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イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜

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⚡︎5話 雷門イレブン

〜鉄塔広場〜

夕方、円堂と廣川は必殺技の練習をするため鉄塔広場に向かっていた。

「円堂、今日こそゴッドハンドを成功させてくれよ」
「ああ、サッカーを愛する気持ちがあれば、必ず出せる!!」

そう廣川と円堂は走りながら言った。そうして鉄塔広場に着くと町並みを眺める豪炎寺がいる。

「豪炎寺!!」
「よっ」

円堂と廣川は豪炎寺に声を掛けた。円堂と廣川を見た豪炎寺はそのまま去ろうとした。が、円堂は回り込んで話し掛ける。

「ここ、すっげーいい所だろ!! 俺もちっちゃい頃からのお気に入りの場所なんだ!! 」
「俺と円堂が初めて会った場所でもあるんだ」
「あのさ、お前も聞いてるだろ? 帝国学園との練習試合!!」
「!!」

円堂の言葉を聞いた瞬間、豪炎寺はカッと目を見開いた。続けて円堂は豪炎寺に話す。

「でも、メンバー足りなくてさ………ずっと声掛けまくってんだけど、誰もやってくれないんだ。なぁ、考え直してくれないかな?」
「俺からも頼む」

円堂と廣川は豪炎寺にサッカー部に入部してくれないかお願いした。たが、豪炎寺は答えず後ろに振り向いた。それでも円堂は話し続ける。

「なぁ、何で辞めちゃったんだ? 良かったら話してくれないか? 勿体無いじゃないか! あれだけのキック。最初見た時、俺、鳥肌立ったんだぜ!!」
「俺も、お前の木戸川清修での活躍は知ってる……だから、力を貸してくれないか?」
「辞めたのには理由があるんだろうけど、サッカー嫌いになった………なんてのじゃないよな? 好きじゃなかったら、あんなキックは出来ないもんな!!」

円堂はサッカーボールを持ちながらそう言った。それを聞いた豪炎寺は悲しそうな顔をして話す。

「お前、よく喋るな」
「俺さ、お前とサッカーやりたいんだよ!! 俺たちが組んだら、最強のチームが出来るぞ!!」
「もう俺に話しかけるな」

豪炎寺は円堂に冷たく返し、坂道へ飛び降りた。だけど円堂はまだ豪炎寺に話し掛ける。

「じゃあ! 何で昨日、ボールを蹴った!!」
「………しつこいんだよお前」

円堂の言葉を聞いた豪炎寺は一瞬、悲しそうな目で睨んだ後帰ってしまった。豪炎寺が帰ってしまい円堂は顔を俯いてしまう。

「ん……よしっ!!」
「ああ、特訓はじめるか。早くゴッドハンドを成功させてくれよ」
「ああ、今度こそ成功させるぜ!!」



⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎



それから円堂と廣川は練習を始まった。廣川はバイシクルボルトを円堂に放つ。

「行くぞ、円堂……バイシクルボルトッ!!」
「ゴッドハンド!!う、うあああ!!」

結局、今日もゴッドハンドは成功出来ず廣川が放ったシュートは円堂の身体に炸裂し、そのまま特訓用のタイヤに直撃した。それを見た廣川は溜め息を吐く。

「今日も成功ならずか………」
「くっそ!! 絶対成功させる!!」

円堂はゴッドハンドを成功させることが出来ず、地面に拳を叩いて悔しい表情をしていた。それから円堂はタイヤを使ってGK練習をし、廣川はドリブル、フェイント、シュート練習をそれぞれ始めた。それから2時間程経った時、水色髪のポニーテールの男──風丸一郎太がやって来る。

「………風丸」
「無茶苦茶だな、円堂の特訓」
「風丸!?」
「変な特訓してんだな」
「ああ、あれだよ」

風丸に円堂はベンチに置いてあるおじいさんのノートに指を指した。それから円堂は風丸におじいさんのノートを渡した。ノートの中身を見た風丸は首を傾げる。

「よ、読めねえ……お前ら、これ読めるのか?」
「ああ、読めるぜ」
「シュートの止め方が書いてあるんだ」
「へぇー」

円堂の言葉を聞いた風丸は何となく納得した。円堂は顔を上げ、空を見ながら口を開く。

「それ書いたのじいちゃんなんだよね」
「じいちゃん?」
「そのノートは円堂のおじいさんが書いたノートなんだよ」
「ああ……俺が生まれる前に死んじゃってるんだけどね。昔、雷門サッカー部の監督だったんだってさ。そん時作った特訓ノートらしい。帝国学園は、スピードもパワーも想像以上さ。そいつらのシュートを止めるにはじいちゃんの技をマスターするしかないって思ってさ」
「……お前ら、本気で帝国に勝つ気なんだな」
「ああ!」
「勿論だ」

風丸の言葉を聞いた円堂と廣川はそれぞれ答えた。それを聞いた風丸は何か決心をしたようで、右手を差し出して来る。

「………ん」
「へ? な、何?」
「お前らのその気合、乗った!!」
「ははっ」
「ありがとう、風丸」

円堂と廣川は風丸の手を握った。すると風丸は後ろを向く。

「俺はやるぜ。お前らはどうするんだ?」
「へっ?」

風丸の言葉に円堂は疑問を持った。すると染岡達が出てきた。そして染岡達は円堂と廣川に話し掛ける。

「キャプテン、廣川さん」
「どーも」
「皆!」
「お前ら……」
「帝国と試合する前にお前らの方がバテるぞ」
「へへっ、大丈夫だって」
「こう見えても俺たちは、我慢強いんだぜ」

染岡の言葉に円堂は廣川は笑みを浮かべながら答えた。風丸は円堂と廣川の横に移動し声を掛ける。

「こいつら俺が来るよりも前からお前らのこと見てたみたいだぞ」
「え?」
「本当?」
「円堂と廣川が他の運動部に声をかけているのを見てたら……」
「……ちょっとな」
「その特訓も何かこう胸がジーンと熱くなってきたでやんす」

廣川の問いに半田は頰を掻きながら、染岡は頰を赤らめながら、栗松は目に涙を溜めながらそう答えた。宍戸と少林寺、栗松、壁山も円堂と廣川に向かって言う。

「キャプテン、廣川さん、俺も特訓一緒にやらせてください!」
「俺も!」
「俺もやりたいでやんす!」
「一緒にやってもいいすか!」
「当たり前じゃないか! そうだろ廣川?」
「ああ、当たり前だ。俺達は雷門中のサッカー部だぞ」

宍戸達の言葉を聞いた円堂は感動した表情で、廣川は微笑みながら答えた。そして円堂は大きな声で叫ぶ。

「おおおおおぉぉぉぉ!! 俺達はすんげぇ嬉しい!!」
「ああ、円堂……俺も嬉しく思うぜ」
「よーし、皆!! やるぞ!!」
『おお!!』

円堂の声に染岡達は大きな声で答えた。それから円堂と廣川は染岡達を加えて特訓を開始し、日が明け暮れるまでやった。明日の帝国学園の練習試合に勝利するために……… 
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