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イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜

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⚡︎1話 サッカー部設立

廣川が円堂と出会って……8年が過ぎた。あれから廣川は円堂と練習して体力や技術、戦術を身に付けた。そして現在──

〜鉄塔広場〜

「……いくぞ円堂」
「よし! 廣川来い!!」

鉄塔広場で廣川と円堂は向かい合っていた。そう円堂のGK練習だ。

「バイシクルボルトッ!!」

廣川は円堂に向かってそう叫びながら放った。バイシクルサンダー──ボールを蹴り上げ、後ろに向いた後右脚を出し右足でボールを蹴ると同時に回転をかけ、そして雷を帯びたボールを前を振り返ると同時に左足でその回転に圧迫をかけるシュート技。円堂と練習しながら身に付けた廣川の必殺技なのだ。そのバイシクルサンダーに対し円堂は手を構え

「ゴッドハンド!!」

自らのキャッチ技──ゴッドハンドを叫んだ。だが何も変化が起こらず、そのまま廣川が放ったシュートが円堂の身体に炸裂する。円堂は尻餅をつく。

「いててて……また失敗か」
「円堂のおじいさんが使っていた技だ……そう易々と使えるようなものじゃないと思うよ。だから気長にやって行こう」
「ああ、そうだな! よし廣川、もう一度頼むぜ!」
「ああ、今度こそ成功させてくれよ」

そして再び廣川は円堂に向かってシュートを放つ構えをした。そうして2人は、雷門中の入学に胸を膨らませながら春休みの全てをサッカーで注ぎ込んだのである。




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〜雷門中・入学当日〜

春の香りがしてきた頃、円堂と廣川は朝早く雷門中へと向かっている。雷門中に向かっている途中、円堂が廣川にある提案をする。

「廣川! どっちが早く雷門中に行けるか競争しようぜ!」
「……嫌だと言っても無理矢理走らせるんだろ?」
「さすが廣川! 行くぜ、よーい………ドン!」

苦笑しながら答えた廣川に円堂は笑みを浮かべた後掛け声を出して走り出した。普通の入学初日なら廣川みたいに大人しくするが、円堂は興奮が抑えられなかった……親友の廣川と一緒にあの雷門中に入学できることに。しかし全力疾走だったため途中で円堂が雷門中に着く前に疲れ切って競争は中止となった。因みに廣川はペースを考えながら走っていたので、疲れ切ってないのである。そうしている間に雷門中の校門の前に着いた廣川は呟く。

「………ここが雷門中学校か」
「くぅ───ッ! ついに来たぜ──!! 雷門中───!!!」
「ああ円堂、ここから俺たちのサッカー伝説が始まるんだな……だけど、少しは音量を下げろ」

円堂の大音量の声に廣川は冷静にツッコんだ。そして2人は意気揚々と雷門中へと入って行った。

〜雷門中・職員室〜

円堂と廣川は2人揃って入部届けを提出しに職員室に向かった。サッカー部担当である冬海先生に円堂と廣川は声をかける。

「サッカー部、入部希望です!!」
「サッカー部に入部希望です」

それを聞いた冬海先生は

「……悪いが、この学校にサッカー部は無いんだよ」
「えええええええ!?」
『え────っ!』
「円堂、ここ職員室だから声の音量抑えて……」

サッカー部が無いことに衝撃を受けて叫んだ円堂に廣川は注意をした……廊下からの別の声を気にしながら。



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その後、円堂は「サッカー部が無いなら創る!!」と言い出した。そして放課後、廣川と円堂、円堂が連れて来た木野秋というマネージャーと一緒にかつて使われていたサッカー部の部室を冬海先生に開けてもらった。部室の中は混雑で何年も使われていない様子だった。それを見た廣川は呟く。

「………これは完全に物置だね」
「よし、木野! 廣川! 早速掃除だ!」
「「「オーッ!!」」」

円堂の掛け声で部室の掃除が始まった。それから3人は制服からジャージに着替えて作業開始した。物置てして使われていたためかかなり汚れており、埃や蜘蛛の巣など酷く大変だったが、徐々に片付けていった。そんな折、掃除中の円堂が何かの板らしきものを見つける。

「………ん? なんだ?」

そして円堂はそれを拾って見た。そしてその板を見た円堂と廣川、木野は驚く。

「円堂、これって……」
「ああ………やっぱりだ!!」
「部活の看板ね!!」

そして円堂は素早く埃だらけの看板を雑巾で綺麗にして部活の前に掛けた。この瞬間、雷門サッカー部が誕生したという事実に噛み締める。

「よし! 雷門サッカー部………」
「「「始動!!」」」



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その後、3人は部室の掃除を仕上げ、そのまま一緒に帰ることとなった。帰りの道、円堂は空を見上げながら言う。

「サッカー部………人集まるといいな」
「集まるわよ。円堂君と廣川君なら」
「ああ!絶対集まるさ!」
「円堂のその自身は一体どこから来るんだか………」
「ははっ! 俺さ、サッカー部が出来たら色々とやりたいことがあるんだ……フットボールフロンティアっていう大会があって……」
「円堂、“俺”じゃなくて“俺たち”だろ?」
「あ、そっか! ごめん! ごめん!」
「相変わらずだな、円堂のその性格」

円堂の性格に廣川は呆れながらも笑みを浮かべていた。その後他愛も無い会話を円堂と廣川、木野をしながらお互いの家へと帰って行った……これが伝説の始まりの一歩と……… 
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