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ソードアート・オンライン~白と青の軌跡~

作者:叶愛
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終わらないゲーム

 
前書き
遅くなりました…
今回は第三者視点! 

 
茅場晶彦……ヒースクリフをキリトが倒した。

だが、デスゲームは終わっていない。

その場で事の全てを見ていた攻略組は訳が分からなかった。

目の前で黒の剣士が、首謀者を倒したのに。

「何で…だ…?」

クラインが代表するかのように呟いた。

「今…確かに…ヒースクリフ…いや、茅場晶彦を倒したはずだろ…?」

エギルも続いて動揺している。

「………何が起きて……。」

誰も状況が理解出来ず動揺している中、ライア1人が出口に向かって歩き出した。

「ライ……!」

「………。」

キリトに名前を呼ばれた事によって、黙って後ろに振り向きながらライアは剣を鞘に戻す。

「どこに行く気なんだ…?」

「………少し、一人になりたいんだ……」

キリトは今の状況にライアも動揺していると思い、剣を鞘に戻してから話した。

「ライ……。」

ライアは攻略組に向き直ってから一言呟いた。

「……怖い思いをさせて済まなかった、僕はこれで失礼する……。」

攻略組のメンバーは言いたいことを飲み込んで、黙っていた。

ライアはコツコツと1人、アクティベートに向かった。

「追いかけ……なきゃ……。」

アスナはライアの背中を見て必死に身体を動かそうとした。

だが、ヒースクリフが消えた今でも麻痺は消えていない。

「何が、どうなってるんだよ……」

キリトの呟きは、誰も返事が出来なかった。

この場にいる全員が思っている事だったから……。








75層でヒースクリフを倒してから約二ヶ月が経過した今、様々なトラブルが発生していた。

まず一つ目が75層以下の層に転移することが出来なくなった事。

二つ目、一部のスキル熟練度が0になったこと。

そして最後に………。

「新たなユニークスキルの発見……か。」

キリトは新聞を読みながら呟いた。

今までで発見されているユニークスキルは計6個。

1、黒の剣士であるキリトの『二刀流』

2、今は亡きヒースクリフの『神聖剣』

3、青の剣士であるライアの『一刀流』

4、閃光と呼ばれるアスナの『神速剣』

5、バグにより途中参戦したシノンの『射撃』

そして、最後の六つ目が────

「………暗殺術。」

迷宮区でライアはウィンドウを閉じながら、呟いた。

現在の最前線は88層。

ライアは1人、レベリングをしていた。

「そろそろ……か。」

そう呟くと後ろから声をかけられた。

「あお……じゃなくてライア、アンタここで何してるの?」

青色のマフラーをして弓を装備している少女、シノン。

「別に、ただのレベリング。それよりも君だって、どうして1人なのさ。」

「私だってもう一人で戦えるわよ。」

シノンが参戦したのは75層。

現在では以上の速さでレベリングをした事で、ソロプレイが可能なまでになった。

現実ではライアが東北に住んでいる時にお隣さんでもあり、あの事件でライアが救った中の一人でもある。

そして、もう1人シノンの後ろに現れた。

「し、シノンさん…私を置いていかないで…下さいよ…!」

「あ…ごめんなさい、リーファ。」

リーファ、彼女もシノンと同じく75層からの参戦。

リアルではキリトの妹らしく、剣道で全中ベスト8という実力の持ち主。

「はぁ……そろそろ帰りな、夜のダンジョンは危ないから。」

そう言って、ライアは歩き出した。

「いつまでアスナ達から離れるつもり?」

シノンの質問にライアは歩く足を止める。

「………終わる時まで。」

そう、ライアは75層以来アスナやキリト達と会っていなかった。

連絡も取らず、ダンジョンに篭っている。

攻略の時でさえソロで参加していた。

「ライアさん……。」

「キリト達をよろしくな、2人とも。」

キリトとアスナが作ったギルド『疾風迅雷』に所属している2人が、リズを除いた唯一のライアと交流がある人物でも会ったため、ライアはそう言ってから再び歩き出した。

「………ばか。」

「シノンさん、どうします…?」

シノンは溜息混じりに文句を言いつつ、リーファに答えた。

「……もう少し、様子を見ましょ。」

2人はギルドホームに戻った。









ギルドホームに戻ると、アスナがソファに座って考え事をしていた。

「ただいま、アスナ。」

「アスナさん、大丈夫ですか?」

アスナは急に話しかけられたことによって驚いたが、すぐに笑顔で返事をした。

「おかえりなさい、シノのん。リーファちゃん、大丈夫だよ。」

「ライアの事かしら?」

「……!?」

アスナは自分が考えていることがシノンに当てられたため、驚いた。

「図星……みたいね。」

「うん……、あれから会ってないから……。 」

アスナは二人に心配かけまいと笑った。

「(………また無理して、幼馴染みらしいけど案外似たもの同士なのね。)」

シノンは先程あったライアの表情と、今のアスナの表情が同じだった事でそう感じていた。

「さて、ご飯にしましょ!私作るからシノのん手伝って!」

「分かったわ、リーファはキリト達を呼んできてくれる?」

「了解です!」

そうして夕食を食べた。



デスゲームが終わる日まで……残り10日。 
 

 
後書き
そろそろアインクラッドは終わりになります。
夏休みにも期末が終われば入るので更新スピードが変わると思うので、もう少しお待ちください!
では、また次回! 
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