八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十話 見えないものその十一
「それも必死の」
「こっちも努力してるし」
「ブラジルもね」
「勝つ為にね」
日本チームと同じくだ。
「勝たせてあげないわよ」
「簡単にはだね」
「そうよ」
「そういうことだね」
「強いには訳があるのよ」
そこはというのだ。
「努力ね」
「それだね」
「努力しないと強くなれないから」
「絶対にね」
「そうよ、ブラジルのサッカー選手も」
彼等にしてもというのだ。
「死ぬ程練習してるから」
「強いんだよね」
「そうよ、だから日本チームもね」
「ブラジルに勝とうと思ったら」
「やっぱりね」
何といってもというのだ。
「練習練習よ」
「何につけてもね」
「それが強いチームを作ることになるわ」
「やっぱりそうなるね」
「だから日本チームも」
「わかってるよ、日本チームにお願いするよ」
サッカーには然程興味のない僕でもだ。
「練習に練習を重ねてね」
「強くなって」
「またブラジルに勝ちたいね」
何だかんだで強くなっていると思う、世界の壁はよく言われている様にまだまだ厚いけれどそれでもである。
僕はそのことを思いながら景色を見ていた、下に降りていくそれを。
するとだ、その景色はだ。
実際に徐々に大きくなってきていた、人もだ。
点から大きくなってだ、米粒位になってきていた。井上さんはその人達と建物に海を見ながらここでも微笑んだ。
「うむ、この状況もな」
「好きなんですね」
「そうだ、上に昇っていく時もいいが」
「今もですね」
「こうして少しずつ大きくなっていくのが」
まさにというのだ。
「またいい」
「そういうことですね」
「うむ、戻ってきた」
「戻ってきた、ですか」
「楽しい場所にな」
つまりハウステンボスにというのだ。
「また遊ぶか」
「今度は船に乗ってね」
「うむ、楽しもう」
ニキータさんの言葉にも応えた。
「是非な」
「そうしようか」
「船もいいな」
「空から海ね」
「ははは、そうだな」
井上さんはニキータさんの言葉に笑って返した。
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