夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七話 夜襲の後でその二
難波に連絡をした、するとこう答えてきた。
「もうすぐやで」
「そうか、もうすぐか」
「ああ、そっちに到着するで」
「それやったらはじめるで」
中里は貝殻の向こうの彼に言った。
「こっちは」
「ああ、はじめるからな」
「それやったらこっちに来たらな」
「ああ、もうはじまってるわ」
「そこで僕が来たらな」
その時はというにおだ。
「ええ具合になってるな」
「そうなってるわ、ほなええな」
「わかったわ」
難波は貝殻の向こうから答えてきた、中里は彼のその言葉を聞いてだった。そのうえで。
山の中に戻りだ、将兵達に言った。
「法螺貝鳴らすんや」
「はい、わかりました」
「これからです」
「一気にですな」
「敵が前に来たら」
「ああ、法螺貝を鳴らしてや」
それを合図にしてというのだ。
「一気に攻めるで」
「そうさせてもらいます」
将兵達は整然と応えた、そのうえで。
ならず者達を待っていた、彼等は何も知らずにだ。前にいる筈の彼等を追っていた。彼等は横も後ろも見ていなかった。
その彼等を見てだ、中里は笑って言った。
「全然気付いてないな」
「そうですな」
「わし等が前にいるとだけ思ってます」
「潜んでいるとか思ってません」
「しかも今自分達の真横に」
「露程に思ってませんわ」
「ここで勝負時や」
まさにとだ、彼等も言った。そのうえで。
中里は法螺貝を鳴らさせた、すると中里が真っ先にだった。鵺に乗って敵に飛び込んだ。そこから両手にそれぞれ持っている刀でだ。
敵を次から次に斬っていった、彼が率いる将兵達もだ。
山から鉄砲、弓矢を派手に撃った、部将達は彼等を指揮しつつ言っていた。
「ええか、まずは射撃や」
「弓矢や鉄砲を撃ちまくるんや」
「敵に向けてとにかく撃ちまくれ」
「空からも攻めるんや」
見ればだ、空船もだった。
上から爆弾を落としそうして攻撃をしていた、そうした攻撃を受けてだった。奇襲を受けたならず者達は大混乱に陥っていた。
「敵か!?」
「前にいたんじゃないのか!」
「何でここにいるんだ!」
「急に出て来たぞ!」
「うろたえんじゃねえ!」
頭目は狼狽する手下達に言った。
「まずは落ち着け!」
「で、ですが」
「この状況はです」
「一体何が起こっているのか」
「全くわかりませんが」
「いいから落ち着け、敵の数は少ないんだ」
このことから言うのだった。
ページ上へ戻る