八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十二話 一族の争いその十五
「人はそんなことをしてはいけません」
「そういうものですね」
「はい」
全く以てとだ、畑中さんは僕に話した。
「常識と教養があるのなら」
「絶対にですね」
「してはいけません」
「そうですか、やっぱり」
「その漫画は私も知ってますが」
「度々お話に出してますね」
「はい、その主張は出鱈目なものが多く」
科学的根拠も歴史の主張もどれも酷いとネットではいつも書かれている。
「そして出て来るキャラクターはといいますと」
「何か誰でも彼でも」
「野蛮ですね」
「はい」
不思議な位そんなキャラクターばかりだ。
「ちょっとしたことですぐに怒って喚き立てて」
「知性や教養もですね」
「感じられないキャラばかりですね」
「本当に」
「ああした漫画はです」
「読んでも仕方ないですね」
「真似をしてはいけない行動を学ぶなら別ですが」
つまり反面教師に使うということだ、そもそも料理が気に入らないといって店の中で騒ぐ人間がまともな人間だろうか。新聞記者の実態は情報を握って独占する暴力団員だと悪口ではいうけれどそれそのものにしか思えない。
「しかしです」
「そうでないならですね」
「絶対に真似をしてはいけません」
「そうですよね」
「こうした場所ではワインやそうしたお酒を飲むものです」
日本酒ではなく、だ。
「一番合うとしましても」
「それは主観ですよね」
「その人の」
「しかも白ワインは合わないとか言うことも」
「それも主観です」
「主観の押し付けですね」
「それは野蛮な行いです」
畑中さんもこう言って否定する。
「卑しみしない様に心掛けねばならないかと」
「全くですね、しかしあの漫画は本当に」
考えれば考える程だ。
「酷い漫画ですね」
「料理のことよりもですね」
「おかしな主張が目立ちます」
「料理もこともそうですが」
「自然食一辺倒で」
「インスタント食品、冷凍食品は否定して」
電子レンジも否定していた、そういえば。
「文明嫌いなんですね」
「間違いなく」
「そこも何か」
渋滞していて国民の多くは車に乗るなとか主人公の父親が言っていた、考えてみればこの親子はライバル関係だったが似た者同士だ。
「気になりますね」
「まことに鵜呑みにしてはいけない漫画です」
「本当にそうですね」
「生牡蠣には白ワインもです」
「はい、合いますね」
「この通り、では今は」
畑中さんは赤ワインを飲みつつ僕に話してくれた。
「こうして最高の組み合わせを楽しみましょう」
「赤ワインと鴨をですね」
「そうしましょう」
「わかりました」
僕は鴨の皮も楽しんだ、皮はカリッと焼かれていてこれも美味しかった。このメインディッシュとパンそれにデザートも楽しんだ。
デザートはジェラートの盛り合わせだった、最後にはバニラを食べて赤ワインの残りを飲んで僕は夕食を終えた。畑中さんも同時に終えていた。
第百十二話 完
2016・10・16
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