風魔の小次郎 風魔血風録
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86部分:第八話 聖剣伝説その九
第八話 聖剣伝説その九
「何だとっ!?」
「行くぞ」
驚く武蔵に対して急降下攻撃を浴びせる。両手に持つ木刀で武蔵の頭を割ろうとする。しかし武蔵もまたその攻撃をすり抜けさせたのであった。
「見切り!?いや、違う」
「そうだ」
武蔵は既に離れた場所にいた。そこから竜魔に対して告げてきたのだ。
「そういうことだったか」
「では武蔵、貴様も」
「そういえば聞いたことがある」
武蔵は攻撃から態勢を立て直し立ち上がってきた竜魔を見つつ述べてきた。
「風魔にもサイキック=ソルジャーがいるとな。それが貴様だったか」
「そういう武蔵、貴様もまた」
「この力のおかげと言うべきか」
そう言うわりには何故か顔を強張らせているのが奇妙ではあった。
「俺が傭兵をやっていられるのはな」
「剣だけではないということか」
「そうだ。俺もまたサイキック=ソルジャー」
己の正体を今明かした。
「隠すつもりはないがこの力を見て敵で生きていた者はいない」
言いつつ中段で構えてきた。
「行くぞ」
「こちらこそな。参る」
両者は同時に宙に飛び上がった。交差しようというその瞬間に剣を繰り出し合う。すると二本の剣の先が撃ち合いそこから強烈な光と衝撃を放ち場を圧するのだった。
「竜魔!」
そこに蘭子が来た。
「くっ、武蔵!」
彼女は次に武蔵の姿を認めた。
「御前も来ていたのか!」
「手出しは無用!」
竜魔は武蔵と力で競り合いつつ話を交えさせていた。
「これは忍の闘い!ならばこそ!」
「しかし!」
「しかしもない!それだけだ!」
「くっ・・・・・・」
「竜魔、貴様の力はそれだけか」
武蔵は競り合いつつ竜魔に対して言ってきた。
「ならばこちらは」
「くっ!」
武蔵が力を強くさせた。するとそれで竜魔は吹き飛ばされた。それを見た蘭子が思わず声をあげて叫んだ。
「竜魔!」
「心配無用と言った筈!」
しかし竜魔の言葉は変わらない。
「この程度!」
竜魔は空中で態勢を立て直した。そのうえでまた剣を構えてきた。
「ならばこちらも。切り札を出そう」
「切り札だと」
「そうだ」
こう武蔵に言葉を返すのだった。構えながら。
「一つ言っておく」
「何っ!?」
「この技を見て生きていた者はいない」
言いながら左目の眼帯を外す。するとそこには左目がしかとあった。左目が見えていないわけではなかったのだ。
「武蔵、貴様の力を認めたからだ」
「俺をか」
「そうだ。だから見せよう」
左目の色が変わった。蘭子もそれを見た。
「何っ、竜魔の目が!」
「青くなっただと!」
武蔵もそれを見て叫ぶ。
「この俺の左目の色が変わった時」
竜魔はその左目で武蔵を見据えつつまた言う。声には熱いものが宿っていた。
「全てが終わる。受けよ!」
「むっ!」
「風魔死鏡剣!」
技の名を叫ぶと左目から何かが出た。それは縦を軸にして回転しつつ次第に大きくなりながら武蔵に向かう。それは。
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