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夢幻水滸伝

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第十一話 岐阜城にてその二十

「そちらはな」
「そこでそう言うか」
「若し戦を続けるならこちらは東海の味方をする」
 こう芥川に言った、勿論中里も綾乃も聞いている。
「そうなれば長期戦になり西の動きに対応出来るか」
「そう言うか」
「そうだ、どうする」
 芥川に一歩も負けない感じだった、そして返す刀で坂口にも言った。
「関東、東北は大規模に動いている」
「そこまでぎゃ」
「すぐに東に行くべきだ」
 彼にはこう言うのだった。
「さもないと甲斐と駿河を奪われてだ」
「さらにぎゃな」
「領土を侵食されるぞ」
 関東、そして東北の者達にというのだ。
「無論こちらもその危険がある」
「だからぎゃな」
「そうだ、ここは講和しろ」
 一時にしろというのだ。
「美濃の半分をやってな」
「棟梁、それで済むならいいかと」
 雅が軍師として坂口に囁いた。
「ここは」
「うちもやな」
 関西の方では綾乃が言った。
「まあここはな」
「綾乃ちゃんはええっていうんか」
「長い間戦してもな」
 こう芥川に言うのだった。
「それでもな」
「西の方が不安やっちゅうねんな」
「今のところ話は聞いてないけど」
 事態が動けばすぐに伝令を転移の術で送る様に言っている、しかしまだその伝令は来ていない状況だ。
「それでもな」
「何時動きがあるかわからん」
「芥川君はどう見てる?」
「吉川達を送ったんや」
 西にとだ、芥川は綾乃にこのことから話した。
「そやから滅多なことではや」
「負けへんな」
「むしろ領国に一歩も入れんまま押し返す」
「それが出来てるな」
「ああ、間違いなくや」
 そうだというのだ。
「兵の数も装備も確かやしな」
「ほなそろそろ」
「西でも動きがあるやろ、考えてみればや」
 芥川は強く考える顔になりこうも言った。
「美濃と尾張全部を即座に手に取るにはな」
「それはやな」
「欲張り過ぎやったかもな」 
 自分の考えを振り返ってだ、独り言の様に言うのだった。
「それは」
「ほなここは」
「ああ、欲は張るもんやない」
 こうも言うのだった。
「それやtったらな」
「これ位やで」
「わかった、棟梁の言葉で決まる」
 芥川はここでこう言った。
「それで決まりや」
「そういうことでな」
「まあそれやったらな」
 棟梁と軍師の話がまとまったところでだ、この話では聞いているだけだった中里も言った。 
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