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ハイスクールD×D/EXTELLA

作者:edjigboj
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戦闘校舎のフェニックス
  夜這っすか?

一誠side
 『起きやがれ、クソガキ』
ッ!? 突然頭に響き俺は飛び起きた。低く、迫力のある声だ。聞き覚えの無い声・・・のに、俺はそいつを知っているような気がした。まるで身近にいるような。

 『そうだ。俺はお前のそばにいる』
・・・誰だ? 周囲を見渡してみると俺の部屋じゃなく、真っ暗だった。
ていうかさっきまで寝てたはずだよな? ここどこだ?
目の前が真っ暗で、何も見えない。耳も聞こえない。
・・・一体何なんだ? さっきの声は誰だ?

 『俺だ』
うわッ! 声は出ないが、俺は心中で心底驚いた。
当然だ。目の前に巨大な怪物が姿を現せば誰でも驚くさ。
大きな目。血のような赤い瞳。耳まで裂けた口に鋭い牙が何本も生え揃っていた。
頭部にも太い角が並び、全身を覆う鱗はマグマのように真っ赤だ。
巨木のような腕、足。鋭角で凶暴そうな爪。
何より、バッと広がっている両翼がこの巨大な怪物を一層デカく見せていた。
俺の眼前に・・・巨大な怪物・・・俺の知ってるものの中で一番似ているとしたら。
ドラゴン。

 『そうだ。その認識で良い。俺お前にずーっと話しかけていた。だが、お前が弱小すぎたせいか、今の今まで俺の言葉が届かなかっただけだ』
ッ! 何わかんないこと言ってんだ。わけがわからねぇ。
ずっと話しかけてた? 何なんだよ一体!

 『挨拶をしたかっただけさ。これから共に戦う相棒としてな』
相棒? お前は一体・・・。

 『お前はもう分かっているはずだ。そうだろ? 相棒』
途端に左腕が光りだした。視線を移すと、左腕は赤い鱗に包まれ異形なものになっていた。
う! うわぁぁぁぁッ!!




棟夜side

 「良いお天気ですね。ユウさん、今日は体育でソフトボールをやるんですよ。私、初めてなので今から楽しみなんです」

 「・・・楽しみです」
小猫と黒歌が俺の家で暮らすようになってから数日後。通学路を俺とアーシアに小猫の3人で歩いていた。俺が真ん中で左にアーシア。右に小猫だ。
黒歌は基本的家で寝ているか、猫になって町を散策しているらしい。
・・・しかし困ったことも増えた。それは黒歌の過剰の行動だ。
俺が風呂に入って入れば、『一緒に入るにゃ♪』て言ってはバスタオルを巻かず平然と入りに来るわ、夜中のうちに裸でベッドに潜り込んでくるわで日々理性が削られていく。
スタイルバツグンの黒歌の身体は正直言って、目の保養・・・ではなく毒だ。
その黒歌の行動に光景にアーシアは涙目、小猫は拗ねた表情で見ては対抗してくる始末だ。

 「どうしてアルジェントさんと小猫ちゃんが棟夜と同じ方角から・・・」

 「何でも、親の事情で同棲してるらしいわよ」

 「何それ良いな~」

 「私も親の事情で神咲君の家に同棲したいな」

 「クソゥ。美少女2人に囲まれての登校・・・羨ましいぞコノヤロウ! 天罰にでも当たっちまえ!」
・・・登校中にも周囲の視線があって本当に疲れる。
俺が以上に疲弊してんのそ知らずよくもまぁそんなこと言えるもんだな・・・こっちは理性が飛ばさないよう日々耐え抜いてんだっつうのによ。

 「あの、トーヤさん。どこか具合でも悪いのですか?」

 「先輩・・・大丈夫ですか?」

 「気にするな。問題ないさ」
二人の頭を撫でて安心させる。2人は嬉しそうに笑みを浮かべると腕を掴んで抱き寄せてきた・・・黒歌に比べると貧相だが、これはこれで役得と言うものだろうな。
それを見た男子から殺気が飛んでくる。だが実力の差を理解してるのか襲っては来なかった。
学園に到着し、下駄箱で小猫と分かれ教室まで移動する。

