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おぢばにおかえり

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第四十話 神戸に帰ってその九

「詰所でも自分のお家みたいにしているわ」
「詰所って奥華の人?」 
 今度は下の妹が聞いてきました。
「ってなると」
「そうよ」 
 私は下のお口をへの字にさせて答えました。
「同じ大教会の子なのよ」
「そうなのね」
「本当に失礼な子で」
 あの能天気な笑顔を思い出して仕方がありません、何処までも能天気で適当で。私がいないとどうなるのか。
「いつも注意してるけれど」
「全然反省しなくて?」
「いつも通りなの」
「そうなの」
 中学生の上の妹にも小学生の下の妹にもお話しました。
「全く、とんでもない子なのよ」
「ははは、そうした子もいるんだな」
「何で笑うの?」
 お父さんにすぐに言い返しました。
「凄くいい加減な子なのに」
「そうした子こそ将来いいおみちの人になるんだ」
「そうなの」
「多少以上跳ねっ返りの方がな」
「それを言ったら奥華は」
 男の人は特にです、気のせいか。
「そうした人多いわね」
「そうだろ」
「男の人に」
 お父さんにもこのことを言いました。
「何かと」
「色々なタイプの跳ねっ返りがな」
「そうなのよね」
「しかしそれでもだろ」
「普段冗談を言ったり物凄くお酒飲んでいても」 
 それでもなのです、不思議なことに。
「おみちについては熱いわね」
「それだ、ハメを外してもな」
「おみちについては熱い」
「それがいいんだ」
「そうなのね」
「そうなれるのは跳ねっ返っていた方がいいんだ」
 こう私に話してくれました、随分と難しいお話に思えましたがそれでも聞きました。 
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