レーヴァティン
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第十話 巨人その十四
「そうだったな」
「スパゲティは十九世紀から食われる様になった」
「案外早いな」
「しかもソースはなくフォークも使わず食っていた」
「あれだろ?チーズまぶして手で持って食ってたな」
実際に十九世紀初頭のパスタはそうした食べ方だった、カルボナーラなぞは第二次世界大戦までなかった。
「そうだった」
「それがここじゃな」
「オリーブオイルまで使ってミートソースやカルボナーラもある」
「烏賊墨もあったな、美味かったぜ」
「そうしたものが食えるということはだ」
「その技術と余裕がある」
「人々の体格もいい」
英雄はこのことも指摘した。
「そうだな」
「確か昔の人は体格もな」
「俺達より低かった」
その背がというのだ。
「ナポレオンで実は平均身長より上だった」
「チビ皇帝って言われててもか」
「一六四だったがだ」
一六七だったとも言われている、ナポレオンの身長はそれ位で今はよく小男だったなぞ言われているのだ。
「当時のフランス人の平均身長は一六〇だった」
「栄養がそれ位になるしか摂取出来なくてだな」
「バイキングですら一七〇位だった」
よく巨大だったと言われる彼等ですらというのだ。
「古代ローマ人達も小柄だった」
「今から見るとか」
「それだけ栄養を摂取していなかった」
「成程な」
「そうしたものだった」
「そういうのを見たらな」
「この世界は俺達の中世とは全く違う」
彼等の世界の中世の欧州とはというのだ。
「そうしたところが違うからな」
「技術も作物も」
「そうだ、だから文明の形も違う」
「そうなるか」
「だからそうした船もあるということだ」
空飛ぶ船、それがというのだ。
「そういうことだ」
「おかしく思うことはないか」
「文明はそれぞれだ」
一つではないというのだ。
「ましてや世界が違う」
「それなら余計にか」
「技術も環境も違うからな」
そういったまさに何もかもがというのだ。
「作物一つでも違ってくるな」
「ああ、米と麦でもな」
「例えば日本は完全に米だ」
ここからはじまっている文明だというのだ。
「飯といえば米だな」
「そんなイメージがあるな」
「救急の時は必ず握り飯だ」
「パンよりもしそっちだな」
「そして道具も米に関係するものが多い」
「それで麦は麦でか」
「そこからも文明は変わるものだ」
食べるものからしてもというのだ。
「そういうものだからだ」
「違いはわかっておけってことか」
「そして受け入れることだ」
「否定したり馬鹿にせずにか」
「他の文明を否定する奴こそ野蛮だ」
その文明を野蛮と言ってだ。
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