Blue Rose
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最終話 薔薇は咲いてその十
「考えたけれど」
「わかったわ、じゃあこれからもね」
「宜しくね」
「こちらこそ。それと明日だけれど」
「いよいよね」
「植物園に行くから」
「龍馬も来るって言ってるわ」
優花は微笑んでだ、優子に彼のことも話した。
「だから三人よ」
「そうね、思えばね」
「私達は三人だったわね」
「貴女のことについては」
「そうよね」
「私は今はね」
ここでだ、優子は。
風呂場の方をちらりと見てからだ、妹に微笑んで話した。
「二人でもあるけれど」
「義兄さんね」
「けれど貴女のことは三人ね」
「そうなるわね」
「姉妹と。そして」
「お友達ね」
「その関係でね」
こう優花に話した。
「そうなるわね」
「そうよね、三人だから」
「ここまで来られたっていうのね」
「そう思うわ」
優花自身もというのだ。
「それはね」
「そうよね。それじゃあ」
「ええ、植物園でも」
「お話しましょう」
「植物園ね」
「あそこで私は貴女に話したから」
男の子から女の子になる、その現実をだ。
「貴女が旅立つ時もね」
「あそこでなのね」
「お話するの」
そうするというのだ。
「もう決めてたから」
「だからなのね」
「あそこにしようって」
「是非なのね」
「そう決めていたの」
「そうだったの」
「行く場所はね」
植物園のその中の、というのだ。
「わかるわね」
「青薔薇の園ね」
「あそこに行ってね」
「お話するのね」
「貴女はそのままあのお花なのよ」
優子は微笑んで優花にこうも話した。
「青い薔薇なのよ」
「私は青い薔薇なの」
「有り得ない筈だけれど今ここにいる」
「それでっていうのね」
「そうよ。けれど青い薔薇も薔薇で」
「私も私なのね」
「一人の女の子なのよ」
そうなるというのだ。
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