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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十五話 長崎へその十一

「そうなっています」
「そこが裕子さんの実家なんですね」
「そして私もお付き合いで」
 早百合さんも言ってきた。
「一緒にいてです」
「長崎をですか」
「回っています」
「長崎お好きですか」
「ハウステンボスは実はです」
 早百合さんは僕達が今いるこの場所についてこうも言った。
「八条荘に入る前に回っていまして」
「だからですか」
「はい、今回はこちらよりもです」
「長崎ですか」
「そう思っていまして」
 だからだというのだ。
「裕子さんに同行しています」
「そうですか」
「裕子さんの実家にもお邪魔しています」
 そちらにもというのだ。
「そうもしています」
「そうなんですね」
「長崎はいい場所ですね」 
 にこりとしてだ、早百合さんはこうも言った。
「本当に」
「確かにそうですね」
 僕も否定しなかった、長崎がどうした場所か知っているだけに。
「あちらも」
「ハウステンボスは夜に回っていますし」
「今回はそれで、ですか」
「十分なので」
「それで、ですか」
「長崎を優先しています」 
 そうして回っているというのだ。
「その様に」
「それじゃあ」
「はい、義和さんも今日はですね」
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「奥さんもご一緒でして」 
 裕子さんは護衛役も兼ねている畑中さんの奥さんのことも話してくれた。
「もうすぐこちらに来られます」
「そうなんですか」
「では四人揃いましたら」
「駅まで行ってですね」
「あちらに行きましょう」
 その長崎にというのだ。
「是非」
「じゃあ奥さんが来るまで」
 待ちましょうとだ、僕がそこまで言おうとした時にだ。
 その奥さんが来てだ、僕達に言ってきた。
「遅れて申し訳ありません」
「いえ、遅れてなんか」
 いないとだ、僕は奥さんに少し驚いた口調になって応えた。
「とても」
「だといいですが」
「はい、本当に」
 このことは確かな声で言った。
「ないですから」
「だといいのですが」
「あと今日は僕も」
「主人から聞いています」
 僕のことはというのだ。 
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