八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十二話 一族の争いその七
「そうしたことも踏まえて」
「待ちますか」
「そうしましょう」
「是非、ただ」
「ただ?」
「まあロビーでくつろぎながらお話しましょう」
正直お風呂に入ってすぐにホテルまで歩いて帰ったので少し休みたかった、水分も摂りたかったので畑中さんに提案した。
「お水でも飲みながら」
「では」
「はい、皆を待ちながら」
こう話して僕達はホテルのロビー、玄関のすぐそこの空いている場所に座ってお水を飲みながら話をはじめた。畑中さんは最初に言ってきた。
「皆さんからメールが来ました」
「どんな返事ですか?」
「皆さんすぐ戻られるとのことです」
「祐子さんと早百合さんは」
長崎に行った二人のことをだ、僕jは尋ねた。そうしながらお水を飲んだけれど喉だけじゃなくてお風呂で水分がかなり抜けている身体全体に滲み込んでいく感じだった。
「どうでしょうか」
「もう既にハウステンボスに入られています」
「そうですか」
「はい、ですから」
「お二人ももうすぐですね」
「妻が一緒ですから」
畑中さんが六十年以上寄り添い合っている奥さんがというのだ。
「大丈夫です」
「あの人ならですね」
「はい」
まさにというのだ。
「万事大丈夫です」
「奥さんも凄い人ですからね」
畑中さんの奥さんだけあってだ。
「ですから」
「いえ、妻も私もそこまでは」
「そうですか」
「はい、とても」
こう謙遜した、どうも畑中さんは褒められることが大の苦手だ。それで今回もこうした対応だった。
「凄くはありません」
「そうですか」
「はい、ですが」
「ここでのお話ですね」
「そうです、さっき軍隊のお話が出ましたけれど」
ここで僕は畑中さんにその軍隊のことを話した。
「国によっては徴兵制の国もありますね」
「お隣の韓国もそうですね」
「タイとかも選抜徴兵制で」
ラブポーンさんのお国はこうなっている。
「ベトナムとかは徴兵制ですね」
「そうなっていますね」
「今も」
ダオさんは軍隊のことを話したことはないけれどこの国はそうだ、欧州の国ではかなりの国が徴兵制が施行されている。
「そうですね」
「日本とはそこが違いますね」
「そうですよね」
「日本も昔はそうでしたが」
戦争前はだ、教科書では富国強兵とか書かれている。
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