夢幻水滸伝
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第五話 出雲へその十四
「ロシアいうたらな」
「何かあれやろ?女帝が」
「そや、もう圧政敷いて敵を容赦なく潰していく」
「そんなとこやな」
「めっちゃ怖いところや」
「ロシアらしくやな」
「三極星の一人が率いてるらしいけれど」
つまり中里達と同じく、というのだ。
「冷酷非情っちゅうこっちゃ」
「氷か何かみたいに」
「絶対零度とかも言われてるわ」
「そんなとこか」
「自分みたいに降れとか事前に言わんでな」
「容赦なく攻めていっているんか」
「降伏か死って感じでな」
鵺はわかりやすく話した。
「もう何の容赦もなく」
「それでロシアを統一しようとしてるか」
「そうやねん」
「そんな怖いとこによお行こと思うな」
難波はとだ、中里は首を傾げさせて言った。
「あいつ」
「そういうのが好きやなんやろな」
「そういえば戦が好きとか言うてたな」
「暴れ回ってな」
「そやからか」
「そこに行きたいんやろな」
ロシアにというのだ。
「合いそうやから」
「そうか」
「まあ好みとか合う合わへんは人それぞれやからな」
鵺は微妙な顔になっていたが自分の考えは言わずそのうえで中里に話した。
「そこは」
「そうか」
「ああ、それでな」
「あいつはロシアに行くんやな」
「その気持ちは変わらんらしいしな」
「ああ、そやな」
「あそこは怖いけどな」
鵺はこのことも言った。
「しかも寒いし」
「ロシアこの世界でも寒いんやな」
「大体欧州は寒いけどな」
この世界でもとだ、鵺は中里に話した。
「ロシアは特にや」
「雪と氷ばかりで下手したら凍傷で死ぬんやな」
「その通りや、真ん中にシベリアっていうどえらいとこもあってや」
「知っとるわ、森と木と氷だけの場所やろ」
中里は自分の世界での知識から言った。
「そやろ」
「そういうとこや、まあわしはロシア行ったことないけどな」
「それでもやな」
「とにかくロシアは寒くてや」
「女帝がおっそろしい統治してるんやな」
「敵対者は生き埋め、人間の盾、シベリア送りと何でもありや」
鵺はその女帝がしてきていることも話した。
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