| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十話 見えないものその七

「ネットに幾らでもいるじゃない」
「荒らしか」
「そう、罵ったり悪口ばかり書いたり妬んだりしてる」
 ネットの世界にはそうした輩も多い、自分の偏見をこれでもかと垂れ流している連中まで存在している。
「そんな連中は醜いでしょ」
「その通りだ」
「その連中と比べたらね」
 それこそというのだ。
「沙耶香は全然醜くないよ」
「ならいいが」
「本当に醜い奴はね」
 ネットでも見られるそうした輩はというのだ。
「沙耶香みたいなことを言わないから」
「そうなのか」
「自分を醜いとかね」
 そうしたことをというのだ。
「自分を省みる?」
「そうなるな」
「そうしたこと言わないよ」
 こう井上さんに話した。
「自分が絶対で自分が正しいでね」
「それだけでか」
「そう、正しいことをしているとか言ってね」
「悪事を行っているな」
「僕見たから、ネットでの集団いじめ」
 某巨大掲示板やその掲示板のスレッドを拠点として行うことも多い、何でも悪い奴を懲らしめるとか言ってやっている場合も多々ある。
「もう醜かったから」
「そうした奴と私はか」
「全然違うよ、ヤフーっていうのはね」 
 そのガリバー旅行記に出て来る醜いスウィストが見た人間の姿はだ、どういった存在のことかというのだ。
「そうした連中のことだよ」
「私ではなくか」
「僕ヤフーのことはよく知らないけれど」
 つまりガリバー旅行記のその部分は読んでいないというのだ、そういえばこの作品はガリバー氏が小人の国に行ったところが物凄くクローズアップされている、
「そんな連中よ」
「まあね」
 僕もニキータさんの井上さんへの話を聞いていて思った、それでニキータさんに言った。
「井上さんはヤフーじゃないね」
「そうだよね」
「ネットの荒らしとかそうした連中こそね」
 勿論ネット世界でない現実世界にもいる。
「ヤフーだね」
「そうだよね」
「うん、井上さんは違うよ」
 僕もこう思った、それも確信だ。
 そして下にいる人達、今は点にしか見えないその人達も見て言った。
「誰もがヤフーの部分は持っていてもね」
「それでもだよね」
「完全にヤフーになっている人間は僅かでね」
「沙耶香は違うね」
「醜い奴は本当に醜いから」
 人間ここまで卑劣、醜悪になれるのかと見ていて驚く様な奴がだ。一度自分達は暴走することはあっても正しいことをしていると言っている奴とリアルで会ったことがある。僕は暴走したら最早それは正義でないという親父の言葉を思い出してその時の会話からそいつとの付き合いを止めた。後で聞いたらそいつは周りから非常に独善的な性格から徹底的に嫌われていたらしい。さもありなんと思った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