 「「うぉい棟夜!!」
席に座るなり松田と元浜が駆け寄ってきた・・・朝からうるせぇ奴らに絡まれたよまったく。

 「何だよ一体? こっちは疲れてんだよ」

 「棟夜貴様! アーシアちゃんのみならず小猫ちゃんとも同棲してるとはどういうことだ!? 説明しろ!!」

 「一体どんな手口で口説いたんだ!!」

 「小猫にも色々と事情があるんだよ、お前たちに話すことは無いから目の前から消えろ。目障りだ」

 「うるさい! 俺たちの質問に答えてもらうまで戻らんぞ!!」
・・・イライラしてきたし、潰してもいいよね? 

 「生活はどうやってるんだ!? 朝は毎朝起こしてもらっているのか!?」
どう潰そうか考えていると、俺の変わりにアーシアが先に答えた。

 「私と小猫さんはトーヤさんとトレーニングを一緒にやっているので自分で起きてますよ。お休みの日には寝坊しちゃいますけど、その時はトーヤさんが私の部屋にきて小猫さんも一緒に起こしてくれます」

 「ダニィ!? じゃ、じゃぁ。ご飯をよそって貰ったりとか・・・」

 「基本的俺が食事を作ってんだけど、休日にはアーシアや小猫も手伝ってくれる。気が利いて助かっている。最近はアーシアや小猫の料理も上達してきたから今じゃ交代交替で作っている。今日の夕飯はアーシアが作ることになっているから、楽しみだな」

 「そんな・・・照れますよ」
頬に手を当て顔を赤くする。それを見た2人は崩れ落ちた。相手にするのが面倒だ。

 「お前ら、そんなに彼女が欲しいんなら、一誠に頼めよ。友人なんだろ?」

 「「そうか!!」」
急に立ち上がり今度は一誠に向かって突撃していった。やれやれ、やっと静かになったわ。
机にうつ伏せになり一誠たちを見ると、一誠が電話しながら内容をメモした紙を渡すと大いに喜んでいた。お気楽な奴らだ。
あまってる時間、俺は睡眠に割り当てた。




 「うぅ~・・・イハイ」

 「大丈夫ですか、イッセーさん」

 「自業自得です」
放課後。部室で顔面をボコボコにされた一誠がアーシアの治療を受けていた。ソファーでは怒っている小猫がお菓子を食べていた。
一誠は元浜松田と一緒に女子更衣室へ侵入し裸を眺めていたが、小猫ちゃんに見つかりボッコボコにされたわけだ。

 「まったく。あなたはどうしてそう」

 「いや~。友人に誘われてつい・・・」
訳を聞いたリアスは苦笑いを浮かべていた。つい、で済まされる問題じゃねぇだろ。停学か最悪退学のどちらなんだがな。

 「僕の裸ならいつでも見せてあげるのに」
スマイルを浮かべる木場が冗談を言うが、それに一誠は怒りをぶつける。

 「黙ってろ木場! 俺は野郎の裸を見たいんじゃなくてスタイルバツグンの女子や発育不足の身体を眺めていてぇんだよ!!」

 「・・・発育不足」

 「ご、ゴメンよ小猫ちゃん! 別に小猫ちゃんの事を言ったんじゃないよ!!」
小猫だけじゃなく随分と失礼な発言だな・・・十分な差別発言だと思う。
それから他愛もない話をしてると、時間になったので部室を出て3人で帰宅する。
早めに帰った俺は制服から着替え、ベッドに仰向けになっている。小猫とアーシアはリビングで夕飯の準備をしている。ただ黒歌はまだ帰って来てない。基本的にご飯前には必ず帰ってくる。
何もしないでただ時間が過ぎる。

 「風呂入るか」
起き上がり風呂場に向かう。服を脱ぎトビラを開けると・・・。

 「「あ・・・」」
小猫とアーシアが入っていた。・・・アイヤ眼福眼福っていや!

