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レーヴァティン

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第十話 巨人その五

「多分だけれどな」
「そうだろうな」
 英雄もこう返した。
「俺もそう思う」
「これは相当な得物を手に入れたな」
「上手く使えばだ」
「この島を統一するのにかなり役立つな」
「それだけでは駄目だがな」
「それでもだよな」
「かなり役に立ち権威にもなる」
 それにもとだ、英雄は久志に話した。
「俺達のそれぞれにもな」
「なるっていうのかよ」
「そうだ、アーサー王のエクスカリバーの様にな」
 あのあまりにも有名な物語の人物をだ、英雄は話に出した。
「それにもなる」
「おいおい、あの剣か」
「有名だな」
「アーサー王の物語自体は読んだことがなくてもな」
 アーサー王の死やアーサー王ロマンス等である、円卓の騎士達の物語は今も尚語り継がれている永遠の物語だ。
「知ってるぜ、俺も」
「それならわかるな」
「ああ、あの剣は権威だな」
 エクスカリバー、アーサー王の剣はというのだ。
「王権の」
「そうだ、只の聖剣ではなかった」
 傷を癒し恐ろしいまでの切れ味を誇るだけでなくだ。
「抜いた者はブリテンの王になるとあったな」
「ああ、俺達の剣みたいだな」
「俺達の場合は世界を救うとなっているがな」
「それは大体同じだな」
「そして実際にアーサー王はブリテンの王となった」
 ひいてはそこから西ローマ皇帝とさえなった。
「そのうえでだ」
「その権威はか」
「アーサー王を王にしていた」
「だからか」
「俺達の刀剣は権威にもなる」
「ただの刀剣じゃないか」
「そうなる」
 こう久志に話した。
「成程な」
「俺達のこの剣はそうにもなる」
「統一した後の権威か」
「王になか」
「ああ、それが世界を救う為に必要ならな」 
 それならとだ、久志は英雄に答えた。
「ここまできたらな」
「それならだ」
「権威としてもか」
「御前の剣を使え」
 レーヴァティン、それをというのだ。
「いいな」
「そうするな、そうか権威か」
「剣はそうしたことにも使える」
「政治にもなるんだな」
「政治に武力は欠かせないな」
「ああ、秩序を維持する為にな」
 久志はこのこともわかっていた、政治は統治システムと強制力を伴う権限、そして秩序を維持し外敵から国家を守る為の武力も必要なのだ。
「警察も軍隊も必要だな」
「全くの無防備では何も出来ない」
「だよな、無防備マンだとな」
 それこそとだ、久志はシニカルに言った。 
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