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鉄血のベーオヴォルフズ

作者:司遼
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第02話 集いし刃

 
前書き
ガンダムヴィダール&グリムゲルデ登場 

 
燃え盛る廃墟、其処で二体の鋼が交差と衝突を繰り返す。耳をつんざく衝突音、そして散っては咲く火花。

敵に振り下ろすと見せかけたソードメイスを地面に突き立てそれを支えにバルバトスルプスの巨体が振り子のように上空を舞い、ブーストで加速されたかかと落としを見舞う。

其れを大剣で受け流す紅のガンダム、火花が散りそして一瞬の後に破砕されたアスファルトとコンクリートの粉塵が吹き上がった

粉塵の膜を突き破る鋭い双眸、バルバトスルプスが太刀を突き出す。
まき散らされる石火、紅のガンダムは両前腕に備えられたブレードにて太刀の一刺しを防ぐ。

そして、反撃の一刀が繰り出される。


「――――ッ!!」

其れを太刀の側面で外側へと弾き飛ばす―――同時にバーニアを噴射、その横顔へバルバトスルプスの鉄拳を叩き込む。
上半身を仰け反らせてたたらを踏む紅の巨人――――絶好の隙だ。


「もらった。」

太刀を引き戻し、そして一気に踏み込む。


『――――やらせません!』
「ち―――ッ!?」

敵のコックピットへと太刀を突き出す刹那、何から上空から墜落してきた。
咄嗟にその場を飛びのくバルバトスルプス。

舞い上がる粉塵、まるで瀑布の如き砂埃と呼ぶに大きすぎる其れを貫いて――――赤い光の双眸が射抜いた。


「――――ッ」

粉塵の滝をぶち抜いて鋼鉄が姿を現す――――それはガンダム。
両腕に刺突剣(サーベル)を携えて突進してくる青と黒のツートンに彩られたガンダム。

『はぁっ!』

咄嗟に地面に突き立てたままのソードメイスを引き抜き、盾にする。
敵のサーベルとソードメイスが激突―――――瞬間、爆発が起きた。

「っぅう……っ何が。」


爆発に吹き飛ばされるソードメイス、バルバトスルプスの巨体も吹き飛ぶ中、姿勢を制御する。
鋼鉄の両足が地面を捉え、その地表を抉りながら滑る。

『まだまだぁっ!!』

(おもて)を上げるバルバトスルプス、その眼前には柄だけになったサーベルを携えた青と黒のガンダムが追撃に走って来ていた。
両腰のバーニアバインダーに柄だけになったサーベルを突き刺す。するとバインダーがスライド―――新たな刀身が装着されていた。

―――さっきの爆発はあのサーベルの刀身が爆発したのだと悟るミカヅキ。

即座に真っすぐ突っ込んでくる敵機に向けその腕に装着された重機関砲を放つ。


『狙いが正確過ぎですッ!』

青と黒のガンダムが跳躍、弾がその後方をむなしく吹き飛ばす。
よく見ればその両足にはブースターが内蔵されており、もう一対のスラスターとして機能しておりこの高い運動性へと繋がっているのだ。
宙返りした機体が今度はそのブースターを遠心力の加速に使いつま先に装着されたブレードの威力を上げた蹴り落としを墜落させる。

――やらせるか―――

それを太刀を斜めに構え、滑り落とすことで避ける。

『なにっ!?』
「まったく、面倒だな‥‥お前もっ」

そして回し蹴り、体勢を崩し膝をついた状態の敵顔面にクリーンヒット―――太刀の使い方を新たに学んだがゆえに可能となった芸当だ。


『貰ったぞっ!』

吹き飛ぶ青と黒のガンダム、追撃を仕掛けようとしたところへ入れ替わりに紅のガンダムが大剣を振りかぶり接近する。

「―――ちっ!」

舌打ち、バルバトスルプスを飛び退かせる。この大剣は大鎌への変形機構を有している為、大剣と思って回避したり防御したりすると大鎌へと変形した際にその餌食となる。

回避すれば間合いを読み違え、防御すれば大鎌の切っ先がコックピットを抉る。ゆえに必然とその回避行動は大げさとなってしまう。
阿頼耶識で精密な動きをする人間ほどこの罠には掛かりやすいからだ。

―――案の定、変形した大鎌が一瞬前までバルバトスルプスが居た場所を薙ぐ。


『厄介な餓鬼だな、全く。』
『叔父様、別動隊もやられたようです―――ここは撤退を。』

『いんや、此奴は此処で叩いておく。必ず後顧の憂いになる。』


瓦礫の中から立ち上がる青と黒のガンダムが紅のガンダムの横に並び立つ―――厄介なガンダムが二体。

「まずいな……」

一体でも厄介なのに、それが二体―――同時に動いた。
紅のガンダムがその腕に内蔵された速射砲を連射する、青と黒のガンダムが腰から両腕にハンドガンを抜き弐丁連射してくる。

「くっ」

ソードメイスを盾にカメラなどの非装甲部位への攻撃を防ぐ、このままではじり貧だ。

下手に近づかず此方の装甲を削る気だ。ナノラミネートアーマーでは砲撃は有効打となりにくいが所詮は塗装被膜に変わらない。
マシンガンの連射を絶え間なく受ければナノラミネート塗装膜が剥げて通常の装甲と変わらなくなる。


「くそっ!」

毒づくミカヅキ……流れを変えなくてはならない、何か…何かきっかけは無いか。
打開方法を模索する―――その時だった。


『頭上にリアクター反応ッ!?』

次の瞬間、頭上から砲撃。
それは敵対する二体のガンダムを狙ったもの―――飛び退き、回避行動へと移る二体。

「一体なにが……」

頭上を見上げるバルバトスルプスのメインカメラが大気圏を突破し降下してくる物体を捉えた。

「あれは……」

地球で見たことがある。MSを覆うほどの巨大シールドだ。そして、そのシールドから飛び降りる一機の影。
仮面の守護という意味を持つ戦乙女の名を冠する紅のMS―――グリムゲルデだった。



 
 

 
後書き
仮面「奴の真意を見極めるまでは」

仮面「朧気だが見えてきたものがある」(ずっとガンダムと一緒に引きこもってただけ)


(´・ω・`)……… 
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