 「す、すまない! すぐに出て行く」
踵を返し出ようとしたが、腕をつかまれ止った。
振り返ると小猫とアーシアが俺の腕を掴んでいた。な・・・何故止めたんだ?

 「・・・す、すみません。そ、その。いきなり入ってこられましたから・・・すみません」

 「あ。いやその、俺の方こそ悪かった。すっかり夕飯の準備をしてんのかと勘違いして、確認もしないで入って・・・小猫も悪かった」

 「・・・大丈夫です。私も分かっています」
小猫は顔を赤くしながら俺を見ていた。

 「でも、桐生さんから日本でのお風呂のルールは教えてもらっていますから、大丈夫です」
は? 風呂のルール?

 「に、日本のお風呂では・・・は、裸のお付き合いがあると桐生さんから聞きました」
あのメガネ女! 何へんなこと吹き込んでだよ!!

 「・・・お風呂で交流をすることで・・・お互いをもっと深く知り合う・・・て」

 「あ、アーシアに小猫! あながち間違ってはいないがそれは別の・・・うわッ!」
振り返ろうとした時、石鹸に足を取られアーシアを押し倒してしまった!

 「やったにゃー! 今日はお風呂一番乗りにゃ♪」
そして運悪く風呂場のトビラが開き、黒歌が入ってきた。
黒歌は俺たちに気づくとその場で止まり、大声を上げた。

 「挿入ってるにゃーーーーーーーーー!!」

 「誤解を招くから叫ぶな黒歌ッ!!」




 「つ・・・疲れたぜ~」
ボフンと自分のベッドに再び倒れこむ。
ハァ、今日は厄日か何かかちくしょうめ・・・なんで俺があんな目にあわなきゃならんのよ。
騒ぐ黒歌を何とか静かにさせ、風呂場から出て夕食の準備を終わらせ『先に先に食べてくれ』と伝え部屋に戻ってきた。
・・・腹減ったし、メシ食いに行くか。起き上がり部屋を出ようとした瞬間だった。

-カッ-
突然、床が光が円状に展開し覚えのある模様を描く。
これはイッセーたちが転移に使用している、グレモリー眷属の魔方陣。
これからメシだつうのに誰だよ? 魔方陣の光が強くなり、部屋を包み込むと人影が現れた。

 「リアス・・・」
魔方陣から姿を現したのはリアス本人だった。何で俺の部屋に来たんだ? 疑問に思う俺をよそに近寄ってきて、ベッドに押し倒して・・・え?

 「トーヤ、私を抱きなさい」
・・・why? リアスが言った一言に俺は言葉を失った。何て言った?・・・抱く?

 「私の処女を貰ってちょうだい。至急頼むわ」
これは幻聴なのか? 疲労で聞き間違いなのかもしれない。

 「そこに倒れていないで、早く支度をしなさい。私も支度をするから」
言うなり俺から離れると部屋の明かりを消し、制服を脱ぎだした。
・・・ってマジなのか!?

 「ちょ! ストップストップ!!」

 「私では、ダメかしら?」

 「違げぇよ! いきなり転移してきて抱いてとか意味が分からないんだが!?」

 「色々と考えたけれど、これしか方法がないの」

 「だ・か・ら! 俺の話を聞けって!!」
近づく度後ろに下がるが、背が壁に触れた。逃げようとする俺の前に座り込んで迫ってくる!

 「既成事実が出来てしまえば、文句無いはず。身近で出来そうな人物は、トーヤ。あなたしかいなかったわ」
既成事実? 話がさっぱり分からねぇ!

