嘘をつくから

まぁ当たる当たらないはあると思うよ
というか占いで見てくれたのは大半が未来の事だったし
あとは

あなたすごく明るい人ね

大胆な発想ができる人だわ

とか？
あんまり覚えてないなぁ
もう一か月も前の事だもの、仕方がないよ

あ、その時ははずれてるなって思った事、こないだ、はっ！と当たってる！って感じたんだよね
それはね

あなたとても家族愛が強い人ね

ってやつなんだけど
はははは、そんな顔しないでよ
この際僕の複雑な家庭環境やら心情やらは置いといてさ
ただ単に、そんなに愛情深くないのにって思っただけなんだよ

母さんの事はうるさいウザったいって思うし
姉さんの事はもう、普通に嫌いだしね

この人適当言ってるなぁっておもってた

でもさそうじゃなかったんだよ
僕の中の家族は、血のつながった家族の事じゃなくってさ

つらい時支えてくれて
おもしろいことが共有できて
真剣な話だって出来ちゃう、
あの素敵な友達たちの事だったんだよ！

ああなんて素敵な結末だろう！

家族と友達が一つにまとまってくれてるんだよ
お得だなぁ

ん？

じゃ血のつながった家族はなんなのって？

そんなの家族だろ

いいかい？
占いには決定事項は変えられないんだよ
僕がいくら素敵な家族友人を持っていようと、ただの家族たちはずっと家族なのさ

いやいや、こうは言ってもね、ちゃあんと家族を家族として愛してる時もあるんだ

学費を払ってもらったりだとか
食事を作ってくれたり
ほめてくれたりね

ただ、やっぱり駄目なんだよ

どうしたって煩わしくてたまらないんだ
きっとその態度は家族にも伝わっていると思うよ

別にどう思われたって構わないんだけどね
ただ友達に冷たい人って思われたり、かわいそうな人って思われるのは嫌なんだ

だから今日こんな話をしてるのは、踏ん切りをつけるためなのさ

母さん、姉さん、今までお世話になりました
僕は今日、この家を出ます

母さん仕送りはいらないよ
姉さんお金はもう貸さないよ

はははは
そんな顔しないで母さん
お世話になったと心から思ってるし、感謝もしてる

それじゃあね

メールも電話もよしてね

時々手紙を送るよ

ああ、返事なんていらないから

うん、もう帰ってこないよ

あ、そういえばね、あの占い師、僕が理系科目が得意だろうって言ってたんだ

嘘つきばっかりだねえ

僕の数学のテスト、見せてやりたかったよ



まあいいや、さようなら！