夢幻水滸伝
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第十二話 西の動きその十三
「一時ではおじゃっても」
「あの二人呼ぶんか」
「あちらの事情次第でおじゃるが」
「三対一にするか」
「そうでおじゃる、では」
早速だ、夏目は貝殻を出してすぐに向こうの相手に声をかけた。
「麿でおじゃるが」
「あっ、夏目さんですか」
出たのは佐藤兄の声だった。
「用事ですか」
「こっちに来られるでおじゃるか?」
「はい、今は」
「では宜しく頼めるでおじゃるか」
「場所は何処ですか?」
「播磨と備前の境でおじゃる」
夏目は場所のことも話した。
「それで香菜ちゃんもでおじゃる」
「わかりました、親分にも連絡しときます」
彼等の直接の主である芥川にもというのだ。
「それですぐにそっちに行きます」
「転移の術でおじゃるな」
「道具使って行きますわ」
「では二人で」
「はい、妹は状況次第ですけど」
妹が受け持っている場所のだ。
「二人行けましたら」
「頼むでおじゃるよ」
「すぐに行きます」
佐藤兄はこう答えてだ、そしてだった。
すぐにだ、彼は妹と共に夏目達の前に来た。そうして二人で自分達の目の前を見てから夏目に言った。
「僕等あれですか」
「井伏さんか山本さんのどっちかをですか」
「山本氏を頼むでおじゃる」
彼をというのだ。
「麿は井伏氏に向かうある」
「そして中原さんが軍の采配を執る」
「そうなりますか」
「まあ采配の方は出来るからな」
その中原の言葉だ。
「任せてくれるか」
「頼むでおじゃる」
「とはいって砲撃と銃撃メインでな」
中原は自分の采配のことも話した。
「それでや」
「攻めはでおじゃるな」
「わし出来んけど」
「充分でおじゃるよ」
それでとだ、夏目は中原に笑って答えた。
「どんどん撃って欲しいでおじゃる」
「それでええんか」
「敵の星を封じてでおじゃる」
そしてというのだ。
「兵も減らす」
「それがやな」
「この世界の戦い方の一つでおじゃるからな」
だからだというのだ。
「充分でおじゃる」
「そやねんな」
「そうでおじゃるよ」
中原に温和な顔で話した。
「それで頼むでおじゃる」
「わかったわ、ほなな」
「砲撃、そして銃撃を続けるでおじゃる」
このままというのだ。
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