八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百十二話 一族の争いその一
第百十二話 一族の争い
畑中さんはスーパー銭湯の湯舟の中で僕に話してくれた、お風呂でくつろいでいるその中で源氏の因縁について。
「源氏は義朝公の父である為義公の時にです」
「その時ですか」
「保元の乱の時からでした」
義朝公が死んだ平治の乱の前の兵乱だ、教科書では並んで出ていてテストにも頻繁に出て来る言葉だ。
「あの時にです」
「確かあの戦争では」
「はい、皇室も藤原家も平家もでしたね」
「互いに一族が分かれて」
皇室と藤原家は兄弟、平家は叔父と甥でだ。
「源氏もでしたね」
「義朝公は他の親兄弟とはです」
「別の方について」
「はい、そして争いましたね」
「結果義朝公が勝ちましたね」
正確に言うと義朝公がついた方がだ、後白河帝の方でありこの戦の勝利から後白河帝は院政を敷いていかれることになる。
「そうでしたね」
「そしてその後です」
「因縁が、ですか」
「はじまります」
源氏のそれがというのだ。
「一族の間で殺し合う」
「それがはじまったんですね」
「義朝公はお父上も弟殿の殆どをです」
「保元の乱の後で」
「殺すことになりました」
「そうでしたか」
「そしてこの因縁は残り」
義朝公が殺されてもだ、親兄弟を殺した挙句自分は信頼していた人達に裏切られて油断したところを暗殺されて。
「その子頼朝公も」
「あっ、そういえば」
「この方はさらにでしたね」
「義経さん殺してますし」
「もう一人の弟君である範頼公も」
「そうでしたね」
「そして従兄弟の木曽義仲殿も」
平家物語にある、後白河院の院宣を受けたうえでだ。
「そうでしたね」
「はい、人質になっていた義仲殿のご子息も」
「皆ですね」
「殺されています」
「そうしたことをしていたから頼朝公は評判がよくないですか」
「昔から」
「そうですよね」
正直僕も好きじゃない、日本の歴史において井伊直弼と並ぶ不人気な歴史上の人物の代表であろうか。
「あの人は」
「家臣の粛清もしていましたし」
「暗くて冷酷なイメージがあります」
「それは私も思います」
畑中さんもというのだ。
「頼朝公はです」
「暗くてですね」
「冷酷な方だと」
「そうですよね」
「そのせいかこの方には」
その頼朝公にはというのだ。
「実は暗殺説もあります」
「そうだったんですか」
「家臣の方から」
「落馬じゃなくて」
「そうしたお話もあります」
「そうだったんですね」
「そしてご子息の方々も」
頼朝公のだ。
ページ上へ戻る