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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十四話 ワインとデザートその二

「それで大喜びで遊んだりはしないよ」
「義和のお父さんはまた格が違うわね」
「うん、親父はね」
 本当にだ、あの親父は。
「また違うから」
「遊び人で有名ね」
「その上に破天荒って言葉が付くね」
 この冠詞が付くから本当に違う。
「遊ぶ為に生きているタイプだから」
「だから女の子二人が一緒だと」
「もうそこから豪遊だよ」
 ただしギャンブルはしない、親父はギャンブルのスリルは仮りそめのスリルで本物のスリルじゃないとか言っている。
「そんな親父だよ」
「けれど義和の場合は」
「そうはならないから」
 そこは親父と違ってだ。
「二人相手に豪遊とかね」
「しなくて」
「確かに付いて行くだけだね」
「そうなるのね」
「言おうと思った時は言うけれど」 
 それでもだ。
「そんな強くはね」
「言わないのね」
「別にね」
「うん、本当に」
「じゃあそういうことでね」
 ダオさんはまた僕に言った。
「引っ張って行くわね」
「それじゃあね」
「夜も遊ぼう」
「じゃあまずはアイスを食べて」
「そうしましょう、抹茶アイスね」
 ダオさんはまたこのアイスだと言った。
「しっかり食べるわよ」
「しっかりなんだ」
「そう、しっかりね」
「では今からアイスの場所に行きましょう」 
 小夜子さんも言う、何か小夜子さんも僕を引っ張る感じだと思った。この人のそれはダオさんとは違って目立たないけれど。
「そしてイルミネーションを観ながら」
「食べましょう」
「そうしましょう」
 二人で話して僕をそちらに案内してくれた、僕達はアイスが食べられる場所に来てだ。ダオさんは実際に抹茶アイスを注文して。
 小夜子さんはチョコレートだった、ダオさんは小夜子さんのそのダークブラウンのアイスを見てこう言った。
「そっちのアイスね」
「はい、私は」
「これまたいい感じね」
「実はチョコレートも好きでして」
「そっちにしたのね」
「抹茶もと考えましたが」
 考えた結果、というのだ。
「こちらにしました」
「成程ね」
「僕は」 
 そして僕はというと。
 バニラにした、ダオさんは僕がバニラを頼んだを見て今度はこんなことを言った。
「まさに王道よね」
「バニラはね」
「アイスもソフトもね」 
 ソフトクリームにしてもというのだ。 
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