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レーヴァティン

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第六話 神殿その十六

「私は神殿にお仕えしています」
「働いている先が違うってことか」
「はい、ですから身に着けているものも持っている武器も違います」
 その両方がというのだ。
「御覧の通り」
「あんたはハルバートか」
「この神殿の警護兵の武器です」
 兵士は久志に答えた。
「この武器は」
「それも決まりか」
「はい、この神殿の」
「それで使っているか」
「非常に強力な武器です」
「突くだけじゃないからな」
 その形を見ればわかることだ、槍だけでなく斧に似た刃の部分もある。そこで切ったり撃ったり引っ掛けたりも出来る。そう考えると確かにだった。
「強いな」
「はい、これで神殿を守っています」
「そうか、強いな」
「日々訓練も受けていますし」
「装備もいい」
「この神殿はこの島で最も聖なる場所の一つです」
 神殿の兵は胸を張ってこうも言った。
「守る為にはです」
「そうして重装備か」
「そうなのです」
「そのこともわかったぜ、じゃあな」
「はい、今からですね」
「刀剣抜かせてもらうぜ」
「どうぞ、ただ」
 神殿の兵士は二人を通す、しかしここでこうも言った。
「これまでどちら抜けた人はです」
「誰もだな」
「いないです」
「そうか、じゃあ俺達が運がよかったらな」
「その時はですね」
「抜けるな」
「貴方達に神々のご加護があらんことを」
 神殿の兵士は神に仕える者らしく久志そして英雄にこうも言った。
「心より願っています」
「その願い絶対に神様達に届いてるぜ」
「そうであることを願っています」
「あんたいい人だな、じゃあまたな」
「行くぞ」
 英雄は久志に横から言った、そして二人で神殿の兵士に礼を言ってそうしてだった。
 神殿の中に入った、二人はいよいよ刀剣の前に出るのだった。


第六話   完


                        2017・2・13 
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