 「裕斗ではダメ。彼は根っからのナイト。絶対に拒否するわ。イッセーは色々と先走りしそうだし。それに私はあなたになら・・・」
? 最後のほうは聞き取れなかったが、何が彼女を焦らせているんだ?
迫ってくるリアスを仕方なく抱きしめた・・・形のいい胸が気持ちいが、今はそれどころじゃない。

 「リアス・・・何をそんなに焦っている?」

 「!!」
その一言に一瞬身体が硬直する。

 「何があったかは知らんが、そう軽々しく裸を見せたり抱いてとか自暴自棄になるな。そういう軽率な行いは、一生後悔することになるぜ?・・・今はこれで勘弁してくれ」
リアスの背中を優しく叩く。
俺が小さいころ、腕の骨を骨折して大泣きしてた時に母がしてくれた行いだ・・・これ結構落ち着くんだよな~。




 「ありがとうトーヤ。私も家の事情を聴いて冷静さを失ってたわ」

 「今後二度と無いよう頼む」
そう言いリアスと離れると、着替え始めたので後ろを向き耳を塞ぐ。
すると再び床に魔方陣が出現した。今度は誰だ? ってかコレ他の奴らに見られたらヤバくね!?
内心焦っていると、現れたのはオカルトメンバーではなくメイドだった。
俺とリアス見て口を開こうとしたが、先にリアスが話し出した。

 「大丈夫よグレイフィア。トーヤとも何もなかったわ」

 「トーヤ? この方が・・・」

 「ええ。神器を所有してる人間・・・私たちに協力してくれているわ」

 「そうですか・・・はじめまして。私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後お見知りおきを」

 「こちらこそ。神咲棟夜と申します。よろしくお願いします」
互いに挨拶をすると、部長が聞き出す。

 「話は私の根城で聞くわ。朱乃も同伴で良いわよね?」

 「雷の巫女ですか? 構いません。上級悪魔たる者、傍らに女王を置くのは常ですので」
頷くと俺に近づいてきて頬にキスをしてきた・・・って待てい!
頬を押さえ後ろに下がる俺を面白そうに笑みを漏らす。

 「迷惑をかけたわね。トーヤ。明日部室で会いましょう」
別れを告げ、グレイフィアさんと共に魔方陣で消えた。

 「トーヤさーん。ご飯たべますかー?」
アーシアが部屋に来るまで俺は立ち尽くしていた。




翌日。アーシアと小猫と一緒に登校中、欠伸をかみ殺す。
寝る直前、黒歌が部屋に来て『女の匂いがするにゃーーーーー!!』と騒ぎ出した。匂いに敏感すぎだろう・・・。
あの後、黒歌と小猫、アーシアに説明して納得してもらうまで時間がかかり、オマケに添い寝したおかげで寝不足だチクショウ。

 「大丈夫ですか?」

 「ああ・・・少し寝不足なだけだ」
アーシアに答え、学園に着く路地で・・・。

 「イッセェェェェェッ!!」

 「貴様って奴はぁぁッ!!」
反対側から来た一誠が、後方から走ってきた松田にラリアットを喰らい倒れこんだ場面に出くわした。後から来た元浜も一緒でキレていた。

 「な、何? 朝から過激だねキミ達」

 「ふざけるな! ぬわぁにがミルたんだ! どう見ても格闘家の強敵じゃねぇか!」

 「しかも何でゴスロリ着てるんだ、最終兵器か!?」
二人はこれまでに無いほどの怒りをぶつけていた。一誠・・・何をしたんだ。

 「ほら、魔女っ子に憧れてる可愛い男の子だっただろう?」

 「男の子って言えるかッ!!」

 「そのうえ漢字の漢と書いて漢《おとこ》と呼ぶに相応しい。しかも女装した連中が集まる、地獄の集会だったぞ!」

 「怖かったよぉぉぉぉ。死ぬかと思ったんだぞこの野郎ォォ。魔法世界についてな、永遠に語られたんだぞ!? 何だよ魔法世界セラビニアってよぉぉぉッ!!」

 「イギャーーーーーーーー!?」
身体を震わせる二人を一誠は苦笑いで見ていたが、次には二人に袋叩きにされた。

 「あの~。どうしましょう」

 「喧嘩するほど仲が良いと言うだろう? あれが良い例だ。まぁとにかく学校に向かうぞ」

 「「・・・はい」」
3人を放って学園に向かう。
 
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