分? 恐らく? うん、大丈夫だとは思うけどね」
「微妙に信用がないな」
「いや、だってそもそも、会ったばかりの人をすぐに信じられると思う?」

 そう言われれば、俺としても答えは否と言うしかない。
 特に男慣れしている様子のない女……岳羽では、その辺は当然だろう。

「まぁ、岳羽がどう思おうと、こっちにそのつもりがなければ意味はないんだけどな」
「……ゆかり」
「うん?」
「ゆかりって呼んでくれる?」

 そう告げた岳羽……いや、ゆかりだったが、それは別に俺に好意を抱いているからという訳ではないのは、こちらを見る視線から明らかだ。

「岳羽って名字、あまり好きじゃないのよね。……だから、ゆかりって呼んでくれる?」
「あー……分かった」

 こうして見る限り、ゆかりも何らかの事情を持っているのは間違いない、か。
 いや、そもそもあの奇妙な空間に巻き込まれている時点で、何らかの事情があるのは明らかなのだが。
 大抵こういう時に巻き込まれた原因というのは……自分に流れている血とか、そういうのが関係あったりするんだよな。
 勿論、何かの切っ掛けで唐突に力を手に入れた……という可能性も、ないではないのだが。
 そう考えれば、家に何かがあってもおかしくはない。

「そうだな、じゃあ俺がお前をゆかりと呼ぶから、お前は俺をアクセルと呼んでもいいぞ」
「ちょっと、呼び捨て? 年下なんだから、せめてさん付けくらいはしなさいよね」
「言っただろ? 俺はこう見えてゆかりと同い年くらいだって」
「……それを信じろっての?」
「その辺は好きにすればいいさ。お前がどう考えても、こっちには関係ないし」
「ふーん。……分かったわよ、好きにすれば」

 若干不満そうにしながらも、ゆかりは一応俺を信じる事に決めたらしい。
 こっちとしては、出来ればゆかりとは友好的な関係を築きたいところだ。
 向こうにとっても、俺という存在はあの空間を知っているだけに親しくしておきたいと考えてもおかしくはないだろう。
 特にあの空間には、俺が戦ったスライムもどきが他にもいる可能性は十分にある。
 そうである以上、ゆかりは戦力を必要としている筈だ。
 ……まぁ、実際にはあの空間に捕らわれたのが今回だけで、もう2度とあの空間に関わらないという可能性も……ない訳ではない。

「まぁ、そんな事があるとは思えないが」
「うん? どうしたの?」
「いや、何でもない。……それで、ゆかりの家は遠いのか?」
「え? 家? ……まぁ、家と言えば家だけど……正確には寮よ? 月光館学園の」
「月光館学園?」
「そ。私が通ってる高校。寮があるのよ。で、私はその寮から通ってる訳」
「……なるほど」

 まぁ、確かに自分の家に呼ぶよりは、寮の部屋に呼ぶ方が抵抗は少ないか。

「うん? 一応聞いておくけど、その寮って個室だよな? 相部屋だったりしたら、俺がお前の部屋にいるのを見られるぞ?」
「大丈夫よ、個室だから。……それに、アクセルは空を飛べるんでしょ? なら、別に寮に入る時は普通に玄関から入らなくても、窓から入ればいいじゃない。そもそも、最初から私はそのつもりだったんだけど」
「……マジか」
「当然でしょ。私が住んでるのは女子寮なのよ? そんな場所に男を連れて入れると思う?」
「その辺の否定は難しいな」

 そう言いながらも、俺ならその辺はどうとでもなる。
 気配遮断を使えば……あー……いや、女子寮って事は、玄関とかに防犯カメラの類が仕掛けられてても不思議じゃない。
 そして俺の気配遮断は、生身の人間なら問題ないのだが、機械の類いを通すと無意味になる。
 だとすれば、影の転移魔法か?
 これが一番無難だろう。
 ゆかりは、既に俺が魔法使いだと知っている。
 いや、正確には魔法使いと口にした訳ではないが、それでも魔法らしい超常現象を目にしている。
 だからこそ、ゆかりは俺が魔法を使っても、特に驚いたりといった事はしないだろう。

「ほら、見て」

 暫く無言の中で歩いていると、不意にゆかりがそんな風に話し掛けてくる。
 本当は色々と話したいことがあるのだろうが、ゆかりにとっては今それを口にするのは色々と気まずいのだろう。……もしくは、何か思うところがあるのか。
 ともあれ、こうして女子寮の前に到着した以上、行動に移した方がいいだろう。

「で、ゆかりの部屋はどこなんだ?」
「ほら、あそこ。……って言っても、ちょっと分かりにくいわね。いいわ、これから私は部屋に戻るから、電気が点いた部屋に来てちょうだい」

 こうして外から見る限りでは、既に結構な数の部屋の電気が消えている。
 時間的にもう午前1時は回ってるだろうし、そう考えればむしろ当然なんだろうけど。
 ……そんな時間帯に外に出てるゆかりが不良なんだよな。
 まぁ、外見と違って男慣れしていない、純情な性格だけど。

