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レーヴァティン

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第五話 神殿でその五

「存分に操れたらな」
「その場合はか」
「そうすればいい」
「それだけのことか」
「要するにな」
「そこは剣道とは違うか」
「あと剣だけでもない」
 英雄は現実をさらに話した。
「自分に合うものなら何でもいい」
「槍でも斧でもか」
「ボウガンでも何でもな」
「そういえば武器屋にボウガンあったな」
 久志は市場にあった武器屋の品揃えの中にそれがあったのを思い出した。
「弓矢もな」
「そうだったな」
「ああした武器もいいんだな」
「合うのならな」
「そうか、こうした世界での戦争じゃ弓矢強かったな」
 世界史の知識を組み入れてだ、久志はこう考えて述べた。
「長弓隊とかな」
「イングランドのだな」
「そうだよ、百年戦争とかで使ってたな」
「この世界でもならず者が使っていたな」
「オークやコボルトも使ってるな」
「腕は碌でもないがな」
 少なくとも二人なら何でもなくかわせるものだ。
「しかし奴等が何故弓を使っているか」
「連中にも合っていてか」
「しかも役に立つからだ」
 弓、それがだ。
「実際にな」
「だから持って使ってたんだな」
「そうなる、しかし俺達は弓はな」
「持ったこともないぜ」
 久志は英雄にあっさりと言った。
「試しにやってみるか?」
「この世界ではどうか調べるか、か」
「そうしてみるか?」
「俺はいい」 
 英雄はあっさりとだ、久志の今の誘いは断った。
「刀に専念したい」
「そうか、それ言ったら俺もな」
「剣に専念したいか」
「下手に弓もやってどっちつかずになるよりもな」
「剣に専念してだな」
「もっと強くなった方がいいからな」 
 剣術でというのだ。
「だからな」
「俺と同じ考えだな」
「不本意だけれどそうだな」
「本当にな」
「じゃあ弓はいいな」
「そうなるな、では次はだ」
 買うものは買った、それならというのだ。
「情報収集だ」
「いよいよだな」
「そしてそれの分析だ」
「そうなるか」
「そのうえで神殿に向かう」
 情報収集とそれの分析、この二つを終えてからというのだ。 
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