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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十四話 ワインとデザートその十一

「日本にも」
「そうらしいわね」
「お隣の佐賀県ですが」
 ハウステンボスのある長崎県のだ。
「あちらは化け猫で有名ですが」
「黒猫よね」
「はい、その言い伝えがありますが」
「その化け猫が?」
「実は狂犬病の猫が正体だったとか」
 そう言われているというのだ。
「そうした説もあります」
「そうなのね」
「はい、こうしたお話もある通りにです」
「日本にも狂犬病があったのね」
「はい」
 実際にというのだ。
「そうでした」
「ううん、日本にもなの」
「危険なものでした」
 非常にというのだ。
「我が国でも」
「何しろ感染したら死ぬからね」
「確実に」
 本当にだ、狂犬病はそうなってしまう。この病気の恐ろしいところだ。
「怖いものです」
「化け猫よりも怖いわね」
「全くですね」
「まあ狂犬病はね」
「ないに越したことはないですね」
「全くよ、虫より怖いわ」
「そうなりますね」
 小夜子さんも頷いた。
「実際に」
「ええ、まあ虫も少ないし」
 ダオさんはベトナムの基準から話した、三発目の青と白、黄色のバラバラと散りながら落ちる花火を観ながら。
「最高よ」
「幸せですね」
「今もね」 
 小夜子さんに笑顔で話した。
「本当にね」
「そうですね」
「じゃあね」
「はい、それでは」
「こうしてね」
 観て、というのだ。
「イルミネーションもね」
「観ますか」
「ここだけじゃなくて」
 さらにだった。
「他の場所のイルミネーションも観ましょう」
「何処に行きますか?」
 小夜子さんは微笑んでだ、ダオさんに尋ねた。
「今宵は」
「塔の方?」
「そちらですか」
「ええ、そっちかしら」
「昨日言ってませんね」
「だからね」
 それでというのだ。
「だから言ったけれど」
「わかりました、では」
「それじゃあね」
「そちらにしますか」
「義和もそれでいい?」
 僕にも聞いてきた。 
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