夢幻水滸伝
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第十一話 岐阜城にてその二十二
「このことは覚えておくといい」
「ああ、自分のこともな」
「そうしてもらう、ではだ」
「それではやな」
「講和は成った」
それは果たされたというのだ。
「では帰ることだ」
「そうさせてもらうわ」
中里は室生にすぐに応えた、
「ほなまたな」
「うむ、おそらく今度会う時はこうして穏やかではない」
「戦の場でやな」
「会うことになるだろう」
こう言うのだった。
「その時は容赦しない」
「それはこっちもや」
「その時は覚悟しておくことだ」
「お互いにやな」
「そうなるな、ではだ」
「またな」
二人は最後に別れの挨拶を交えてそうしてだった、関西の軍勢は美濃の西を手に入れてそれで兵を西に返した、彼等は戦に勝ったが得たいものを全て得られなかった。このことに思うところがあったが今は戦を終えたのだった。
第十一話 完
2017・3・25
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