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イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜

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⚡︎6話 帝国学園が来た

──帝国学園・練習試合・当日──

帝国学園との練習試合前、廣川は結城と話している。


〜雷門中〜

「お兄ちゃん、そろそろ帝国学園との練習試合だねぇ!」
「ああ」
「お兄ちゃん、絶対帝国学園に勝ってね! 勝たないとサッカー部、廃部なるんでしょ?」
「ああ、全力でやるぜ……そろそろ部室に戻らないといけないから、また後でな」
「うん!」

廣川は結城に頭を撫で、撫でられた結城は笑みを浮かべた。そして廣川は円堂達がいるサッカー部部室へと向かった。サッカー部部室に入ると円堂達と勧誘したメンバーがいる。


〜雷門中・サッカー部 部室〜

「おー、やっと来たみてーだな」
「廣川さん、どこに行ってたんですか?」
「ああ、妹と話していた」
「……緊張感ねぇな」

廣川の言葉に染岡は呆れた。そして改めて円堂は勧誘メンバーを紹介した。

「廣川も来たところで……皆、紹介するよ。今日の試合助っ人に入ってくれる松野空助だ!」
「僕のことはマックスと呼んでいいよ。君達のキャプテン見ていたら、何だか退屈しなさそうだと思ってさ」

円堂に紹介された、小さめの猫耳のようなものがついた桃色と水色の縞模様のニット帽を被った男──松野空助は軽い口調で言った。それを聞いた染岡は呆れながら言う。

「退屈って、遊びじゃないんだぜ試合は」
「心配いらないよ。サッカーはまだやったことは無いけど、こう見えても器用なんだよね」
「と、いうことだ。期待しようぜ」
「しかしこれでもまだ10人だぞ……」
「いや、半田……これで11人揃ってるぞ」
「え?」

廣川の言葉に半田は疑問を持った。すると半田の隣にいた薄い紫の長髪で目が前髪で隠れている男──影野仁が半田に話し掛ける。

「……そうだよ、いるよ」
「……!! ご、ごめん気付かないで」
「影野も入部したんだっけな」
「いいのさ、俺はもっと存在感を出せる男になりたくて来たんだからね……」
「……………」

影野の言葉に円堂達は誰も言い返せなかった。そして円堂達はグラウンドへ向かった。グラウンドに着くと半田は廣川に話し掛ける。


〜雷門中・グラウンド

「なあ、廣川。何で18番のユニフォームなんだ? 10番のユニフォームは着ないんだ?」
「……10番はエースの背番号だ。なら、俺は違うやつに10番を着て欲しい。それだけだ」

半田の問いに廣川はユニフォームを触りながら答えた。そんなたわいもない話をしていると、突如空気が変わった……巨大な黒い乗り物が現れ、校門に止まる。そして真っ赤なカーペットが敷かれ、横にはサッカーボールを踏んでポーズをとった軍隊のような人達が並ぶ。すると赤いマントを纏いゴーグルを掛けている男を先頭に次々と帝国サッカー部が出てくる。その後、黒い乗り物の上から帝国学園総帥──影山零治が現れ、不気味な笑みを浮かべていた。円堂は帝国サッカー部に近寄り、マントを纏いゴーグルを掛けた男に話し掛ける。

「雷門中サッカー部のキャプテン、円堂守です! 練習試合の申し込みありがとうございます! 」
「帝国学園キャプテン、鬼道有人だ。初めてのグラウンドなんでね、ウォーミングアップしてもいいか?」
「えっ? どうぞ」

マントを纏いゴーグルを掛けた男──鬼道の言葉に円堂は了承した。それを聞いた鬼道は他のメンバー達を引き連れて練習をし始めた。その練習を見ていた、円堂と廣川以外は肝を冷やす。するとグラウンドで練習をしていた鬼道が空中を飛び上がり、ボールを円堂に目掛けてシュートを放つ。

「ぐっ!!」

円堂はそれを驚きながらも難なく受け止めた。円堂のグローブからは微かに焼き焦げた匂いが漂っている。それを見た円堂は叫ぶ。

「くぅ〜!!燃えてきた!!」
「ほう、俺のシュートを防いだか……この試合せいぜい三分はもってくれよ」

自身のシュートを円堂に止められたことに鬼道は悪い笑みを浮かべて答えた。そしてそんな時

「円堂く〜ん! 廣川く〜ん!」

木野が眼鏡を掛けた少年を連れてきた。円堂は木野の方に向く。

「ん? あれ、あいつ……」
「彼、サッカー部に入ってくれるって!!」
「彼、確か運動は……」
「あ、ああ」
「というから、人数はもう足りているぞ」

木野の後ろにいる眼鏡を掛けた少年を見た松野と染岡、廣川は呆れていた。木野は円堂に近付きながら眼鏡を掛けた少年を自己紹介する。

「目金君って言うのよ」
「目金欠流だ。よろしく」
「よろしくな!」

眼鏡を掛けた少年──目金欠流に円堂は右手を差し出した。すると目金は周りを見渡し、サッカー部の人数を数える。そして目金は違和感に騒ぎ始める。

「な、何故メンバー11人揃っているんだ!! 僕が最後の1人になるはずだったのに!!」
「そーいや、あと一人がどうとか言ってたな」
「それ、重要なのか?」
「重要なんてもんじゃないですよ!! もう誰のせいか知りませんが台無しですよ!! ま、それはこの際良いですよ。入部してあげるにあたって、条件があるんだけど」
「条件?」

目金の言葉に円堂は首を傾げた。目金は眼鏡を光らせながら言う。

「僕さぁ、10番のユニフォームしか着たくないんだよねぇ」
「「「「えーー」」」」

目金の言葉を聞いた栗松と宍戸、少林寺、半田は呆れた表情で言った。それを聞いた円堂と廣川は拒否することなく了承する。

「よし分かった! それでいいよ!」
「ああ」
「「「「えーー!?」」」」
「キャプテン、廣川さん、マジでやんすか!?」
「「マジだ!!(ああ)」」

栗松の言葉に円堂は右手に拳を握りながら、廣川は真顔で言った。それを聞いた栗松と宍戸、少林寺、半田はずっこけた。それを聞いた廣川は目金に言う。

「目金、悪いがお前は最初ベンチだ。エースの背番号を着ているからといってスターティングメンバーになるとは限らない……切り札は最後に取っておく、っと言うだろ?」
「そ、そうですか! まずは相手のお手並み拝見といきましょう!」

廣川の言葉を聞いた目金は理論を気に入った様子で上機嫌になった。その後ウォーミングアップを終えた鬼道に

「……茶番は終わったか?」

と言われた。どうやら円堂達の話が一段落するまで待っていたらしい……いよいよ帝国学園との試合が始まる! 
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