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夢幻水滸伝

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第十一話 岐阜城にてその六

「この連中をどうするかていうとや」
「まさかと思うが殺しはせんな」
「そんなことはせん」
 中里の言葉をすぐに打ち消した。
「何でそんなことするねん」
「そやな」
「この場合殺すって魂までも消すことや」
「流石にそれはないな」
「捕虜にした兵は相手に返すかな」
 若しくは、というのだ。
「こっちの兵隊にする」
「軍勢に加えるんやな」
「ああ、けどな」
「それでもか」
「おそらくこの一万の兵は返すことになるわ」
 東海の方にというのだ。
「そうなるわ」
「そうなるんかいな」
「ああ、多分やけどな」
「今すぐこっちの兵にはせんか」
「ああ、それはまだや」
 捕虜のままだというのだ。
「そのままや」
「そうなんやな」
「捕虜にして今は武器も具足も取り上げて囲んでる」
 つまり無力化しているというのだ。
「そやから安全やし捕虜は抵抗したらあかんっていう決まりがある」
「その決まりがあるからか」
「まあ暴れるアホもそうそうおらん」
 捕虜達の中でそうした者達は非常に少ないというのだ。
「そやから安心してええ」
「捕虜のことはか」
「鎮静させる術もかけるしな」
「そうか」
「ああ、というか兵を返さんとな」
 芥川はそれが何故かという理由も話した。
「東海の連中の戦力が減る」
「それは今の戦の話やないな」
「連中にはまだ残ってもらわんとあかん」
 東海の勢力にはというのだ。
「さっきも言うtがけど一気に併呑したらな」
「後が厄介か」
「関東、北陸、東北ってあるんや」
 芥川はこの三つの勢力の名前を出した。
「この連中を一度に相手にするにはまだ力が足りん」
「そやからか」
「今はうちは山陽と四国も敵に回してるんや」
 その彼等もというのだ。
「合わせて五つの敵は多いやろ」
「確かにな」
「東海の勢力を加えてもな」
 併呑した彼等のというのだ。
「そやからまだや」
「東海は倒さんか」
「ここから北陸、山陽、四国倒したら別やけどな」
 それでもというのだ。
「今はあかん」
「そういうことか」
「そやからまだな」
「東海は倒さんでか」
「美濃と尾張を取って終わりにする」
 あくまでそれだけだというのだ。 
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