「ちょっと、何よその生暖かい視線は」
「いや、何でもない」

 どうやら、ゆかりをじっと見ていたのに気がついたらしい。
 まぁ、女は視線に敏感だって言うし、気がついてもおかしくはないか。

「……まぁ、いいわ。今はそういう事にしておいてあげる。じゃあ、ちょっとここで待っててね」

 若干不満そうではあったが、そう告げたゆかりはそのまま寮の中に入っていく。
 ……女子寮って聞くと秘密の花園的なイメージがあるけど、きっとそれは俺だけじゃないよな?
 もっとも、こうして見る限りでは女子寮であっても普通の建物にすぎない。
 ムウ辺りなら結構喜びそうな気もするが。
 いや、この場合は思春期真っ盛りのアウル達か?
 デュオも何となく喜びそうだが……五飛辺りは鼻で笑いそうだな。
 ともあれ、少し時間が経ち……やがて真っ暗になっていた部屋の電気が1つ点く。
 あそこか。
 素直に空を飛んでいってもいいんだが……一応寮って事で、まだ何人か起きている人物がいるのは、明かりの点いている部屋を見れば理解出来る。
 また、空を飛んでいる光景を通行人にでも見られれば、色々と不味いのも事実だ。
 そう考え、結局俺は予定通りに影のゲートを展開し、そのまま自分の影に沈み込んでいく。
 そうして影から出れば、そこは既にゆかりの部屋だった。

「きゅあっ! ちょっ、どこから出てくるのよ!」

 俺が空を飛んでくるのだとばかり思い込んでいたのだろう。気がつけばいきなり俺が部屋の中にいるという状況に、ゆかりの口から悲鳴が上がる。
 いやまぁ、その辺りは仕方がないのかもしれないが。

「さっきのあの棺桶の世界じゃないんだから、空を飛んでるのを人に見られると色々と大変だろ? 一応人通りとかは皆無って訳じゃないんだし」

 まぁ、夜にわざわざ上を見上げて歩くような奴がどれだけいるのかと言われれば、首を傾げざるを得ないのだが。
 だが、人間誰が何をしているのかというのは、分からない。
 それこそ、天体観測……とまではいかないが、普通に道を歩いていて星を見上げるといった行為をする可能性は十分にあるのだから。
 特に今この世界は2月で、空気が澄んでいて星が見えやすいと言われている冬だ。
 であれば、絶対に安心だとはとてもじゃないが言えないだろう。
 そう説明すると、ゆかりも不承不承ながら俺の言葉に納得する。

「それより、靴を脱いでよね」

 その言葉に頷き、靴を脱ぐ。
 ……普段であれば、この靴をどこに置くかでも色々と迷うところなのだろうが、幸いながらと言うべきか、俺には空間倉庫がある。
 土で部屋を汚すといった事はないまま、俺はゆかりの部屋に座る。
 女らしい……と言えば、らしいのだろう。
 ぬいぐるみが溢れる程にあったり、壁紙がピンクだったりといったことないが。
 ああ、でもよく考えればここは寮なんだから、ぬいぐるみはともかく、壁紙を変えるなんて事は出来ないのか。
 ……俺の知ってる限りだと、レモン達の部屋も特に女らしい部屋という訳ではない。
 そもそもレモン達は、普段からリビングで過ごしており、眠る時も俺と同じベッドだ。
 そう考えれば、女らしい部屋は……荷物置き場用の部屋とか?
 ルリやラピスの部屋は女らしい部屋にした方がいいと思うんだが。
 ちなみに、凛の部屋は当然のように女らしいとは言えない部屋だった

「ちょっと、あんまり見ないでよ」
「ん? ああ、悪い。……さて、それで何から話すか」
「そうね。……まずはっきりとさせておきましょう。アクセル、あんたはあの現象に心当たりは?」

 その辺りは今までのやりとりを見ていれば分かりそうなものだが、それは改めてといたところなのだろう。

「いや、全くない。そもそも……」

 一端言葉を止め、この先を言うかどうかを迷う。
 だが、ここで嘘を言って、それが後で嘘だと知られた時……そうなれば、俺はこの世界で唯一の協力者を失ってしまう。
 少なくても、現在俺と一緒にあの奇妙な現象の中で行動出来るのはゆかりしかいない以上、その選択肢は却下すべきだった。
 まぁ、将来的には他にも同じようにあの現象の中で動ける奴が出てくる可能性はあるが。
 いや、寧ろその可能性の方が高い。
 ここが漫画、小説、アニメ、ゲーム……そのどの世界の話なのかは分からないが、それでも何らかの世界である以上、徐々に仲間が集まってくるのはパターンと言ってもいい。
 ゆかりが主人公で、他の者達が仲間として集まってくるのか、それとも他に主人公がいて、ゆかりがそちらの仲間になるのかは分からないが、それでも人が集まる流れは間違いないと思う。
 ともあれ、将来的にそうなるだろうと予想は出来ても、W世界の時のように原作知識がある訳ではない以上、どう転ぶかは分からない。
 ……俺に原作知識がないというのは、痛いよな。
 果たして、元々俺はこの世界の事を何も知らなかったのか、それとも以前幾つかのガンダム世界の原作知識以外を忘れてしまった時に、この世界の内容も忘れさせられたのか。
 色々思うところはあれど、今更それを考えてもどうしようもない。
 ともあれ、今俺がやるべき事はゆかりの信頼を得て、しっかりと味方につける事だ。
 こうして話してみた感じ、ゆかりは一定の距離までは近づけても、それ以上は近づけさせないといった印象を受ける。
 そんな人物だけに、余計にここで嘘を言うのは色々と不味い。
 やはりここで正直に打ち明けておいた方がいいだろう。
 それをゆかりが信じないのであれば、それはそれでいい。
 だが、あの妙な現象を体験し、俺が魔法を使ったり宝具を使ったりといったところを見ているのだから、信じない訳はないと思う。

「アクセル? どうしたのよ?」
「ああ、そうだな。こう言って信じるのかどうかは分からないが……俺は、この世界の人間じゃない。いわゆる、異世界や平行世界。そんな場所からやってきた人間だ。俺がさっき言った迷子ってのも、本当の意味の迷子じゃなくて、自分の世界に戻る方法が分からないって意味での迷子なんだよ」

 そう、告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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