ソードアート・オンライン~白と青の軌跡~
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剣で語れ
前書き
遅くなりました…
書けてはいたんですが、更新出来るほどではなかったので現在に……w
では、本編へ!アスナ視点です!
「14人……」
エギルさんがそう言った。
その瞬間、私やキリトくんを含めた攻略組全員が言葉を失った。
まだ25層もあるのに、14人の攻略組を無くした。
失ってしまった物が余りにも大きかった。
エギルさんとクラインさんは仰向けに地面に倒れて、絶望の表情で休んでいて、キリトくんは私の近くで座って剣を抱えていた。
ライくんは壁に寄っかかって目を瞑っている。
「……キリトくん?」
隣で剣を握り、覚悟を決めたような顔でいきなり走り出した。
血盟騎士団の団長、ヒースクリフさんに剣を向けて。
「!?」
バキン
ヒースクリフさんは、いきなりのキリトくんの行動に驚いて剣が刺さる……はずだった。
「え……不死属性…?」
血盟騎士団の副団長が呟いた。
その呟きにつれて、ざわざわと攻略組が騒ぎ出す。
「これは……さすがの私も予想外だよキリトくん。」
「嫌なシナリオだな、最強プレイヤーがラスボスなのは。茅場晶彦!」
"茅場晶彦"
ソードアート・オンラインを作った張本人であり、首謀者。
「そうだ、私が茅場晶彦だ。良く気づいたね、教えてもらえないか?」
キリトくんはニヤリと笑ってから大声で話し始めた。
「まず、おかしいと思ったのはアンタが攻略する場面を滅多に見なかった事とHPが減らないってのが気になったのさ。」
「ほう……、殆ど感というわけだね?」
「まぁ、ぶっちゃけそうだな。」
ヒースクリフ、茅場晶彦はその返事を聞いた直後にウィンドウを操作した。
その瞬間、私達は麻痺状態となりその場に倒れた。
ヒースクリフとキリトくん、ライくんを除いて。
「おい…何でライは倒れてねぇーんだ…?」
「あぁ、彼は私が対象にしなかっただけだよ。」
そう言うとヒースクリフはキリトくんに話しかけた。
「君には褒美をあげないよう、私を見抜いたね。」
「褒美?」
「あぁ、彼と戦って彼に勝つ事が出来れば私とこの場で戦うことが出来、更に勝てばデスゲームクリアとしよう。」
「な!?」
「そ、そんなの無茶よ!」
「だが。」ヒースクリフはそう言うとまたウィンドウを操作した。
「これでは戦いづらいだろう、私の不死属性は今解除した。安心して戦うといい。」
「テメェなぁ!彼ってのは!?」
そう、あの人が言ってる彼とは─────
「何でライなんだ!」
キリトくんの反応にヒースクリフは若干笑ってから淡々と話した。
「まず、"二刀流"を持つプレイヤーは全プレイヤーの中で一番の反応速度を持ち魔王と戦う勇者に与えられる。しかし、10種類あるユニークスキルの中で一つだけが違った。」
私は彼のユニークスキルを思い出した。
「"一刀流"は唯一、その勇者の立ちはだかる壁となる事が出来るスキル。全プレイヤーの中で剣技と正確さが最も優れているプレイヤーに与えられる。」
「だから……」とヒースクリフの代わりにキリトくんが……
「"擬似二刀流"が可能なのか…!」
ヒースクリフは頷いて、ライくんの横を通り過ぎた。
「俺を殺せ、そうすれば全て終わるだろ?」
ライくんは剣を鞘に戻し、笑顔でいつも通りに言った。
「は…?」
「だから俺を刺せって、その剣で。」
「何言ってんだ…!俺はお前を……!」
キリトくんが反論した瞬間。
ビュッ
「え…?」
ライくんが剣を握り、キリトくんの頬に傷をつけた。
「それなら戦え、お前が死んでも知らないからな。」
「ライくん…!」
私は叫んだ。
──いつもの彼じゃない、違う違う違う!
「……。」
「ライくん……!」
私は泣いていた。
彼が、彼がこんな事を願うはずがない
彼はゆっくりと私に近づいてしゃがんでぼそっと言った。
「明日奈。」
「…!?」
「ユイって名前を覚えておいて。」
「え?」
「頼んだよ、明日奈。」
──あ……駄目……!
思っても身体は動かない。
そう言うと彼は立ち上がり、キリトくんに視線を向けた。
この時の彼は、昔の彼と同じだった気がした。
「……手加減はしないよ、相棒。」
「ライ……!」
そこからは目で追いつくので精一杯だった。
"一刀流のライア"と"二刀流のキリト"
青の剣士と黒の剣士の剣技はあまりにも凄まじかった。
細剣の早さが全然早くないと感じるかのような反応速度。
「くっ!?」
「これで終わりだ、キリト。」
ライくんはそう言うと、いつの間にか装備していたもう1本の剣を左手で抜き二刀流の構えをした。
「擬似二刀流か…!」
「"ソーゼルト・リバース"」
その言葉と同時に、キリトくんとライくんの位置が変わった。
「え…?」
攻略組全員が訳が分からなかった。
「…っ!?」
「またな、相棒。」
ライくんの10連撃が決まった事で、キリトくんのHPはどんどん減っていく。
「キリトぉぉぉぉ!」
キリトくんはそのまま地面に倒れ、ライくんがそのキリトくんに近づいた。
「───────。」
何か話してから彼はキリトくんに剣を突き刺した。
「…!?」
この場にいる全員が言葉を失った。
黒の剣士が、目の前で青の剣士に殺される。
という事実だけが頭に残る。
「ライ…テメェ…!」
エギルさんとクラインさんはもう泣いていた。
私はあまりの光景に頭が真っ白だった。
「流石は本物の剣士だ、キリトくんを連れてきてくれないか?」
ヒースクリフはそう言って、ライはキリトくんを引きずる。
「……?」
誰もが絶望に落ちていた時。
目の前の光景にまたもや驚いた。
キリトくんが、ヒースクリフを剣で刺している。
ライくんはHPが赤まで減っている。
「これは…いったい…」
キリトくんはニヤリと笑って言った。
「ライは確かに俺にソードスキルをぶつけたが大半を空気を切ってたのと、さっき俺を刺したように見えた奴はライがライの足を刺しただけだ!」
そして──────
「私の負け……か。」
目を瞑ったヒースクリフは、パリンという音と共に私たちの視界から消えた。
だが、デスゲームが終わりを告げる事は無かった。
後書き
大変遅くなりました…
明後日に期末が控えてますので、更新が遅くなります。
では、また次回!
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